十傑パロ(連載ヒロイン)
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私は何もしていない
お父さんが欲しがっていたライ麦を探しに森に入ったら
道に迷ってしまって
そしたらいきなり「侵入者」だって拘束された
連れてこられた岩が立ち並ぶ大きな村
その中でも一際大きな家に連れていかれたら
目の前には、薄い金髪に赤い瞳の三白眼の男の人が
毛皮のマントを纏って私を上から睨み付けていた
多分、ここの主だ
『わ、私道に迷ってしまって…気付いたら知らない場所に
…か、勝手に貴方の村に入ってしまってごめんなさい!!
お願いです…家に帰して下さい!!』
爆豪「…………」
男の人がいきなり私の目の前まで飛んでくると
私の顎を掴んだら、無理矢理上に向かされた
爆豪「…変わった色の目ェしてやがんな」
『あ、あの……』
爆豪「決めた…てめェは俺の奴隷だ」
『……え?』
「奴隷」
その言葉に脱力すると、無理矢理立たされて
地下の牢屋に監禁された
日中は村の人達に言われて
草むしりや田植えなど色々なことをやらされた
でも昔からやってきた事だったし体力には自信があったから
黙々と仕事をこなしていったら
だんだん村の人達から声をかけてもらえるようになった
村の人達は優しかった…のはほんの一部で
若い女の人達は陰で私を罵っていた
理由は…奴隷の分際でカツキ様に抱かれていたから
抱かれたくて抱かれてる訳じゃなかった
乱暴に私を抱いたらそのまま放置するし
酷い日は…若い女の人達との行為を目の前で見せられた
恥ずかしくて何故か悲しくて
…そう、その時に自分の気持ちに気付いたの
私はカツキ様が好きなんだって
強さを求める熱い心に憧れて
前を見据える真っ直ぐな瞳に恋い焦がれた
でも私は奴隷…特別になんてなれない
*~**~*
『きゃ!!』
「…これ以上、カツキ様に近付いたら許さないから」
「さっさと牢屋に帰りなさいよ」
『…っ……ご、ごめんなさい』
若い女の人達に突き飛ばされて
擦りむいた痛い手を誤魔化してゆっくり立ち上がると
頭を下げて自分の牢屋に戻った
牢屋の近くの井戸で擦りむいた手を洗っていたとき
後ろから名前を呼ばれて振り返ると安心して脱力していた
切島「よっ、今日もお疲れ!」
『エイジロウ君も、お疲れ様♪』
ドラゴンと人間のハーフのエイジロウ君
カツキ様に戦いを挑んで負けてから
エイジロウ君も奴隷になったはずなんだけど
彼の明るくて気さくな人柄と
巨大な赤いドラゴンに変身出来る強い力のおかげで
彼に文句を言う人はいないし村の人達とも仲良しだ
『明後日にはまた旅にでるんだよね?』
切島「まぁな!」
『エイジロウ君には色々お世話になってるから
…いないと寂しいな、エヘヘ♪』
切島「コムギ…」
『あと…家族の様子も見に行ってくれてありがとう
こんなことエイジロウ君にしか頼めないから助かるよ!』
切島「…っ………」
『…エイジロウ君?』
切島「…悪ぃ、何でもねーよ!」
エイジロウ君に頭を撫でらるけど
どこか辛そうなエイジロウ君の表情が気になった
そんな私達の様子をカツキ様が睨み付けていたなんて
気付きもしなかった
*~**~*
ベットで寝ていたら、いきなり誰かに両手を拘束されて
無理矢理歩かされると
そのままカツキ様の部屋に連れてかれた
部屋にはベットの上で上半身裸のカツキ様と
若い綺麗な女の人達がカツキ様の身体に絡みついていて
その様子に胸がぎゅって苦しくなる
カツキ様は近くの召使いの人に声をかけたら
その人が私の右手を掴むと勢いよく床に押さえつけた
床には何かの模様が描かれていてまるで儀式のように見える
爆豪「…今からてめェにもう一度知らしめてやンよ
"てめェは正真正銘の奴隷"だってなァ?」
『え?』
爆豪「てめェの右手にこいつらが魔術をかける
てめェがこの村から逃げだそうとした瞬間
…大事なてめェの右手は木っ端微塵だァ!!」
じゃあ私はもうここでしかパンを作れないの?
お父さんやお母さんに、もう会えないの?
『や、止めて下さ』
切島「コムギ!?」
『エイジロウ君!!』
エイジロウ君の姿に安心した時
私の所に駆け寄ろうとしたエイジロウ君を
カツキ様が静かに止めていた
切島「どうしちまったンだよカツキ!!
ここまでする必要なんかねーだろ!?」
爆豪「…うるせぇ、てめェは黙ってろ」
切島「!?」
『エイジロウ君!!』
いきなり床に押さえつけられたように倒れたエイジロウ君
起き上がろうとしても全然立ち上がれなくて
苦しそうにしていた
その様子を無表情で見ていたカツキ様にお願いした
『カツキ様止めて!!エイジロウ君、苦しそうでっ』
爆豪「…てめェ、誰に命令してやがる」
『!?』
カツキ様の鋭い眼光に恐怖で身体が震えると
カツキ様が指で指示を出したら
また右手を強く床に押さえつけられた
『い、嫌で…す……カツ…キ……様…』
爆豪「…やれ」
『!?きゃぁぁああああ!!!!』
切島「…っ……コムギ……!!」
右手が燃えて熱くなると私の叫び声が部屋に響き渡る
炎が消えると私の手には✕印が刻まれていた
その印を見て、女の人達はクスクスと笑っていた
「あれって"奴隷マーク"よ!
もう村の外には出れないんじゃないかしら?」
「可哀想~♪」
爆豪「…ちなみに言っとくがてめェの両親は
おめーの事なンざ、とっくに忘れてんだよ」
『え』
切島「やめ…っろ!!」
カツキ様の言葉に訳がわからなくなると
楽しそうに私を見て話し出した
爆豪「てめェの両親の記憶から
てめェの記憶を消した…分かるか?
エイジロウはお前に猿芝居してたって訳だ」
『…………』
エイジロウ君を見ると苦しそうに顔を歪めていた
私と目が合った瞬間、目を閉じて俯いてしまった
切島「すまねぇコムギ……」
『_____』
私の何かが、音を立てて切れたような気がした
『うわぁぁぁぁぁああああ!!!!』
爆豪・切島「「!?」」
悲しい、ツラい、苦しい
泣き叫ぶ私を召使いの人が両脇を抱えて立たせると
地下まで連れていかれた
いつもの牢屋に戻っても涙が止まらなくて泣き続けた
泣いて、泣いて、泣いて
そんなの事が明け方まで続いた時には
私の心は深く暗いところまで沈んでいて
瞳は何も映していないような気分だった
誰かが私の心に近付いてくる
そんな音が聞こえた
③へ続く