Episode03
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ルナが部屋からいなくなった後も
私は夢なのか現実なのか頭の中でさっきの映像を
何回も繰り返していた
でも…さっきのは現実なんだ
私の手の中にある金色のブローチがそれを証明していたから
『敵を倒して仲間を見つけて……プリンセスを探す』
(「___________」)
『!?……今の何…?』
声が聞こえた
女の子の…悲しくて切ない声が
『…明日、仲間に会えたら分かるのかな?』
ルナが明日、仲間の一人に会わせてくれるって話してた
敵を倒すのは怖いけど、私一人なわけじゃないし
頑張ろうって勢いよく立ったら夕飯を作りに部屋を出た
*~**~*
『…遅いな、ユイちゃん』
もう23時
21時に学校が終わるから22時前には着くって言ってたのに…
夕飯をラップして部屋に戻っていたとき
少し先の方にユイちゃんが見えて声をかけた
『ユイちゃんお帰りなさい!遅かっ……ユイちゃん?』
ユイ「…………」
『ユイちゃ……』
よく見ると外は晴れてるのに制服がずぶ濡れだった
ユイちゃんの雰囲気から何かあったのは明らかで
手を繋いだらユイちゃんを引っ張って歩き出した
『先ずはお風呂に入って温まろう!』
ユイ「…………」
返事はしてくれなかったけど
私の手を強く握りしめてくれたから
離さないように手を握り返した
*~**~*
ユイ「…すぅ……すぅ……」
『眠てくれてよかった………けど』
髪を乾かしてる時に気付いた
ユイちゃんの首筋に
キバのような噛まれた痕があったこと
まるで吸血鬼に血を吸われたみたいな_______
『…っ………怖がるな』
ユイちゃんの方が何倍も怖かったハズなんだから
震える手を強く握りしめるとユイちゃんを見つめて考える
どうしたらユイちゃんを守ってあげれるのか
次の日
気持ちよさそうに寝てるユイちゃんを起こすのが申し訳なくて
手紙を残して静かに部屋を出ると玄関の前で会ったのは
アヤトさんだった
『おはようございます、アヤトさん』
アヤト「ああ?…なんだお団子頭かよ、ちちなしはどーした」
『ユイちゃんはまだ寝てます、疲れてるみたいで……』
アヤト「そりゃそーだろ?あいつの血が極上すぎて
昨日はつい吸いすぎたからな」
『え______』
ユイちゃんの首筋のキバの痕を思い出す
あの痕をつけたのはアヤトさんだった事実に
恐怖と怒りが込み上げてくるけど
表情に出さずにグッと鞄を握りしめてアヤトさんにお願いした
『お願いします…ユイちゃんの血を吸わないで下さい』
アヤト「はぁ?」
『…ユイちゃんを傷付けないで下さい、お願いします』
アヤト「…………」
アヤトさんが目の前にくると手首を掴まれて引き寄せられる
アヤトさんに掴まれた時の手の冷たさに
怖いのと何故か悲しい気持ちが込み上げて見つめてると
鋭い瞳で睨まれた
アヤト「てめェ…誰に向かって命令してやがる」
『め、命令じゃなくてお願いです!』
アヤト「なら…てめェがちちなしの変わりに血をくれんのか?」
『え』
アヤトさんの言葉に身体が震えると
楽しそうに私を見下ろしながら近付いてきて
無意識に突き飛ばしていた
アヤトさんから離れたら、私をバカにしたように見つめていた
アヤト「ちちなしみてーな甘い匂いもしねぇのに
不味そうなてめェの血なんかいらねーんだよ、バーカ!」
『い、行ってきます!!』
この空間にいたくなくて
アヤトさんから逃げるよう外に飛び出した
あの人達は本当に吸血鬼なんだ
その事実に怖くなって
長い道をものすごい早さで走っていた