Episode01
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少ない荷物を片手にタクシーに乗り込んだ
お父さんが海外に転勤になってしまったので
今日からお父さんの親戚のお家に居候することになった
私と姉のユイちゃん
学校の用事が無事に終わって今向かっている事を
先に行ってもらっているユイちゃんにLINEで連絡をしたけど
既読にならない
おかしいと思いながら電話をかけてみるけど
「お掛けになった電話は現在使われていないか…」
そんなアナウンスが聞こえて通話ボタンを切った
『ユイちゃんどうしたんだろう?……あ、』
着いた場所は大きな古い洋館の前で
タクシーの運転手さんに頭を下げて雨が当たらないように
急いで玄関に向かって走った
雨のせいなのもあり古びた洋館がより一層
不気味な雰囲気を出していて怖かったけど
勇気を出して扉をノックしたら
ゆっくり扉が開いたのを確認して扉の取手を掴んで中に入った
『あれ?誰もいない……すいませーん!』
自分の声が遠くまで響いて
長い階段とキレイなシャンデリアに目を奪われていた時だった
「きゃぁぁああ!!!!」
『今の声……ユイちゃん?』
荷物を置いて声のする方に向かっていたら
恐怖で顔が蒼白くなっているユイちゃんを見つけた
『ユイちゃん!』
ユイ「宇宙ちゃん!!」
ユイちゃんが抱き締めてくれたけど
身体が震えているのが分かってあやすように背中を撫でたら
いきなり私の身体を離して手を掴むと走りだしていて
私も慌ててユイちゃんの後をついていく
『ユイちゃん、何かあったの?』
ユイ「ここに居たらダメなの!!」
『どうして?』
ユイ「ここにいる人達…っ……皆、吸血鬼だったの!!」
『え_____』
ユイちゃんの言葉に耳を疑うと
玄関の扉が開かない事にユイちゃんが扉を叩いた時だった
私とユイちゃんの間に誰かの手が割って入ってきて
振り向いたら赤い髪に黄緑の目をした綺麗な男の人が
楽しそうに話しかけてきた
「何処行こうってんだよ?
ここからはお待ちかねの絶叫タイムだ
思いっきり泣き叫んで俺を楽しませろよな?
どうせもう…逃げられねーんだからよ」
ユイ「っつ!!」
『ユイちゃん!』
ユイちゃんが男の人を突飛ばしたら
そのまま私の手を引いて走ってくれる
無我夢中で階段を上ってどこか分からない部屋に入った
息が苦しくて深呼吸をしながら部屋を見渡すと
物置小屋みたいなのにネックレスや指輪など
高価そうなモノが置いてあって不思議に見つめてたら
いきなりユイちゃんが苦しみだして
本棚に当たるとそのまましゃがみこんでしまった
『ユイちゃん大丈夫!?』
ユイ「…っ……うん、大丈夫………」
『ユイちゃん…?』
ユイちゃんはゆっくり落ちていた本を拾った
その本の中には写真が入っていて
写真はお父さんと赤ちゃんのユイちゃんが写っていた
ユイ「ユイは私に幸せをくれる…もはや
自分の子ではないという事実は何の意味も持たない
大事な授かり物に日々感謝する……どういう事?
私…お父さんの子じゃないの?
何でお父さんの日記がここにあるの!?」
『…ユイちゃん』
「よりによってこの部屋に入るとは」
『!』
振り向くと見た目も身長もバラバラの男の人達6人が
私とユイちゃんを囲むように立っていた
物音も無しにどうして部屋に入ってこれたのか
よく分からない恐怖が身体を支配してくのが分かった
「ここは誰も立ち入ることの出来ない開かずの間なんですが
また新しい鍵を付けなければなりませんね」
「ほーんと、どうやって入ったのかなビッチちゃん?」
「エサなんだからじっとしてて下さいよ」
『(ビッチちゃん?エサ?この人達、何を言ってるの…)』
「…それより、貴女は?」
『!』
黒髪で眼鏡をかけた人が私を見下ろしていて
名前を言おうと声を出そうとした時
「その顔…最高にそそるな?」
「んふ、僕も頂いちゃおうかなー」
「僕も舐めたいです…」
『!』
男の人三人が何故かユイちゃんに群がっていて
ユイちゃんの怖がってる様子に
何かが燃え上がるような、不思議なエナジーが
身体を巡っていくのが分かった
『止め______』
パリーン!!
「「「「!」」」」
『…あ、』
後ろを振り返ったら肖像画が割れていて
すぐ近くには金髪に青い瞳の男の人が座っていた
「悪ぃ…俺が割った」
『…ユイちゃん!』
ユイちゃんを庇うように前に立つと
男の人達を見渡した後に目が合ったのは眼鏡をかけた男の人
『…挨拶が遅くなってすいません
私は隣にいる小森ユイの妹で小森宇宙と言います
荷物を玄関に置いたままにしてきてしまったので
取りに戻ってもかまいませんか?』
ユイ「…っ、宇宙ちゃん」
『ユイちゃん…今はこの人達の指示に従おう?
今ここを出ても私達行くところないし
お父さんには後で連絡してみようよ、ね?』
「…………」
ユイちゃんに微笑んでからもう一度眼鏡の人を見ると
眼鏡を中指で上げながら私を真っ直ぐ見つめていた
「どうやら妹の方が礼儀がなっているようですね
…いいでしょう、先ずは貴女達の部屋へ案内します」
『…ありがとうございます、ユイちゃん立てる?』
ユイ「う、うん……」
「チッ、邪魔しやがって!」
怒ってる男の人に頭を下げて、ユイちゃんを抱えながら
眼鏡の男の人の後ろを静かについていった
Episode01 End