連載ヒロインのバレンタイン
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『…どうしよう』
私の手の中には緑の包装紙に赤色のリボンでラッピングした
手作りバレンタインチョコが入ってる
出久の部屋の扉の前をグルグル歩き回って
ふと足を止めると大きくため息をついた
『…渡していいのかな?』
出久は私に好きだって言ってくれた
でも、私は出久の思いに答えることは出来ない
なのに…こんな期待を持たせるような事をしていいの?
『…でも毎年あげてたのに、今年はあげないなんて
あからさまな気もするし…』
確か去年はチョコケーキ、一昨年はマフィンだったなって
思い出してたら
ガチャ
緑谷「…聖?」
『い、出久!?』
緑谷「どうしたの?そんな所で」
『え?あ、あの……えっと…その……』
思わずバレンタインチョコを後ろに隠すと
何て返事をしたらいいか分からなくて少し俯いたら
出久が優しく声をかけてくれた
緑谷「ゆっくりで大丈夫だから…ね?」
『出久…』
出久の優しさに胸が締め付けられると
今まで考えてた色んな気持ちが消えて
勇気を出して出久にバレンタインチョコを渡した
『…ハッピーバレンタイン』
緑谷「え?」
『いつも私を助けてくれて…側にいてくれてありがとう』
緑谷「…聖」
出久が私の手からバレンタインチョコを受け取ってくれて
思わず顔をあげたら、頬を赤くして嬉しそうに笑ってた
緑谷「ありがとう聖…本当に嬉しいよ!」
『…っ……うん!』
緑谷「今年は何だろう……!?抹茶の生チョコレートだ!」
『それもホワイトチョコにしたから少し大人な味わいだよ!
食べてみて?』
緑谷「それじゃあ…いただきます!」
『…どうかな?』
緑谷「お、美味しい!!」
『!…よ、良かった~』
緑谷「本当に美味しいよ!この抹茶の苦さを
ホワイトチョコレートの甘さが邪魔しないように
緩和してくれて、更に抹茶の香りをホワイトチョコレートが引き立ててくれるのが凄いというか」
『…ふふふ♪』
緑谷「(聖のこんな嬉しそうな顔…久しぶりに見たな)」
出久が嬉しそうに微笑んでくれたから
勇気を出してチョコを渡して良かったなって思った
End