Episode04
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お風呂場に着いて、お湯の温度を確かめようと扉を開けたら
湯船の中にシュウさんが服を着たまま寝ていた
驚いたけどそれ以上に、シュウさんという人が分からなくて
声をかけていいのかも分からなくて困っていたら
目が合ってしまって取り敢えず頭を下げた
『…あの……お風呂の邪魔してすいません……また、来ます』
シュウ「…待てよ」
シュウさんの声がお風呂場に響いて
足を止めたらゆっくり振り返った
シュウ「風呂…入らないのか」
『シュウさんが入っているので…また後で』
シュウ「一緒に入るか?」
『…いいえ』
シュウ「お前…本当はあいつの妹じゃないだろ」
『え_____』
シュウさんの言葉に俯いてた顔を上げると
ダルそうに目を閉じていた
シュウ「あんたとあいつは全然似てない」
『…皆さんも性格がバラバラですよね』
シュウ「当たり前だ、俺とレイジは同じ母親で
アヤトカナトライトはまた別の母親…父親は皆同じだけどな」
『(それじゃあ…スバルさんのお母さんも)』
シュウ「なんだ…意外と驚かないんだな」
『…驚いてます』
シュウ「あんた見てて思う…いつも笑ってるようで
実は笑ってない」
『…………』
「("____"は元気で明るいのに"____"は)」
ふと、頭の中で聞こえた言葉に苦しくなって
もう一度シュウさんに頭を下げたら
逃げるようにその場をあとにした
*~**~*
しばらくしてお風呂場に行ったら
シュウさんはいなくなっていて急いでお風呂に入った
最後にお団子頭をセットして部屋に戻っていたとき
窓の外に教会のような建物が見えて
引き寄せられるように外に出ていた
中は普通の教会と同じ造りに少し嬉しくなると
教壇の前に立ったら目を閉じて神様に問いかけた
『(神様お答え下さい…血が繋がっていなければ
本当の姉妹にはなれないでしょうか?)』
私がユイちゃんと初めて出会ったのは四歳の時
私の両親が交通事故で亡くなって
行き場のない私を養子として引き取ってくれたのが
教会の神父をしていた、今のお父さん
優しく微笑んでくれたお父さんの隣にいたのが
五歳のユイちゃんだった
三人の生活は決して裕福とは言えなかったけど
私は十分満足していたしとても幸せだった
こんな幸せがずっと続くと思っていたのに_____
「…オイ、何してやがる」
『!』
二階のシャンデリアの前に浮いていたスバルさん
静かに地面に着地したと思ったら私に近付いてきていて
少し後ずさったら鋭く睨まれて身体が硬直した
スバル「…近くで見ても不味そうな女だな
キバを当てたら骨に当たりそうだせ」
『スバルさんはユイちゃんの血を吸ってしまったんですか?』
スバル「…あぁ?」
『!』
いきなり私の顔の近くの壁を殴り付けたスバルさん
怖くて両手が震えるとけど、強く握りしめたら
スバルさんの赤い瞳から目を逸らさずにお願いした
『ユイちゃん…最近貧血が酷いです
だからお願いします、血を吸わないで下さい』
スバル「それが人様にお願いする態度かよ?
それにてめェ、本当にあいつのこと心配してんのか?」
『え?』
スバル「態度にも表情にも心配してそーには
全く見えねぇってことだよ!
あいつは百面相みたいにコロコロ表情が変わって
いい顔しやがるのにな?」
『…………』
まただ、このよく分からない
泣きたくなるような気持ちは______
『…もし』
スバル「あ?」
『…もし私が明るく素直な性格だったら
"あの人は"………私を好きになってくれたのでしょうか』
スバル「!!」
スバルさんの驚いた表情にハッとしたら
慌ててスバルさんの横を通りすぎた
無意識に話してた…何を言ったのかさえ覚えてない
自分のハズなのに自分じゃないみたいで怖いはずなのに
それ以上に胸が苦しくて痛くて切なくて
泣きたくなるのは何でなの?
スバル「…なんだよ、あいつ」
あいつの言葉にも驚いたが
それ以上に俺を見つめた時の表情が頭から離れねぇ
あの顔を俺はいつも側で見てきた
あの顔は______
スバル「っつ!!胸くそ悪ぃ!!」
壁を殴り付けてもイライラはおさまらねぇし思い出すのは
泣いてないのに泣いてるように俺を見つめた
あいつの悲しげな表情だった
Episode04 End