Episode09
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あの人の手掛かりも掴めないまま
時間だけが過ぎていく
今日は亜美ちゃんの家で作戦会議、先生に呼び止められて
少し遅くなっちゃったから急いで向かってると
いつもうさぎちゃんに連れてってもらってた
ゲーセンを通りすぎようとした瞬間、足が止まってしまった
『…な、何で…?』
無意識に足が進んでいて、ゲーセンの中に入ったら
目の前の人物から目が離せなくなった
『…衛…さん…?』
「やぁ宇宙ちゃん、こいつは新しくバイトに入った
俺の親友遠藤だよ」
『え……』
「古幡と同じKO大学の一年遠藤です…よろしく」
『…よろしくお願いします』
手を差し出されてゆっくり彼の手を握る
こんな事が本当にあるの?
その声もその姿も…手の温もりだって同じなのに
「君は…セーラームーンに髪型が似ているね」
彼に髪を触れられた、その事実に拒否することを忘れていた
「その髪型がセーラームーンを思い出すんだ」
『…………』
「ねぇ…セーラームーンやセーラーコスモス
他のセーラー戦士は何処にいるんだと思う?」
『…失礼します』
「宇宙ちゃん」
『_______』
いきなり手を捕まれて引き寄せられると
彼の吐息が耳の奥で鳴り響く
「明日もおいで…君の事をもっと知りたい」
『…っ、さようなら!!』
彼の手を振り払って走ってその場を後にした
「…俺の暗示がかからない?」
こんな気持ちで亜美ちゃんの家に寄れるはずもなくて
お屋敷に着いたら、壁に寄りかかって呼吸を整える
『はぁ…はぁ…はぁ…っ、!!』
あの人の冷たい目を見て確信した
あの人は衛さんなんかじゃない……そのはずなのに
『(何でこんなに胸が苦しいの…何で、嬉しいって
思ったりしたの!?)』
衛さんに似てる彼が少しでも私に興味を持ってくれた
それだけで胸が苦しいくらい嬉しいのに
同時に悲しみと後悔が両方押し寄せる
(「その髪型がセーラームーンを思い出すんだ」)
『…っ、私の……バカ』
ドン!!
俯きながら早歩きで歩き出した瞬間
誰かとぶつかってしまって顔を上げた
『ご、ごめんなさ……シュウさん』
シュウ「…何で泣いてるわけ」
『え______』
シュウさんに言われて自分が泣いてる事に気付いた瞬間
涙が頬を伝っていくのが分かって慌てて涙を拭ったら
シュウさんに頭を下げた
『何でもないんです…っ、ごめんなさい!』
こんな私を誰にも見られたくなくて
急いでシュウさんの横を通りすぎて部屋に向かった
シュウ「…………」
いつも表情を崩さない女
あの女といる時は少し笑ってるぐらいで
満面の笑みってヤツを見たことがない
俺の母親もそうだった…そんな事を思い出してたら
あいつの泣き顔を見て笑ってる俺がいた
シュウ「……面白い」