十傑パロ(連載ヒロイン)
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久しぶりの我が家は居心地がいい
お父様は嬉しそうに私を迎えてくれて
トムラは私に色んな物を与えてくれる
こんな幸せなことはないハズなのに
(「ヒジリーーーー!!!!」)
『…………』
あの勇者…確かイズクっていってたわね
いきなり胸が締め付けられるような気持ち悪い感じに苛立つと
近くにあった花瓶を風圧で粉々にした
『はぁ……はぁ……っ…何なのよ!!!!』
まだ完全に力が戻った訳じゃない
あの子の魂は…まだ生きてる
勇者を殺して、人々が苦しめば
私の魔力はもっともっと強くなる
『あいつを殺すのは…私よ』
死柄木「あいつって誰だよ」
『…トムラ』
振り返ったらトムラがダルそうに壁に寄りかかっていて
私の部屋の扉を閉めてソファーに座るとテーブルに足をのせた
死柄木「何イラついてんだよ?折角の我が家なのに」
『…別に、ただあいつが』
死柄木「あいつ?」
『…っ……何でもない』
死柄木「…………」
勢いよくベットに座ったと思ったら
トムラが私をベットに押し倒すと覆い被さってきた
死柄木「あいつってさ、さっきのそばかす勇者?」
『…………』
死柄木「黙るとか…何だよ、惚れてんの?」
『…違っ』
私の返事を遮るようにトムラにキスされて
キスを止めたトムラの瞳は血のように赤く
何故か背中がゾクっとした
死柄木「お前は俺のだルシファー…身体も心もな」
『…もちろんよ』
私の首にキスをしながら服を脱がしていくトムラに
身を委ねていたとき
またあの勇者が頭の中に出てきて誤魔化すように
目を閉じた時だった
「侵入者発見!!侵入者発見!!」
死柄木「…ふざけるなよ、今からって時に」
『トムラ…楽しみは後でとっておきましょう?』
死柄木「…チッ」
起き上がって服を整えると急いでお父様の所へ向かったら
お父様の水晶に映っていたのは2日前に出会ったあいつら
もちろんその中には…あの勇者がいた
自分が興奮して笑ってるのが分かって両手を握りしめると
お父様とトムラに微笑んだ
『トムラ行きましょう…今度こそあいつを殺すわ』
死柄木「…………」
魔獣と戦ってるあいつの目の前に現れると
案の定、驚いた顔で私を見つめていた
緑谷「ヒジリ!!」
『違う、私は魔王の娘ルシファー…ヒジリは死んだのよ』
緑谷「死んでないよ!名前や見た目が違ったって
ヒジリはヒジリだ!!」
『話しにならない、お前は私が……殺す!!!!』
緑谷「!?」
勇者に向かって剣を振り下ろしたら防がれたけど
勇者の苦しそうな顔に自然と笑顔になる
『あらあら…男のクセに女の私より力がないのかしら?』
緑谷「…っ……く!!」
『ほらほら、どんどんいくわよ!!』
私の攻撃を受け止めるので精一杯な勇者に
容赦なく攻撃を仕掛けていく
勇者がよろけた瞬間、隙を見つけて大きく振りかぶった
『これで終わりよ!!!!』
緑谷「…ヒジリ」
『!?』
後もう少しのところで何故か手が止まって動かなくなる
勇者の瞳から目が逸らせなくて見つめてると
私に優しく笑いかけてきた
緑谷「もう止めようヒジリ…一緒に村に帰ろう」
『お前…何を言って』
緑谷「僕はずっと…ヒジリだけが好きなんだ」
『…………』
なに…この温かい気持ちは
あいつが私を抱きしめる
トムラの時と明らかに違う優しい温もりに
身体の力が抜けていく
緑谷「ヒジリ……」
『…お前は』
死柄木「渡さない!!!!」
緑谷「『!?』」
勢いよく振り返ると、怒りを露にしたトムラが
黒い剣を大きく振り上げていた
死柄木「ルシファーは俺の物だ!!!!」
緑谷「!?」
『______』
トムラの剣が物凄い早さで勇者に向かってくる
この早さは人間じゃ目に追えない
…ダメだ、こいつを傷つけさせない
勇者を庇うように前に立ったら
トムラの剣が私の腹を貫いていた
*~**~*
トムラが振り下ろした剣に反応出来なくて動けずにいたら
ヒジリが僕を庇うように立つと
ヒジリの腹に剣が突き刺さっていた
ヒジリは震えながら剣を抜くと血が床に流れ落ちて
ゆっくりしゃがみ込むヒジリの肩を慌てて支えた
緑谷「ヒジリ!!!!」
『はぁ…っ……はぁ……』
血はどんどん流れていて僕のズボンを汚していく
恐怖に涙が溢れて止まらなくなると
ヒジリが僕の涙を拭っていた
緑谷「ヒジリ…?」
『…泣い…たら……だめです…よ?』
緑谷「!!」
いつもの口調に優しい笑顔…間違いない、ヒジリだ
ヒジリの言葉に涙を我慢しようとしても止まらなくて
唇を噛み締めると、ヒジリは優しく微笑んでいた
唇の端からは血が流れている
『…ごめん…なさい……私が……旅に…いきたいと…わがまま…を
言って…しまったから…こんな…こと、に』
緑谷「そんな事ない!!…僕がもっと君を見て守ってれば」
『いいえ…私は…シスター……なのに…皆の…幸せ、を
願…わなけ、れば…いけない…のに……思って…しまった
イズク…と…幸せに…なりたいと』
緑谷「!?」
『…幻滅…しました?』
緑谷「…っ……するわけないだろ!!」
ヒジリを強く抱きしめる
段々冷たくなっていく身体に恐怖で震えると
ヒジリが僕の手を上から握ってくれた
『勇者イズク……今こそ…魔王…を…倒すのです…そして
皆が…平和になる…世界を』
緑谷「…っつ!!」
『…イズク……あな…たの…こ…が…ずっ…と……………』
緑谷「…ヒジリ?」
瞳を閉じたまま微笑んでいるヒジリに涙がまた溢れる
ヒジリを抱き上げたまま
持っている剣を高く突き上げると強い光を放たれた
死柄木「な、何だこの力!!」
緑谷「オールマイト……僕に力を貸して下さい!!」
死柄木「く、ああああああ!!!!」
強い光がトムラの身体を突き破り魔王の身体を燃やしていく
周り一帯が光で何も見えなくなると
ヒジリと離れて手を伸ばしても届かなかった
緑谷「…ヒジリ」
自然と目を閉じて身体が倒れていく
もうヒジリに会えない…そんな気がした
後編に続く