Episode12
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『…………』
目を開けたらいつもの自分の部屋の天井で
ゆっくり体を起こしたら、扉から現れたユイちゃんが
目を見開いたまま食器を落としてしまっていた
それでも動こうとしないユイちゃんに
声をかけようとしてベッドから起きようとしたら
ユイちゃんに強く抱きしめられていた
ユイ「…っ……宇宙ちゃん…本当に…っ、良かったよ」
『…ユイちゃん』
ユイちゃんを抱きしめ返したとき
ベッドのスプリングの音と揺れに前を向いたら
アヤトさんとカナトさんとライトさんがベットに座っていた
シュウさんはソファーに寝そべっていて
レイジさんとスバルさんは立ったまま私を睨み付けていた
アヤト「やっと起きたのかよ、お団子頭」
カナト「寝すぎです…テディも暇だったって怒っています」
ライト「一ヶ月も寝てるんじゃ仕方ないよねー?」
『(一ヶ月……すごい寝てたんだな私)』
レイジ「それよりも…貴女の事を調べさせて頂きました
月の王国シルバー・ミレニアムについて」
『…………』
もう隠せない、本当の事を話さなくちゃいけない
ユイちゃんを見たら私の手を掴んだまま優しく微笑んでくれた
ユイ「お願い話して?…どんな過去があったって
宇宙ちゃんは私の妹だって事は変わらないからね!」
『…ありがとう』
覚悟を決めると、テーブルに置いてあったブローチを取って
強く握りしめたらゆっくり話し始めた
『…私には前世の記憶があります
私の前世は、月の王国シルバー・ミレニアムの王女でした』
ユイ「月って……あの月?」
『うん……』
ライト「月ってさ~衛星で見ると、ただのプレートが沢山ある
ゴツゴツした所だって聞いたよ?」
『昔はあったんです…でも滅ぼされてしまいました』
スバル「誰にだよ?」
『…クイン・メタリア』
カナト「クイン…メタリア?」
『その生物はまさに人の敵であり全ての敵、悪そのものでした
その生物は地球だけでなくて…月の王国で守り続けていた秘宝
幻の銀水晶の支配までも目論み人々の心の奥底の暗黒を利用し
人々を操って、月まで攻めてきたんです』
レイジ「…その操られた地球人の中に
我々吸血鬼の種族もいたそうです」
『え______』
レイジさんの言葉に驚くと
眼鏡を中指で持ち上げながら私を見つめていた
レイジ「「月」について執筆した吸血鬼の話しに
興味深い事が書いてありました
…"月の王国は長寿の生命体、その血を啜った我々は
地球人の何倍も長く生きられる事に成功したのだ」…と」
シュウ「なるほどな…それが大昔の話なら
俺ら吸血鬼が長く生き続けられるのも納得がいく」
『…月の戦士達も倒れてしまって
最後に残ったのは私とお母様の二人だけでした
お母様が命をかけて敵を封印してくれましたが
月は全て石へと変えられて地球も滅び
もう一度初めから地球は進化を辿ることとなったんです
…でもクイン・メタリアはまた甦ってしまった」
スバル「もしかして…そいつを倒しに夜中に出掛けてたのか?」
『…最終的にはそうなります
前世の月の王国の戦士達と前世の時のお姉様だった
うさぎちゃん達と一緒にクイン・メタリアを今度こそ
完全に倒すことが出来ました』
ユイ「うさぎちゃんが……皆は元気なんだよね?」
ユイちゃんの言葉に少し俯くと顔を上げて返事をした
『…うん、皆元気だよ』
ユイ「そっか…良かった!」
『これが私が秘密にしていた全てです
黙っててごめんなさい』
頭を下げて謝ったら、髪の毛を引っ張られて顔を上げると
アヤトさんがバカにしたように笑っていた
アヤト「いいなそのアホ面…もっと見せろ」
『アホ……え?』
ユイ「や、止めてアヤトくん!
宇宙ちゃんにちょっかい出さないで!」
アヤト「なんだチチナシ…妹にヤキモチ妬いてんのか?」
ユイ「そ、そんな訳ないよ!それに前から思ってたけど
チチナシって言うの止めてくれる?」
アヤト「事実だから仕方ねーだろ…にしても
妹よりもチチナシなんて本当に情けねーなチ・チ・ナ・シ!」
ユイ「~~~~!!」
ライト「まぁまぁ二人とも!胸の大きさなんて関係ないよね?」
カナト「そうですよ…大事なのは血が美味しいかです」
アヤト「確かにな……」
ユイ「!?」
『わっ……』
ユイちゃんが私の背中に隠れてしまって
三人と睨み合いみたいな感じになって気まずくなってたら
レイジさんが手を叩いていた
レイジ「病み上がりの女性の部屋に居続けるなど不粋です
さっさと学校に行く準備をしますよ」
ライト「え~?もうちょっとここで宇宙ちゃんと
お話ししたいなー」
カナト「僕もです」
レイジ「ダメと言ったらダメです!…貴女も
今日はしっかり休んで、何かあれば召し使いに
声をかけなさい…いいですね」
『はい、ありがとうございます…』
ユイ「じゃあ、学校行ってくるね?」
『うん…行ってらっしゃい!』
一瞬で部屋が静かになった
あの出来事から一ヶ月も過ぎてたんだ…一ヶ月も
『…っ、…うぅ……っつ……!!』
学校に行っても、亜美ちゃんに勉強を教えてもらえない
レイちゃんのお家に遊びに行くこともない
まこちゃんの美味しいお弁当も食べられない
美奈子ちゃんの恋話を聞くこともない
『…っ……うさ、ぎ…ちゃん!!』
授業中に寝てるうさぎちゃんを起こすことも
放課後二人でクレープを食べたりゲーセンで遊ぶ事もない
『…っつ!!…っ、衛…さん!!』
うさぎちゃんと言い合いしてる時の楽しそうな様子も
私を見つめてくれた優しい瞳を、もう見ることは出来ないんだ
『…っ、皆……!!』
皆にはこれから普通の生活を思う存分過ごして欲しい
心からそう思うのに涙が止まらないのは
皆との時間が大切で
私にとってかけがえのないモノだったから
Episode12 End