運命のオメガバース(完結) 連載ヒロイン、裏あり
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あの後、リカさんが戻ってきてくれて
体調が悪いから早退したいと伝えたらすぐに了承してくれた
私がΩなのをリカさんも知ってるから
気を使ってくれたんだと思う
罪悪感があったけど小麦ちゃんに鞄を持ってきてもらって
覚悟を胸にある場所に向かった
*~**~*
今は、18時
チャイムの音にインターホンを覗くと
さっきメールした相手に安心して笑顔で扉を開けた
『…出久、わざわざ来てもらってごめんね?』
緑谷「体調大丈夫?」
『うん、大丈夫!ありがとう、心配してくれて』
緑谷「聖…あのさ」
『立ち話も疲れちゃうしあがって?』
緑谷「…おじゃまします」
出久が部屋の階段を上ってくのを確認したら
静かに玄関の扉の鍵をかけた
出久にお茶とお菓子を持っていっていくと
何回も来てるハズなのに正座で緊張してる出久を見て
笑ってしまった
『もう!いい加減慣れない?』
緑谷「だ、だって…」
『はい!お茶でも飲んでリラックスして?』
緑谷「…頂きます!」
勢いよくお茶を飲む出久を見つめて両手を握りしめると
声をかけた
『あのね…さっきのメールで
話したい事があるって言ったでしょ?
それを伝えたくて呼んだの』
緑谷「う、うん!話って何?」
出久の顔を見つめたら、出久はキョトンとしていて
緊張がほぐれて自然と笑っていた
『私ね……出久が好き』
緑谷「…え」
一気に静かになる部屋
出久の返事が怖くて両手を握りしめてたら
出久が苦しそうに顔を歪めると俯いてしまった
緑谷「聖はΩで……僕はβだ」
『うん…知ってるよ?』
緑谷「聖は皆にとって特別な人なんだ!
それに…君はかっちゃんの」
『運命の番?』
緑谷「…っ…そうだよ?……だから、僕と一緒になるより
かっちゃんと一緒の方が幸せに」
『そんな事ない』
緑谷「え?」
『Ωとか運命の番とか関係ないの
私は出久が好きで……出久以外は何もいらない』
緑谷「!?」
いきなり立ち上がってワンピースのファスナーを下ろしたら
下着姿の私を見て、出久はガン見していた
出久…もっと私だけを見て
この身体は爆君のモノじゃない、出久のモノなんだから
『出久お願い…私を抱いて?』
緑谷「聖何言っ……!!!!」
いきなり出久がベットを背もたれにして崩れ落ちた
息を荒く乱しながら赤いネクタイをほどくと
首元のワイシャツを大きく広げていた
顔も赤くなって少し汗ばんでる
本当に即効性があるんですね…想さん
『出久…苦しいの?』
緑谷「聖!…はぁ…っ……一体…何をしたの!?」
『…お茶に媚薬を入れたの』
緑谷「!!」
『こうでもしないと出久…私に触れてくれないでしょ?』
出久の手を掴んで私の胸に持っていく
出久のガサガサした大きな手が私の胸を掴んだ
出久が私に触れてくれてる…それがこんなにも嬉しい
でも出久は私の手を乱暴に振りほどいた
初めての出久の態度に思わず顔をあげると
私を鋭く睨む出久に身体が動かなくなる
緑谷「ダメだこんな……っ!!」
『出久…』
分かってるよ出久
でも、私…覚悟出来てるから
『出久お願い…私を抱いて?』
緑谷「!!」
『運命の番なんていらない…私は出久だけが欲しいの』
緑谷「…っ……聖」
『出久好き…好きなの』
緑谷「______!!」
出久は乱暴に私を押し倒すとキスをしてくれた
舌が絡みあって息が出来ないくらいの激しいキス
キスしてくれてる間も私の身体を出久の手が這っていく
もっと触れて…爆君の手の熱さを忘れるくらい
緑谷「…ごめん聖」
『え?』
出久は苦しそうに顔を歪めて謝ると
私を抱き起こしてくれて布団で身体を隠してくれた
媚薬の効果…もう切れちゃったんだ
緑谷「ごめん聖!!…っつ…ごめん!!」
『出久…』
出久が泣いてる…何してるんだろ私
出久を泣かせてまで、こんなことしたかったんじゃないのに
でも…他に方法が思い付かなかったの
緑谷「聖がかっちゃんと運命の番なら
必ず幸せになれる!!僕じゃ…僕じゃダメなんだ!!」
『…出久がいい』
緑谷「聖!!」
『出久と一緒にいられるなら…それが一番幸せだよ?』
緑谷「!?」
『お願い出久…お願いだから…っ……私を抱いて』
緑谷「聖…」
出久の胸に頭を預けて俯く
泣かないように唇を噛み締めてたら
肩を掴まれると勢いよく剥がされた
緑谷「…ごめん」
『_______』
身体の力が抜けると出久の立ち上がる音が聞こえて
扉がしまった瞬間、涙が溢れて止まらなかった
自業自得、私が壊した
『ごめん…ね、いず、く……ごめんなさい』
出久の言葉を思い出して、覚悟を決めたはずなのに
その事を思い出すだけで涙が溢れて止まらないのは
出久が好きでたまらないからだ
⑤へ続く