PROLOGUE
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放課後まで色んな所を掃除したけど
この学校は広いだけじゃなくて
外観が彫刻みたいに綺麗で自然も多い
とっても素敵な学校だなって感動した
とうとう放課後になって
大食堂で、赤髪くんを待っていたけど……
グリム「……いくらなんでも遅すぎるんだゾ!?
まさかアイツ、逃げたんじゃないだろーな!」
『まさかそんな……』
「探しに行ってみよう!」
グリム「罰をオレ様たちだけに任せて逃げるなんて
許さないんだゾ!
エースをとっ捕まえて窓掃除させてやるんだゾ!」
『もしかしてすれ違いになるかもしれないから
私は残って先に窓ガラスの掃除してるね!』
「大変じゃない?」
『大丈夫!掃除嫌いじゃないから♪』
グリム「変わったヤツなんだゾ…行くぞ子分!」
「う、うん!それじゃあ、行ってくる!」
『行ってらっしゃい!』
二人の足音が遠くなって静かになった大食堂
大きな窓ガラスを見上げたら両手の袖を捲って気合いを入れた
『よーし!!』
*~**~*
窓ガラスを10枚ほど拭き終えて
水道で汚れた雑巾を洗って戻っていたら
学園長先生が声をかけてくれた
クロウリー「おや…他の3人はどちらへ?」
『(ドキ!!)……えっと……頑張って大食堂の方を』
______ガッシャーン!!!!!!
クロウリー「な、何事ですか!?」
学園長先生の後ろを急いで追いかけると
大食堂に入った瞬間に目に入ったのは
天井に吊るされてあったはずの大きなシャンデリアが
粉々に砕け落ちてしまっていた
目の前にいる、学園長先生の肩が震えていて
無意識に耳を塞いでいた
クロウリー「あ~な~た~た~ち~は~~~~ッ
一体何をしているんですか!!!!」
学園長先生の言葉はごもっともで
落ち込んでる三人と……青い髪に
顔にスペードが描かれてるこの男の子は誰?
静かにユウくんの側に近寄って今までの経緯を聞いて
思わずため息をついてしまった
赤髪くんもグリムも…どっちもどっちだよ
クロウリー「もう許せません、全員即刻退学です!!」
「そんな!?どうかそれだけはお許し下さい!
俺はこの学校でやらなきゃいけないことがあるんです!」
クロウリー「馬鹿な真似をした自分を恨むんですね
このシャンデリアはただのシャンデリアではありません
魔法を動力源とし永遠に尽きない蝋燭に炎が灯る
魔法のシャンデリアで伝説の魔法道具マイスターに
作らせた逸品です、学園設立当時からずっと大切に
受け継がれてきたというのに……歴史的価値を考えれば
10億マドルは下らない品物ですよ」
『(10億!?)』
ここでのマドルがどれくらいの価値かわからないけど
学園長先生の話し方から、とても高価な品物なのは感じられた
エース「で、でもさ、先生の魔法で
パパっと直せちゃったりとか…………」
クロウリー「魔法は万能ではありません、しかも
魔法道具の心臓とも呼べる魔法石が割れてしまった
魔法石に2つと同じものはない、もう二度と
このシャンデリアから光が灯ることはないでしょう」
『そ、そんな……』
あんなに綺麗に輝いてたシャンデリアが見られなくなるなんて
悲しいくて落ち込んでると
学園長先生が思いついたように話し出した
クロウリー「このシャンデリアに使われた魔法石は
ドワーフ鉱山で採掘されたもの
同じ性質を持つ魔法石が手に入れば
修理も可能かもしれません」
「僕、魔法石を取りに行きます!」
クロウリー「ですが、鉱山に魔法石が残っている確証はありません
閉山してしばらく経ちますし
魔法石が全て掘り尽くされてしまっている可能性も高い」
「退学を撤回してもらえるなら、何でもします!」
クロウリー「……いいでしょう、では一晩だけ待ってさしあげます
明日の朝までに魔法石を持って帰ってこられなければ
君たちは退学です」
「はい!ありがとうございます!」
エース「はーぁ、しゃーねぇ…んじゃパパっと行って
魔法石を持って帰ってきますか?」
クロウリー「ドワーフ鉱山までは鏡の間の扉を利用すれば
すぐに到着できるでしょう」
「はい、ありがとうございます!!」
クロウリー「リリィさん、あなたは行かなくて結構です」
『え?』
クロウリー「今回のシャンデリアの件に
あなたは関わっていませんからね…しかし連帯責任です
この人達が魔法石を取ってくるまで
何をしてもらいましょうか…」
学園長先生の悩んでる様子に、ある提案をお願いした
『なら、窓ガラス100枚を私が一人で掃除します』
エース「……はぁ!?!!」
グリム「な、何言ってるんだゾ!!」
「さすがに一人で100枚は無理じゃ…」
『時間は皆と同じ明日の朝まで、それだったら
一人でも十分間に合うと思う!』
「で、でも……」
クロウリー「本当に一人でやらるんですね?」
『はい、大丈夫です』
クロウリー「…いいでしょう、明日の朝までにお願いします」
『ありがとうございます!』
グリムを見たら、いつもは自信満々な態度なのに
少し落ち込んでる様子に思わず笑ってしまった
『グリムでも、そんな申し訳なさそうな顔するんだね?』
グリム「う、うるさいんだゾ……」
『頑張って魔法石持って帰ってきてね!』
グリム「!?任せるんだゾ!!」
『ユウくん…グリムのこと任せたよ!』
「少し自信ないけど…頑張る!」
赤髪くんと青髪くんの前に行くと、頭を下げた
『…ユウくんとグリムをよろしくお願いします』
「お前……」
エース「…あーあ……なんでこんな事になっちゃったかなあ
ついてなさすぎ……」
赤髪くんの声に顔をあげる
面倒くさそうな納得してない顔で扉に向かっていくと
その後を青髪くんと二人が追いかけていった
また静かになった大食堂に
さっきまでとは違う緊張感が身体を支配していた
『制限時間は………明日の朝まで』