運命のオメガバース(完結) 連載ヒロイン、裏あり
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
あんな事があった後だから
爆豪君に会いに行くのが気まずくて
今日はヒーロー科の教室に行けなかった
でも、聖ちゃんが心配だったし
何より爆豪君にちゃんと想いを伝えてない
気持ちを奮い立たせて、ヒーロー科の教室に行くと
後ろ側の扉に背中を預けてる爆豪君に思わず足を止めた
『爆豪君…』
爆豪「…………」
『?』
教室を覗いたら聖ちゃんと緑谷君がいた
何故か驚いてる緑谷君に対して聖ちゃんは笑顔だった
「私…爆君の番になる」
『______』
爆豪「…………」
教室の静けさがその意味を物語っていて
爆豪君を見たら地面を睨んでいた
「私はΩ…日本に貢献出来るような立派なαの子どもを産むのも
私の生きる意味に繋がる…それを出久が教えてくれた」
緑谷「聖…」
「それに運命の番も…赤の他人なら少し怖いけど
ほら、爆君なら顔見知りだし大丈夫かなって!
爆君って口は悪いけど優しいもんね♪」
緑谷「…そうだね」
「だから…出久はもう心配しないでね?
これからは自分の身体は自分で守るし…爆君にお願いする」
緑谷「…………」
「出久は私から卒業して…皆のヒーローになって!」
緑谷君のに両手を掴んだ聖ちゃんの瞳は
恋い焦がれてる女の子の瞳だった
本当はまだ緑谷君の事が好きなのに
聖ちゃんは自分の運命と向き合うことを選んだんだ
扉に向かってくる聖ちゃんに慌てて隠れた
「ありがとう出久…出久はこれからも私のヒーローだから!」
笑顔で手を振って教室を出た聖ちゃんだけど
涙を我慢して顔が歪んでくのが見えた
爆豪君を見たら私を真っ直ぐ見つめてて
爆豪君の強い瞳に覚悟を感じて身体の力が抜けると微笑んだ
『…最後にお願いしていい?』
爆豪「…………」
『聖ちゃんの事…大切にしてあげてね?』
爆豪「…てめェに言われなくても分かってンだよ、クソが」
爆豪君はそのまま聖ちゃんの後を追いかけて行った
その光景に少し俯くと
爆豪君とは反対の廊下をゆっくり歩いた
*~**~*
着いたのは想さんの研究施設
ドアを開けたら目の前にいたのは想さんじゃなくて
何故かしょーちゃんだった
『…想さんは?』
轟「ちょうど席外してる、すぐ戻っ………小麦」
『…っ……ひっく…っ……うぅ…』
しょーちゃんを見たら今まで我慢してた涙が止まらなくなって
そんな私をしょーちゃんは優しくあやすように
頭を撫でてくれた
『ねぇ、しょーちゃん……私はβだけど…っ……いつか
私だけの…運命の番に……出会えるかな?』
轟「…そんなの無くても
お前を全力で愛してくれるヤツが必ず現れる
お前は、いい女だからな」
『…っ……想さんよりも?』
轟「…ああ」
『嘘つき…っ……でも…ありがとう…しょーちゃん』
轟「…………」
しょーちゃんの胸に頭を乗せたら、優しく抱き締めてくれた
"一度でいいから爆豪君に抱き締めてもらいたかったな"
そんな事を思ったら、また涙が溢れて止まらなくなると
しょーちゃんの制服を強く握りしめた
私はβ…好きな人はαで運命の番を見つけた人
だからもう、彼に思いを伝えることはない
後編へ