運命のオメガバース(完結) 連載ヒロイン、裏あり
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彼に私の気持ちを伝えようと思って
エンデヴァー事務所を探しても彼には会えなくて
勤務を確認したら急遽有休を取っていて
何でか分からないけど胸騒ぎがした
研究室に向かう前にエンデヴァーさんに書類を渡そうとして
扉をノックしようとしたら
大きな怒鳴り声に体が思わず震えてしまった
エンデヴァー「焦凍が見合いするなど誰が決めた!!」
『え______』
何でも焦凍君の母親とそのお見合い相手の母親が
二人に内緒で勝手に決めてしまったらしい
この胸の痛みは何…?
αとして運命の相手を取られたくない怒り?
運命の番を失くした喪失感?
違う…この胸の痛みは_____
『失礼します、エンデヴァーさん』
エンデヴァー「!…どうした、そんな」
『そのお見合いぶち壊して来ます』
エンデヴァー「…何だと?」
『焦凍君は……誰にも渡しません』
エンデヴァー「お、おい!?待つんだ想!!」
エンデヴァーさんの声を無視して書類を置いたら
勢いよく部屋から出ると夢中で廊下を走った
車に乗ってナビでホテルの場所を登録したら
急いで彼の元へ向かった
*~**~*
車を置いて彼を探していたら
見覚えのある綺麗な赤と白の髪を見て思わず叫んでいた
『焦凍君!!』
轟「…想さん」
まさかのお見合い相手が
小麦ちゃんだったのに凄く驚いたけど
それ以上に私を見つめる焦凍君の切ない表情に
胸が苦しくなってたら
小麦ちゃんが私の所に行くように
焦凍君の背中を勢いよく押したのに驚いてると
手を振りながら笑顔で叫んでいた
「二人とも幸せにねー!!」
『…っ……小麦ちゃん 』
轟「小麦……!?」
焦凍君の手を引っ張っるとその場から駆け出した
彼の左手が熱く感じたけどそんなの気にならないくらい
彼の手を離さないように握りしめた
*~**~*
車に無理やり焦凍君を乗せたら、私も運転席に乗り込んだ
息が切れて苦しい私を他所に
焦凍君は真っ直ぐ私を見つめていた
轟「…どういうつもりだ」
『…………』
轟「俺のこと突き放しといて…何で今さらこんな事すんだよ」
『…っ………』
この気持ちはαとか運命とか関係ない
関係ないの______
『焦凍君が好き…』
轟「…は?」
目を見開いて固まる彼を無視して、私の気持ちを伝えた
『ずっと…運命の番が憎かった
私からお父さんを奪ったΩの女も…そのせいで苦しんで
結局自殺したお母さんを思ったら
運命なんて認められなかった…認めたくなんかなかったのに
焦凍君に出会ってどんどん惹かれていって
一緒にいると安心して幸せな気持ちになるの』
轟「…………」
『…でも焦凍君と運命の番になったら
今までの私がしてきたことが全部無駄になりそうで怖かった
お父さんを許してお母さんの死を受け入れたみたいで
そんな事…許せるはずないのに
でも焦凍君が誰かに取られるって思ったらそんな事
どうでもいいくらい嫌だったの…っ……だから、私』
轟「…想さん」
『!?』
焦凍君に抱きしめられて
温かい腕に涙が溢れて止まらなくなると
無意識に彼の背中に腕を回して強く握り締めた
轟「想さんが自分の話をしてくれたの…初めてだな」
『…ご、ごめんなさい……こんな暗い話して』
轟「嬉しかった」
『え?』
轟「想さんの苦しみを
全部受け止められるかは分かんねーけど、俺は受け止めたい
想さんが俺のツラい過去を聞いてくれて
側にいてくれたみたいに
…ずっと側にいて支えていきてェから」
『…っ……焦…凍…くん!!』
彼の優しさに胸が苦しくなると
私の頬に触れてくれた手を上から重ねたら
綺麗なオッドアイの瞳と目が合った瞬間
吸い寄せられるかのように、彼とキスをしていた
ゆっくり唇を離したら嬉しそうに微笑んだ彼に
恥ずかしくて俯くと名前を呼ばれて顔をあげたら
いつもの無表情の彼が私を見つめていた
轟「…運命の番にならない、いい方法がある」
『?…それって』
轟「あんたが俺の子を産めばいい」
『……は?』
真剣な瞳でいい放った焦凍君に目が離せない
轟「別にΩが絶対産まなきゃいけねー訳じゃねーだろ?」
『…いや、そこは産みましょう焦凍君』
轟「それに俺は想さんに俺の子を産んで欲しい」
『私は焦凍君に私の子を産んで欲しい』
轟「…………」
『…………』
轟「…俺は折れねーぞ」
『…私だって』
会話が止まって静かになった瞬間
お互い声を出して笑いあうと車を発進させた
これはゆっくり話し合わないといけないと思って
向かった先は、もちろん研究所
αとかΩだからなんて関係ない
私は彼が…焦凍君だから側にいるって決めたから
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