運命のオメガバース(完結) 連載ヒロイン、裏あり
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大好きな幼馴染みにプロポーズされてから半年後
私は、出久と結婚した
*~**~*
挙式が終わって、今はビアガーデンでのパーティー
式場の階段から現れた私と出久を囲むように
A組の皆が声をかけてくれた
麗日「おめでとう聖ちゃん!」
蛙吹「とっても素敵だったわ♪」
峰田「緑谷!!俺達のマドンナを嫁にしやがって~!!」
上鳴「幸せにしなかったら許さねーかんな!!」
緑谷「わ、分かった…絶対幸せにするよ!」
峰田・上鳴「「惚気てんじゃねーーーー!!!!」」
緑谷「うわぁ!?な、何で~!!」
いつもと変わらない皆に笑ってたら
瀬呂君と切島君が後ろを見て何か話していた
瀬呂「あの二人さ…どっかで見たことあんだよな~?」
切島「あ、俺も思ってた!」
八百万「ご存知ありませんの?
あの黒髪の方はオメガバースの研究論文で
ノーベル化学賞を受賞された方ですわ」
耳郎「あ~うちもニュースで見たよ!
髪形違ってたから全然気付かなかった」
切島「まじでキレイな人だな!!」
峰田「背中がエロくていい」
轟「…………」
峰田「!?」
峰田君を鋭く睨む轟君に苦笑いすると
今度は女子の皆が楽しそうに話していた
葉隠「隣のコックさんは新しく出来たパン屋さんの
店長さんだよね?」
芦戸「知ってる!「ブルーローズ」ってお店でしょ!?
あそこのパン屋、美味しくていつも行列出来てるんだよね~」
蛙吹「どのパンも安くて出来立てでとても美味しいから
弟達によくお土産で買っていくの、ケロケロ♪」
上鳴「…峰田、あの店長さ~服で誤魔化してっけど」
峰田「Fカップはあると見た」
上鳴「だよな!!何か逆にエロくていい…っ痛ェェ!!
何すんだよ爆豪!?」
爆豪「うっせーンだよアホ面ァァ!!」
『(爆君…?)』
小麦ちゃんを睨んでる爆君が気になったけど
出久に声をかけて二人の所に駆け寄って呼び掛けたら
小麦ちゃんは瞳を輝かせていて
想さんは優しく微笑んでくれていた
「結婚おめでとう聖ちゃん…本当に綺麗よ」
『あ、ありがとうございます!』
「お姫様みたいでドキドキしちゃった!!」
『そ、そうかな?…ちょっと恥ずかしいね!』
小麦ちゃんの言葉に恥ずかしくなると
前の方が騒がしくなって見たら
爆君に轟君、そして出久が女の子達に囲まれていた
『す、すごい囲まれちゃったね……』
「新人ヒーローの中でも人気の三人が揃ってれば
誰だって近寄りたくはなるわよ」
「ふ、二人ともいいの?女の子にモテモテだけど…」
『出久がヒーローとして頑張ってきた証だから
素直に嬉しいよ!』
「モテる顔に生まれてきた定めね」
「二人とも大人だな……」
ふと、想さんに相談されてた事を思い出して聞いてみた
『所で想さん!轟君とは番になれたんですか?』
「…させてくれないのよ」
「え!?」
「…私に子供を産んで欲しいから番にはならないんですって」
「…………」
『それは大変ですね?でも…轟君に産んで頂いた方が
確実だと思いますけど』
「そうなのよ…なのにあの頑固坊やは」
『轟君はオーラがありますからね…番になったとしても
人気者であり続けると思います!』
「…確かにそうかも」
想さんと微笑んでたら
小麦ちゃんが楽しそうに話してたのは男のスタッフさん
優しい雰囲気で少しソワソワしてるけど
小麦ちゃんを見つめる瞳は恋をしている目だった
「あの男の子、小麦ちゃんのお店が開店したときから
働いてるスタッフの子らしいわよ?」
『…小麦ちゃん、全然気付いてなさそうですね』
「あの子、他人の気持ちには敏感のくせに
自分に向けられる気持ちにはとことん鈍感だから」
『確かに!』
「聖ちゃんは両方に関して鈍感だけどね?」
『…何も言えません』
申し訳なくて俯いたとき
肩に優しく手を置かれて振り向いたら出久だった
緑谷「聖…そろそろ時間だよ?」
『あ、そうだね!それじゃあ二人ともまた後で!』
「ええ」
「またね聖ちゃん!」
二人に軽く頭を下げてくれた出久に微笑んだら
手を差しだしてくれた
緑谷「いきますよ、お姫様?」
『ふふふ…はい♪』
昔と変わらず優しく手を差しのべてくれる出久の手を
離さないように強く握りしめた
*~**~*
式場の階段を登った私と緑谷君の手には
綺麗なブーケが握られていた
緑谷「最初は僕でいいんだよね?」
『うん、お願い!』
緑谷「…な、何か皆の目が怖いな」
『え?』
確かに女子の皆の目が怖くてビクッて震えたけど
出久に声をかけた
『だ、大丈夫だよ?思いっきりやって!!』
緑谷「じ、じゃあ……いくよ~」
出久が後ろ向きで勢いよくブーケを投げた瞬間
皆の瞬発力が凄すぎて何も見えなかったけど
ブーケが何故か高く跳ねて飛ぶと
轟君の手の中に落ちてしまった
「「「「「「あ……」」」」」」
轟「…………」
緑谷「…意外な人に当たっちゃった」
『そ、そうだね……』
轟君が二人の方に向かって歩いていくと
想さんの前で足を止めたらブーケを渡していた
「え?」
轟「…あんたは俺が幸せにするから、もう少し待っててくれ」
『…わぁ♪』
一瞬で会場から歓声があがって
中には顔を赤くして泣きながら座り込む女の子達もいたけど
嬉しくなって思わず出久に声をかけていた
『すごいね轟君!男らしくて素敵だったと思わない?』
緑谷「さすが焦凍君だなー……」
スタッフの人に声をかけられて
今度は私の番だと気合いをいれたとき
さっきよりも女の子達の視線を感じて怖くなったし
申し訳ない気持ちが押し寄せる
このブーケトスをやると決めた時から
誰にあげたいかもう決めていたから
腰を支えてくれる出久に微笑んで勢いよくブーケを投げた
皆がブーケに釘付けになってる隙に
背中に生えた羽を小さく広げて風を起こしたら
いきなり左に急カーブしたブーケに皆驚いたけど
その先にいた人物に向かって思いっきり叫んだ
『小麦ちゃん!!』
「え____!?」
顔面にヒットしてしまったブーケを
ちゃんと受け止めてくれた小麦ちゃんは呆然としていた
小麦ちゃんに感謝を込めて手を振ったら
嬉しそうに笑顔で手を振り返してくれた
帽子が取れた小麦ちゃんの髪は前よりだいぶ伸びて
今は肩につくぐらいまで伸びたサラサラの髪が風に揺れて
綺麗だなって見つめてたら出久に声をかけられた
緑谷「聖…最初っから彼女に渡すつもりだった?」
『小麦ちゃんにはいつも励ましてもらったから
誰よりも幸せになってもらいたいなって思ったんだ!』
緑谷「…そうだね」
米澤「小麦さん…っ………好きです!!!!」
『え…?』
はっきり聞こえた告白に
会場全体が一気に静かになって、皆が小麦ちゃんと
告白したスタッフの男性を見つめていた
米澤「お店を開く前からあなたの事を知っていました!
バイトで笑顔でパンを配るあなたに惹かれたのが最初です!
…異性と喋るのは苦手だったけど…あなたの側にいたくて
あなたのお店で働きたいと志願しました!
スタッフ一人一人に優しいあなたが好きです!
仕事に妥協しないで紳士に向き合ってる姿が好きです!
時々変なミスするけど、そんな所も可愛くて好きです!」
「…あ…………」
米澤「これからもあなたの隣にいたいです!
スタッフとしてだけじゃなくて…っ……彼氏として!!」
「…っ…………」
彼がどんなに小麦ちゃんを思ってきたのかが伝わって
私でも胸がときめいたんだから
小麦ちゃんはもっと嬉しかったに違いないと思った
「…ありがとう」
米澤「え?」
「そんなに私の事思ってくれて…その……正直
スゴく…嬉しかったです」
米澤「!」
「「「「「おぉ~~!!」」」」」
『(…小麦ちゃん………!爆君………)』
爆君を見たら、眉間にシワを寄せて
両手を力強く握りしめていた
もしかして爆君、小麦ちゃんの事______
「…ふ、ふぁ~~~~」
米澤「小麦さん!?」
「「「「「えぇーー!?」」」」」
「小麦ちゃん!!」
轟「小麦!!」
爆豪「_____!!」
『え!?』
いきなり爆君が走り出したから驚くと
告白した彼に抱えながら気絶している小麦ちゃんに
急いで羽を広げたら小麦ちゃんの所へ向かった
『小麦ちゃん!?』
米澤「い、いきなり倒れてしまって……」
『ちょっとごめんなさい!』
小麦ちゃんを調べたら
身体中にアルコールが巡っていた
『急性のアルコール中毒…』
米澤「え?」
轟「もしかして…さっき飲んだのがそうなのか?」
「…これ、カシスオレンジね」
肝臓の機能を高めてアルコールを分解させたけど
とにかく部屋に休ませなくちゃ
『…先ずお部屋で休ませてあげてください』
米澤「な、なら…スタッフ専用の宿泊部屋があるので
そちらで休んで下さい!」
「そうね…焦凍君、小麦ちゃん運んでくれる?」
轟「分かった」
小麦ちゃんに触ろうとした轟君の腕を掴んだのは
爆君だった
爆豪「俺が運ぶ、こいつに触んな」
轟「爆豪…」
小麦ちゃんを軽々と持ち上げた爆君が
ホテルの中へ入っていくのを急いで追いかけた
*~**~*
ベットに寝かせた小麦ちゃんを見つめる爆君を見て
皆に声をかけた
『あの…私と爆君の二人だけにしてもらえませんか?』
緑谷「聖…?」
『…お願い』
緑谷「…分かった!」
「…何かあったら連絡して?」
『ありがとうございます想さん』
米澤「あの…小麦さんを…よろしくお、お願いします!」
『はい、お任せ下さい♪』
皆が出てくと一気に静かになった部屋
爆君はポケットに手を入れたまま窓から外を見つめていたけど
気にせず小麦ちゃんを治療しながらそのまま声をかけた
『…爆君は、小麦ちゃんが好き?』
爆豪「ンな下らねー質問してくんな、うぜー」
『…そっか』
だんだん赤みが引けてきた小麦ちゃんに安心したとき
爆君のため息が聞こえた
爆豪「…今更だろーが」
『え?』
爆豪「さんざんこいつの気持ち無視して傷付けてきたんだ
やっと俺を忘れて前に進んだ奴に今更言える事なンざねーよ」
『爆君……』
爆君の気持ちは痛いほど分かるよ、けど
『…本当に前に進んでるのかな?』
爆豪「ああ?」
『確かにお仕事も凄い頑張ってて前向きに見えるけど
時々、無理してるように見えるし
さっき告白された時も…少し怖がってるように見えた』
爆豪「…………」
『恋に臆病になっちゃったんだね…原因は私達だから
なんとも言えないけど』
小麦ちゃんの頭を撫でたら泣いてる私を慰めてくれた
小麦ちゃんの温かさを思い出していた
『あの告白してくれたスタッフさんなら
誰よりも小麦ちゃんを一番に守ってくれるよね?』
爆豪「…………」
『小麦ちゃんが誰に一番守ってほしいかは別だけど!』
爆豪「……チッ」
『少し氷もらってくるね!もし小麦ちゃんが起きたら
そこのペットボトルと頭痛いだろうから痛み止め飲ませてね?
吐き気止めも一応置いとくから』
扉に向かって歩いてると爆君に呼び止められて振り向いたら
変わらず窓の外を見つめていた
爆豪「…あんがとよ」
『…ううん♪』
爆君がどんな表情をしてたかは分からないけど
いつも出久と憧れて見てきた強くて頼れる背中に微笑んだら
静かに扉を閉めた
*~**~*
調理室から氷をもらって持っていく途中で
出久と会えて駆け寄った
『出久!パーティー大丈夫だった?』
緑谷「うん、みんな二次会の会場に行ったよ!」
『よかった……』
緑谷「それより…かっちゃんと二人っきりで大丈夫だった?」
『うん!さっきはありがとね?皆がいたら爆君
素直に話せないと思って…特に出久の前だと!』
緑谷「…確かに」
『ちゃんと伝えられるといいな…』
緑谷「伝えられるよ、かっちゃんはやる時はやる男だから!」
『!…ふふふ、そうだね♪』
その時、目の前に想さんと轟君がいて声をかけたら
小麦ちゃんの私物を持ってきてくれていて
一緒に部屋に向かっていたとき
「いやーー!!爆豪君のエッチーーーー!!」
爆豪「ってめェ!!まだ犯してねーだろがァ!!」
緑谷『「え……」』
轟「…おい」
「まさかあの男……」
急いで部屋に向かって走ったら扉を開けて部屋に入ると
爆豪君が小麦ちゃんに馬乗りになっていて
起き上がろうとする小麦ちゃんをベットに押し倒していた
「こんな場所で初めてのエッチが終わるなんて嫌ー!!」
爆豪「はぁ!?」
緑谷「かっちゃん最低ー」
爆豪「!?」
轟「そういう強引なところがあいつを傷付けるって
いい加減気付けよな」
爆豪「ンだと!!」
『小麦ちゃん怖かったね?身体は平気?』
「聖ちゃん……」
「本当…やっぱりこいつ嫌いだわ」
爆豪「ああ!?」
これからの事が容易に想像できてしまって
小麦ちゃんのために私が出来ることしようと思って
はっきり伝えた
『小麦ちゃん…まずはセックスについて
しっかり知識をつけとく必要があると思うの!』
「…え?」
「…そうね、何にも知らないよりはいいかも
性教育について、聖ちゃんから
しっかり教えてもらいなさい」
「えぇ!?」
爆豪「余計なことすんな聖!!
こいつにそー言うこと教えンのは俺だけの特権だ!!」
「きゃあ!?」
『あ、爆君!!避妊はちゃんとするんだよー!!』
緑谷「聖!?こ、声が大きい!!」
小麦ちゃんをいきなりお姫様抱っこして
部屋から走り去っていく爆君を見送った瞬間
我慢していた涙が溢れると出久が抱きしめてくれた
二人がやっと幸せになってくれて嬉しい
そう思えば思うほど出久の腕が優しく感じて
涙が止まらなくなった
*~**~*
二次会も終わって出久と新居に着いたら
二人一緒に勢いよくベットに倒れた
緑谷「つ、疲れたね…」
『でも…忘れられない一日だった』
緑谷「…ねぇ聖」
『うん?』
緑谷「…僕と結婚してくれてありがとう」
『出久………』
向かい合わせになってる状態で出久が手を繋いでくれた瞬間
吸い寄せられるようにキスをしたら
目が合った瞬間、微笑みあった
繁殖にしか特化していないΩの私は
最高のヒーローのβと彼と
これからの人生を一緒に歩んでいく
運命のオメガバース(緑谷ヒロイン) End