十傑パロ(連載ヒロイン)
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私は自由だ
何処へでも行けて、自由にパンを作れる
これも全て魔王様のおかげ
私は魔王様のためなら…何だってしてみせる
*~**~*
目の前の男達は私を見て驚いていた
金髪で三白眼の声が大きい男の鋭い視線を無視して
勇者に向かって指を差した
『貴方を殺すね♪』
緑谷「!?」
切島「イズク!!」
爆豪「…っつ!!」
伸びた爪で勇者に切りかかろうとしたら
邪魔をしたのは、私を鋭く睨む男だった
『私の邪魔をしないでくれる?』
爆豪「…っ……目を覚ましやがれ」
『魔王様以外に、命令なんてされたくな~い』
爆豪「!!」
緑谷「カッちゃん!?」
『惜しーい!もう少しでそのうるさい口を切って
話せなくしてやったのに…ざーんねん♪』
爆豪「…………」
『ほらほら、私に集中してたら町の人達が死んじゃうよ?』
魔獣達が人を襲おうとしてるのを楽しく見てたら
赤い髪の男がドラゴンに変身すると魔獣を倒していく
あのドラゴンを見て、どうして懐かしいとか思ったんだろ
『…とにかく』
おばさんを連れて戦ってる勇者に向かうと
また金髪で三白眼の男が私の目の前に立っていた
『もう!さっきから何なのあなた!?
私と勇者の邪魔をしないで?』
爆豪「さっきから勇者勇者って…そんな勇者がいいんか」
『当たり前でしょ?私は貴方じゃなくて勇者に興味があるの!
勇者を倒して魔王様に喜んで』
爆豪「…ざけんな」
『え?』
爆豪「てめェは…俺だけみてろや!!!!」
『あ______』
頭の中で流れてきた映像
牢屋での生活
私の右手に奴隷のマークをつけて笑ってた
目の前の男の顔
『…カツキ…様』
爆豪「!!」
「(ソノオトコニツイテイッタラキミハズットヒトリダ)」
もう嫌なの…あんなツラい思いをするのは
『私は…貴方のモノなんかじゃない』
爆豪「…ンだと」
『魔王様に奴隷マークを解放してもらえて自由をもらった
またあんな生活を送るくらいなら…私は悪になる』
爆豪「!!」
『…さようなら、カツキ様』
爆豪「!?……っ、コムギ!!!!」
今まで私の名前なんて呼んだことなかったのに
どうして今になって…そんな切なそうに呼ぶのかな
魔獣に乗って空を飛んでいくと
あの人の私を呼ぶ声が木霊していた
*~**~*
魔王様のお城に着いたら自分の部屋に駆け込んだ
フカフカの温かいベットがいつもなら気持ちいいと思うのに
あの人を思い出して胸が締め付けられて悲しい気持ちになる
『…っ……どうして今更………!?』
目の前に黒い靄が現れると魔王様で
魔王様に抱きついたら優しく抱き締め返してくれた
「…さっき戦ってた奴らが、この城に向かっている」
『!!』
「…君は逃げなさい」
『い、いやです!!魔王様のために私も闘います!!』
「私が殺されてしまったら、私のかけた呪いが解けて
君に与えた魔力も消えてしまう…君はまた声を失い
右手にあった奴隷マークも現れてしまうだろう」
『…っ………』
「遠くに逃げなさい…手を隠して
そこにある筆記用具とノートを忘れずに持っていくんだよ?」
『……魔王…さ、ま……』
「ありがとうコムギ…少しの時間だったが、楽しかった」
『私は______』
「「侵入者発見!!侵入者発見!!」」
『!?』
魔王様は韻を結ぶと私の周りが光はじめて
足先から消えて行くのが分かった
「コムギ…これからも美味しいパンを作りつづけてくれ」
『い、いや!?魔王さまぁぁーーーー!!!!』
目が覚めたらお城の外の森で、目の前に落ちてる鞄の中には
筆記用具とスケッチブック、そして指先が出せる
茶色い手袋が入ってた
お城からは煙が出ていて、その光景に涙が止まらない
右手に手袋を装着して胸に抱き寄せる
(「コムギ…これからも美味しいパンを作りつづけてくれ」)
『魔王…さま………っつ!!』
魔王様との思い出が頭を駆け巡って涙が止まらないまま
お城に背中を向けて全速力で森の中を走った
大きな爆発音を聞きながら
肩にかかっている鞄の紐を強く強く握りしめた
後編へ続く