運命のオメガバース(完結) 連載ヒロイン、裏あり
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小麦ちゃんの紹介で
私はある研究施設に案内してもらった
扉をノックすると女の人の声がして
小麦ちゃんがゆっくり扉を開けてくれる
扉の中には白衣を羽織って黒いピンヒールを履いた
黒髪の綺麗な女の人が微笑んでいた
「こんにちは、想さん!」
「いらっしゃい小麦ちゃん…初めてのお客様ね?」
『はじめまして、雄英高校ヒーロー科の聖と言います!』
『聖ちゃんね…私はここの研究員をしている
想って言うの、よろしくね?』
『よ、よろしくお願い致します!』
想さんは私を真っ直ぐ見つめていて
キレイな瞳にドキドキしていたら
「聖ちゃん…Ωね」
『!!』
「すごい聖さん!どうして分かったんですか!?」
「私一応αだから…Ωの匂いとか分かるのよ」
「匂い…?」
「Ωに訪れるヒート…そのフェロモンの匂いよ」
『!!』
思わず俯いてしまうと
想さんは私の頭を優しく撫でてくれた
「大丈夫よ、私はΩの匂いで理性を失ったりしないわ」
「理性…?」
「ええ、ヒート中のフェロモンを受けたらαは特に
孕ませたい欲望にかられてΩに襲いかかるのよ
βにもフェロモンの匂いに当てられて
近づいてくる奴もいるわね
…小麦ちゃんみたいな例外もいるけど」
「確かに私、αのフェロモンにも影響されたことないかも…」
『…お聞きしてもいいですか?』
「ええ」
『運命の番を…無くす方法ってありますか?』
「!…聖ちゃん」
「…………」
両手を強く握りしめて待ってると
想さんの息を吸う音が聞こえた
「…無理ね、運命の番はΩとαの本能で感じるものだから
Ωとαがいる限り、それを無くすことは出来ないわ」
『…っ……そうです…よね』
本当に無理なら
私は爆君と運命の番を交わさないといけないの?
好きな人と…ずっと一緒にいちゃいけないの?
*~**~*
次の日
出久と待ち合わせてる公園に向かっていた
いつもなら嬉しい気持ちも今はそんな気分になれない
『(…なんて話しかけたらいいかな?)』
もうすぐ公園に着きそうになった時
後ろから手を引かれて振り向くと爆君だった
爆豪「…こっち来い」
『待っ!?…っ……出久!!』
緑谷「え?…聖にかっちゃん!?」
私の声に気付いて駆け寄ってくれた出久を
爆君は蹴り飛ばしてしまった
『出久!!…っ……酷い爆君!!
どうしてあんなことするの!?』
爆豪「てめェは俺の番だ、他の野郎に近づかせねぇ」
『そんな待って!?…あっ……出久!!』
緑谷「…聖……痛っ!!」
爆君は無理やり私の手を引っ張ると歩き始めてしまった
足を止めたくて踏ん張っても全然止まらなくて
出久を見ると痛そうにお腹を撫でながら
苦しそうに私を見ているのに胸が締め付けられた
教室の扉を乱暴に開けた爆君
私と爆君が一緒に登校してるのにも驚くけど
手を繋いでるから、皆は何故か興奮した様子で私達を見ていた
峰田・上鳴「「なんじゃあれ~!!」」
切島「どーしたんだよ二人とも!?」
瀬呂「手なんか繋いで恋人かよ?見せつけんな~」
爆豪「…だったら何だ」
「「「「「え…?」」」」」
爆君にいきなり手を強く引っ張られたら
反対の手で肩を掴まれていた
爆豪「いいか…こいつは俺の番だ
手ェ出したヤツは、木っ端微塵にぶっ殺す」
「「「「「えぇー!!!!」」」」」
轟「…………」
『…………』
皆の興奮する声なんか気にならないくらい、頭が真っ白だった
止めて…私の気持ちを無視して皆で盛り上がらないで
ふと、扉をみたら悲しそうに顔を歪める出久と
心配そうに私を見つめる小麦ちゃんを見て
思わず叫んでしまった
『違う!!』
「「「「「!?」」」」」
教室が一瞬で静かになるけど
涙が溢れて止まらないのを無視して叫んでいた
『私は爆君のモノじゃない!!!!』
緑谷「聖!?」
「聖ちゃん!!」
爆豪「…………」
保健室に誰もいないくて思わずベットに潜り込むと
声を殺して泣いた
扉の開く音にドキってして身体を縮ませると
カーテンの開く音に目を強く閉じたら
「…聖ちゃん?」
『!!…小麦ちゃん……っ……』
小麦ちゃんの優しい声に
今まで胸にあったモヤモヤが溢れて、止まらなくなっていた
『ずっと…ずっとずっと、小さい頃から出久だけが好きだった
出久の側にいて、いつか私の想いを受け止めてもらって
結婚して出久の子どもを産んで仲良く暮らすのが…夢だった』
「…うん」
『でも……初めてヒートになったとき
爆君が欲しくなった…触って欲しいって思っちゃったの』
「…うん」
『心は出久を求めてるのに本能が…身体が爆君を求めてる
私って最低だ…っ……最低』
「……聖ちゃん」
小麦ちゃんは、泣き止むまで私を抱きしめてくれた
④へ続く