Episode09
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外は大雨
変な時間に目が覚めて喉が乾いたから
水を飲みに台所に向かっていた時だった
ユイちゃんが裸足のまま何処に向かっていて
ただなら無い空気に急いでユイちゃんの後を追いかけた
やっと追い付いたと思ったら、地下水路まで来てしまっていた
『ユイちゃん?』
ユイ「…………」
『(やっぱりおかしい)……ユイちゃん!』
ユイ「!!」
『え______』
『…っ………ここは?』
さっきまで地下水路にいたはずなのに
目の前には大きなお城のような建物が立ち並んでいて
キレイな噴水がお城の真ん中に立っていた
そして、私の目の前を楽しそうに走っていく三人の男の子
『……アヤトさんに…ライトさんに…カナトさん?』
何で皆さん小さい頃の姿なのか不思議に見つめていたら
アヤトさんを呼び止めた美しい女性
カナトさんと同じ紫の髪に
アヤトさんとライトさんと同じ黄緑色の目をしていた
「さあ、帰ってお勉強よ」
アヤト「い、嫌だ!!僕ずっと勉強してたじゃないか!!」
「言い訳は聞かないわ、部屋に戻りなさい」
アヤト「カナトとライトは遊んでて
どうして僕だけ勉強しなくちゃいけないの!?」
「あなたは他の子とは違うからよ」
アヤト「嫌だ!!もっと遊びたい!!」
「何度言えば分かるの!?あなたは跡継ぎなのよ!!
その意味が分かっているの!?…ほら、どうすればいいか
言ってごらんなさい?」
アヤト「…一番になる、こと……誰にも…負けない、こと」
「もし出来なかったら?」
アヤト「…お母様の子ではないから、湖の底に沈める」
「そうよ、いい子ねぇ?一番ではないあなたには
なーんの価値もないの…そういう子はね
冷たくてだーれも助けにこない湖の底で
孤独のまま生き続けるのよ?
…それが嫌なら部屋へ行きなさい!!」
アヤト「…っつ!!」
『(アヤトさん………!?)』
場面がいきなり変わった
目の前にはシュウさんと容姿がそっくりなキレイな女性
その隣には小さいけど本に集中しているレイジさんだった
すると、キレイな正装に身を包んだ小さいシュウさんは
子犬を抱きしめながら楽しそうにしていた
「シュウ…何をしているのです」
シュウ「見て!さっき友だちに貰ったんだ!」
「…すぐに離しなさい」
シュウ「…っあはは!くすぐったいよ!」
レイジ「…………」
「シュウ、あなたはこの家の長男…次期当主になるものです
如何なる時もそのように振る舞わないといけません」
シュウ「!?な、何するんだよ!!嫌だったら!!
大切にするってエドガーと約束したんだ!!」
『(エドガー…?)』
「…………」
レイジ「母上、この本を全て覚えましたよ!」
「…………」
レイジ「…っ………」
『(レイジさん………あ、)』
目の前には大きな一本の棟
その棟の天辺には白髪のキレイな女性がいて
その女性が見つめていたのは小さい頃のスバルさんだった
女の人は何処かに隠れるように消えてしまって
スバルさんは悲しそうに俯いてしまうと
手に持っていた銀のナイフを落としてしまった瞬間
また風景が変わっていた
アヤトさん達のお母さんの手を握っている一人の男性
後ろ姿しか見えないから誰なのか分からないけど
アヤトさん達のお母さんは楽しそうにその人を見つめていた
「コーデリア…この世の誰よりも美しく麗しい人
生きとしいける全てが貴女を愛し跪くのが分かります」
『(…コーデリア?)』
「んふ、リヒター…いつまでも私の側で愛を囁いて頂戴?」
『(…この人)』
リヒターって…アヤトさん達のお父さんじゃない気がした
それじゃあ、あの人達は一体何をしているの?
ゴーン!!
『え______』
まるで静止画のように動かなくなった世界
なのに何故かあの女の人の顔は動いていて
私を鋭く睨み付けていた
今までに感じた事のない、強い憎悪と殺意のこもった瞳だった
「…お前だけは絶対に許さない」
『_______』
『…っ…………』
ライト「あ、やっと目を開けてくれた♪」
『…ライトさん………っユイちゃんは!?』
ライト「びっちちゃんなら…お楽しみ中だけど?」
『!!』
私の目の前でアヤトさんに血を吸われているユイちゃんを見て
慌てて起き上がったけど、ライトさんに抱えられたら
格子に両手首をネクタイで縛り付けられてしまった
ライト「そろそろ僕も貰っちゃっていいかな~?」
アヤト「…好きにしろよ」
ユイ「え…」
『ユイちゃん!?お二人とも止めて下さい!』
ライト「ふふふ…君はそこで楽しんで見ててよ?」
どんなに暴れてもネクタイはほどけなくて
ユイちゃんの右の太ももをライトさんが
アヤトさんが左の首筋を吸血していた
その生々しさに恐怖が込み上げてくると
両手を強く握りしめて叫んでいた
『止めてぇーーーー!!!!』
アヤト・ライト「「!?」」
私の変身ブローチが強く光輝いたら
ネクタイがほどけて二人をはね飛ばしていた
ユイちゃんを抱きしめた瞬間
また眩い光に包まれると、目を開けた時には
ユイちゃんの部屋だった
ユイちゃんを見たら、吸血された左の首筋と右の太ももに
何故か牙の痕は無くなっていて、顔色も良くなっていた
『…っ……よかっ……た』
いきなり睡魔が訪れると
ユイちゃんの手を握りしめたまま、深い眠りに落ちていた
アヤト「…なんだってんだ、あの力!!」
ライト「ほーんと…一瞬で僕たちを吹き飛ばしちゃったね~」
あの眩しい光を浴びた瞬間、力が入らなくなった
それにあの女、まるで別人_____
ライト「もしかしてあの子…僕たちにとって
実は重要な存在だったりしてね?」
アヤト「重要だと…あのお団子頭がか?」
ライト「実際に生贄の花嫁として呼ばれたのが
ビッチちゃんだけなら、別にあの子はいらないハズでしょ?
なのに彼女は逆巻家に招待された…ってことは」
アヤト「…他に理由があって呼ばれたって事か」
ライト「さぁね~?」
アヤト「…………」
あのすげぇ力の正体……俺が必ず突き止めてやる
Episode09 End