十傑パロ(連載ヒロイン)
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私には両親がいません
協会の前に捨てられていた赤ん坊の私を
神父様に拾って頂きヒジリと名前を与えられ
シスターとして色々教えて頂きました
そんな神父様もご病気で天国に行かれシスターの仕事をしつつ
人々の幸せを祈り歌を歌っていたときです
彼に…イズクと出会ったのです
イズクは私に希望を与えてくれた人
そんな彼に好意を抱いているなんてあってはなりません
私はシスター…心も身体も神、イエス様のもの
それでも、勇者になりたい彼の手助けがしたくて
少しでも側にいたくて無茶なお願いをしたにも関わらず
優しく微笑んで許してくれたイズク
愛おしい気持ちが日に日に強くなっていくその度に
私は歌を歌います
彼のためだけでなくて…神様のため、人々の平和のために
*~**~*
私は今、イズクと一緒に魔王探しに同行している
お仲間さん達から自己紹介をして頂いている
飯田「俺はテンヤだ!」
麗日「私はオチャコだよ!よろしくね~♪」
轟「…ショート」
切島「俺はエイジロウ、よろしくな!!」
爆豪「…………」
切島「ほら、カツキも自己紹介しろよ!」
爆豪「あ"あ"?何で俺様がこんな女に自己紹介せんくちゃ
いけねーンだよ!」
切島「一緒に旅する仲間だからだろ?」
爆豪「…ハッ!どーみたってお荷物じゃねーか
何の役に立つんだよ、こんなヒョロそうな女」
切島「言い過ぎだって!…悪ぃな?」
『いいえ!ご挨拶遅くなりました、名前はヒジリと申します!
旅に同行させて頂きありがとうございました!
足を引っ張らないように注意していきますので
どうかよろしくお願い致します!』
飯田「こちらこそよろしく頼む!」
麗日「綺麗な子やね~!!ヒジリちゃんって呼んでいい?」
『はい!お好きにお呼び下さいませ!』
何とか皆さんと仲良く…一部睨んでいるお方もいますが
皆さん優しそうな人達で安心すると、イズクに声をかけられた
緑谷「…本当に大丈夫?」
『はい、無理は致しません!』
緑谷「何かあったら、すぐに言ってね?」
『はい、ありがとうございますイズク!』
イズクの笑顔に安心すると私達は森の中を歩きはじめました
*~**~*
夕暮れ時、今日は森の中で野宿をするようです
麗日様の魔法で焚き火が出来上がると
その温かさに自然と微笑んでしまいます
緑谷「本当…オチャコさんの魔法はスゴいね!」
麗日「そ、そ、そんな事あらへんよ!?
デク君こそ、この前なんか敵をバーン!!ってやっつけて
ほんまカッコ良かったよ!さすが勇者って感じだっ♪」
緑谷「…そ、そんな事ないよ!」
『…………』
頬を染めながら微笑み合う二人
私はイズクしか友と呼べる人がいません
でもイズクにはこんなにもたくさんの友がいて
そして…私には分からない会話に胸が締め付けられました
イズクはあんな素敵な笑顔を他の方にも向けていたのを
私は知らなかったのです
どくん
『!?』
いきなり胸が強く圧迫されたような感じに
思わず胸を押さえました
何故か冷や汗が浮かんで目を閉じて神様にお祈りします
するとだんだん気持ちが落ち着いてきて
胸の圧迫感もなくなっていたのです
『(今のは一体……)』
轟「…おい」
『!!』
いきなり声をかけられて驚くと
声のする方に振り返ったらショート様でした
轟「大丈夫か?…顔色が悪いぞ」
『ご、ご心配には及びません!お気遣い感謝致します!』
轟「お前、いつもそんな口調なのか?」
『?』
轟「敬語」
『はい、小さい頃からこのような話し方です!』
轟「…そうか」
『…気になりますか?』
轟「いや、お前が気にならねーなら別にいい」
『…………』
もしかして心配して下さったのかもしれない
そう思うと、嬉しい気持ちをショート様に伝えました
『ありがとうございます、ショート様!』
轟「…別に」
私達の様子をイズクが寂しそうに見つめていた事に
気付きませんでした
*~**~*
食事前と後に神様への感謝を込めて祈りを捧げます
その様子を皆さんは不思議そうに見つめていましたが
イズクも私に合わせてくれたのか祈りを捧げてくれました
そんな優しい彼に心が温かくなります
夕食を食べ終えてお皿を洗うため歩いていると
水の音が聞こえて向かったら大きな湖がありました
月に照らされた湖は幻想的で思わず見とれていると
物音が聞こえて振り向いたらカツキ様がいらっしゃいました
『こんばんは、カツキ様!』
爆豪「…………」
『見てください…お月様が湖を照らしてとても幻想的では
ありませんか?』
爆豪「…………」
カツキ様の無言に少し悲しくなって俯いたときです
爆豪「てめェ…デクが好きなんか」
『…え?』
カツキ様の真っ直ぐな瞳に目が離せませんでした
お皿を強く握るとカツキ様を見つめ返します
『…シスターは神様に約束をします
一つは「清貧の誓願」自分のものを持たず、貧しく
神様だけに頼って生きる約束
二つ目は「貞潔の誓願」神様と人々のために
一生独身で奉仕する約束
三つ目は「従順の誓願」神さまのお望みを知り生きる約束』
爆豪「…………」
『だから私は…イズクと共に生きることは出来ても
恋人として共に生きることは出来ません』
爆豪「…そうかよ」
カツキ様は踵を返すと森の中へ戻っていきました
膝をついて湖でお皿を洗おうとした時です
(「見つけた…」)
『!?』
湖の中から男の人の声が聞こえて思わず
手を引っ込めてしまいました
そして声だけじゃなく、湖に映って見えたのは____
『あの女の人は…誰?』
血のような赤い瞳に黒い長髪の女の人が浮かんで見えて
もう一度、湖の中を覗いても
私の不安そうな顔が映っているだけでした
怖くなって急いで湖から離れると皆様のいる所に走りました
私は気付かなかったのです
彼らが刻一刻と、私に近付いてきていたことに
③へ続く