運命のオメガバース(完結) 連載ヒロイン、裏あり
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爆豪君が帰った後、制服を綺麗に整えた聖ちゃんに
緑谷君は一言だけ声をかけてそのまま帰ってしまった
落ち込んでる聖ちゃんをほっとけなくて
想さんに話を聞いてもらおうと思って
聖ちゃんを連れ出した
想さんにどお説明すればいいか分からなくて
『今から行ってもいいですか?』って連絡すると
すぐに「いつでもいらっしゃい」って返事をくれた
電車で30分
想さんのいる研究部屋の扉をノックして扉を開けた
『こんにちは、想さん!』
「いらっしゃい小麦ちゃん…初めてのお客様ね?」
「はじめまして、雄英高校ヒーロー科の聖と言います!」
「聖ちゃんね…私はここの研究員をしている
想って言うの、よろしくね?」
「よ、よろしくお願い致します!」
綺麗にお辞儀をした聖ちゃんに微笑むと
想さんは聖を真っ直ぐ見つめていた
「聖ちゃん…Ωね」
「!!」
『すごい聖さん!!どおして分かるんですか!?』
「私一応αだから…Ωの匂いとか分かるのよ」
『匂い…?』
「Ωに訪れるヒート…そのフェロモンの匂いよ」
「!!」
確かΩとαには独特のフェロモン?の香りがするって
お母さんから聞いたことがある
特にΩがヒートの時に放つフェロモンの匂いは強烈で
とても危険だって話してたのを思い出した
聖ちゃんが心配で見たら
想さんが優しく聖ちゃんの頭を撫でてくれてた
「大丈夫よ、私はΩの匂いで理性を失ったりしないわ」
『理性…?』
「ええ、ヒート中のフェロモンを受けたらαは特に
孕ませたい欲望にかられてΩに襲いかかるのよ
βにもフェロモンの匂いに当てられて近づいてくる奴もいるわ
…小麦ちゃんみたいな例外もいるけど」
『確かに私、αのフェロモンにも影響されたことないかも…』
「…お聞きしてもいいですか?」
「ええ」
「運命の番を…無くす方法ってありますか?」
『!…聖ちゃん』
「…………」
真っ直ぐ想さんを見つめてるけど
両手を強く握りしめてるのを見て声をかけようとしてら
想さんの息を吸う音が聞こえた
「…無理ね、運命の番はΩとαの本能で感じるものだから
Ωとαがいる限り、それを無くすことは出来ないわ」
「…っ……そうです…よね」
『(聖ちゃん…)』
聖ちゃんの悲しそうな表情に胸が締め付けられた
でもその反面
私がなりたくてもなれない爆豪君の運命の番に選ばれて
羨ましいって思った
何で聖ちゃんなの?
優しくて綺麗で皆の人気者の聖ちゃんに
私が敵うはずないのに
そんな事を思う自分が嫌で
聖ちゃんに声をかけてあげることが出来なかった
*~**~*
次の日の朝
いつも通りヒーロー科の教室に向かって廊下を歩いていた
聖ちゃんは絶対落ち込んでるだろうから
私がいつも通り接して元気付けてあげようと思ったから
そんな気持ちで教室に着いたら
目の前に緑谷君がいて声をかけようとしたとしたとき
爆豪「いいか…こいつは俺の番だ
手ェ出したヤツは、木っ端微塵にぶっ殺す」
「「「「「えー!!!!」」」」」
轟「…………」
「…………」
『聖ちゃん…』
クラスの皆の興奮する声よりも
脱け殻みたいにショックを受けてる聖ちゃんを
心配して見つめてたら
聖ちゃんと目が合った瞬間
今まで聞いたことがないくらいの声で
聖ちゃんが叫んでいた
「違う!!」
「「「「「!?」」」」」
教室が一瞬で静かになるけど
聖ちゃんは泣きながら皆に訴えていた
「私は爆君のモノじゃない!!!!」
緑谷「聖!?」
『聖ちゃん!!』
爆豪「…………」
『…緑谷君、ここは任せて?』
爆豪君と目が合って胸が締め付けられたけど
聖ちゃんの後を急いで追いかけた
保健室に入ってく聖ちゃんを見て
息を整えてから扉を開ける
周りを見渡してカーテンを開けたら
布団にくるまってるせいで顔とかは見えないけど
綺麗な金髪が見えてすぐに誰か分かった
『…聖ちゃん』
「!!…小麦ちゃん……っ……」
聖ちゃんの私を呼ぶ苦しそう声に
隣の椅子に静かに座った
「ずっと…ずっとずっと、小さい頃から出久だけが好きだった
出久の側にいて、いつか私の想いを受け止めてもらえて
結婚して出久の子どもを産んで仲良く暮らすのが…夢だった」
『…うん』
「でも……初めてヒートになったとき
爆君が欲しくなった…触って欲しいって思っちゃったの」
『…うん』
「心は出久を求めてるのに本能が…身体が爆君を求めてる
私って最低だ…っ……最低」
『……聖ちゃん』
思わず聖ちゃんを抱きしめたら
聖ちゃんは震えながら声を殺して泣いていた
Ωの宿命と運命の番
恥ずかしい…何で羨ましいなんて思ったんだろ
好きな人とじゃない運命の番なんて地獄みたいなものなのに
泣いてる聖ちゃんを見て覚悟を決めると
布団越しから感じる聖ちゃんの肩を強く握りしめた
④へ続く