十傑パロ(連載ヒロイン)
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暗い森の中を夢中で走ってたら
あの時と同じ感覚に涙が溢れてこぼれ落ちる
『(はぁ!!……はぁ!!……っ……怖い!!)』
どうして…何で私ばっかりこうなるの?
途中で木の幹に足を引っかけて転んでしまって
足を捻ったのか痛くて右足をおさえたら
茂みから男の人が数人現れると
私に向かって指をさしながら怒鳴っていた
「見つけたぞ!!」
「よくもガキどもだけじゃなくて俺達も騙して
パンなんか食わせやがったな!?」
「捕まえて商人に渡してやる!!」
『(い、いや!!)』
いきなり身体を紐で縛られて怖くて暴れると
痛い足を無理やり立たされて連れてかれそうになった時だった
爆豪「…そいつを離せモブども」
「何だ…ってうわぁ!!」
「ドラゴン!?に、逃げろ!!」
『(何で…?)』
私を突き飛ばして逃げていく男の人達
目の前には心配そうに私を見る赤い竜の姿のエイジロウ君に
私を見下ろすカツキ様
カツキ様が私の目線に合わせてしゃがむと
短剣で紐を切ってくれた
真っ直ぐ見つめるカツキ様に思わず腕を振り上げていた
パン!!!!
爆豪「…………」
『(!?)』
頬を叩いたハズなのに、何故かカツキ様に抱き締めらていた
逃げようとして暴れても全然びくともしなくて
カツキ様の背中をおもいっきりグーで叩いても
抱き締める腕は強いままだった
『(ぜ、全部カツキ様のせいなんだから!!)』
爆豪「…………」
『(私はただパンを作りたいだけなのに!!)』
爆豪「…………」
『(カツキ様なんて嫌い!!カツキ様なんか…っつ!!)』
カツキ様の前で泣きたくなんてなかった
泣いたら余計にカツキ様は喜ぶだけで
自分が惨めになると思ったから
いつか前を向いて頑張れば報われる
そう思って今まで頑張ってきたけど、結果がこれだ
私は奴隷…それは変えらない
爆豪「…行くぞ」
『(…ミナコさん……っ…アヤカさん)』
私のせいで二人に何かあったらって思うと怖くて不安で
ただ無事でいて欲しいって願うことしか出来ない
どこに逃げても誰かに迷惑をかけるなら
私はカツキ様の村で大人しくしてるしかないんだ
私を抱き上げたカツキ様の腕が力強いのに優しいから
エイジロウ君に乗って空を飛んでいる間も涙が止まらなかった
*~**~*
『(…っ………)』
太陽の光を感じて目を開けたら知らない天井で
身体を起こすと、柔らかいベッドの上だった
『(ここ…カツキ様の部屋だ)』
いつの間にか寝てたみたいで全然気付かなかった
怒られると思って急いでベッドから下りたら
右足が痛くて触るとキレイに包帯が巻かれていた
不思議に思ったけど急いで布団を直して窓を開けると
いつもの活気溢れる村の風景に胸が締め付けられた
『(帰って来ちゃったんだね…)』
爆豪「起きたか」
『(!…カツキ様)』
挨拶のかわりに頭を深く下げる
頭を上げてカツキ様を見ると眉間にシワを寄せていて
その表情に身体が無意識にビクって反応すると
カツキ様はため息をつくて私から目を逸らしたら後ろを向いた
爆豪「…飯にすんぞ」
『(え?)』
カツキ様の合図でどんどん部屋に食事が運ばれてくる
見たことがない豪華な料理
でも何より、カツキ様と一緒に食事をするのが信じられなくて
カツキ様が大きなソファーに腰かけたのを見てたら
目が合ってしまった
爆豪「…さっさと座れ」
『(本当に一緒にご飯食べるんだ…)』
緊張するなって思いながら
カツキ様の座ってるソファーから少し離れた地面に
正座しようとしたら右足が痛くて顔を歪めてしまった瞬間
爆豪「どこに座ろうとしてやがる」
『(!?)』
いきなり抱えられると
カツキ様の隣に座らされて思わず逃げようとしたら
何故か腕を掴まれてしまった
爆豪「ここにいろ…俺の言うことが聞けねーのか?」
『(…そうだ)』
ここに来た以上はカツキ様の命令に背いちゃいけない
身体の力を抜いて座るとカツキ様がご飯を食べ始めたのを見て
食事に目を移した
本当は食欲なんてないけど食べないと文句を言われそうだから
食べれそうなりんごを無理やり一口食べた
爆豪「…てめェが世話になってた女どもは無事だ」
『!!』
爆豪「町の奴等の記憶を消した…お前を
俺の村で保護してるって伝えたら安心したって言ってたな」
『(ミナコさん…アヤカさん………無事で良かった)』
爆豪「…………」
二人が無事な事に安心して微笑んだら
さっきまでの食欲の無さが嘘のようにりんごを頬張った
そんな私をカツキ様が優しく見つめてたなんて知らずに
③へ続く