運命のオメガバース(完結) 連載ヒロイン、裏あり
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教室に入ると、麗ちゃんや梅雨ちゃんが声をかけてくれて
笑顔で『大丈夫!』と返事をした
私を睨み付ける爆君と心配そうに見つめる出久に
いつも通り挨拶をする
『爆君おはよう!』
爆豪「…………」
『出久もおはよう♪』
緑谷「う、うん!おはよう…」
出久はまだぎこちなさそうだったけど
笑顔を向けたら気にしないよう声をかけた
『放課後、少し時間くれる?』
緑谷「え?」
『ダメかな?』
緑谷「…分かった」
『ありがとう!じゃあ教室で待ってて?』
緑谷「…うん」
爆豪「…………」
いつも通り授業を受けて少し違ったのは
私と出久の距離
それに…小麦ちゃんが一回も教室に来てくれなかったこと
*~**~*
放課後
誰もいない教室で私と出久は向かい合わせで立つと
出久に頭を下げた
『昨日…無理やりあんなことして本当にごめんなさい』
緑谷「聖…」
『私ね、決めたの』
緑谷「え?」
頭を上げたら何故か驚いてる出久がいて
でも私は笑顔ではっきりと出久に伝えた
『私…爆君の番になる』
教室の静けさが嫌で、またすぐ声をかけた
『私はΩ…日本に貢献出来るような立派なαの子どもを産むのも
私の生きる意味に繋がる…それを出久が教えてくれた』
緑谷「聖…」
『それに運命の番も…赤の他人なら少し怖いけど
ほら、爆君なら顔見知りだし大丈夫かなって!
爆君って口は悪いけど優しいもんね♪』
緑谷「…そうだね」
『だから…出久はもう心配しないでね?
これからは自分の身体は自分で守るし…爆君にお願いする』
緑谷「…………」
『出久は私から卒業して…皆のヒーローになって!』
出久に近付くと出久の両手を掴んだ
私を守ってくれたこの手が…本当に好きだったよ
出久の手を離して扉に向かったら出久に振り返った
『ありがとう出久…出久はこれからも私のヒーローだから!』
笑顔で手を振って教室を出ると
早足で向かったのは保健室
リカさんが出張の時は、私が鍵を預かってるから
鍵を開けて中に入るとカーテンを閉めてベットに項垂れた
『…っ……これで……いいんだよね?』
ベットのシーツを握りしめた瞬間
カーテンが開いて振り返ったら、目の前にいたのは爆君だった
『爆…君?』
爆豪「てめェの覚悟は伝わった」
『!…爆君、さっきの出久との会話聞いて』
爆豪「今日だけだ……泣け」
『_______』
涙が溢れて止まらないのに何故か声は出なくて
胸が締め付けられるくらい痛くて苦しくて
まだ出久の温もりが残ってる手を
胸に抱きしめたまま泣いてると爆君が私を抱きしめてくれた
その行為が余計に辛くてまた涙が止まらなくなる
私はΩ…爆君の運命の番
だからもう、好きな人に思いを伝えることはない
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