運命のオメガバース(完結) 連載ヒロイン、裏あり
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次の日
左頬を見たら傷はなくなってたけど腫れは引いてなくて
マスクで誤魔化して職場に行ったのに直ぐにバレて
そんな顔で働かせられないって怒られると
有休もいっぱい残ってたからしばらくお休みになってしまった
家に帰ってる途中で、ふと目にした美容室
胸まで隠れる髪を見つめて顔をあげたら
勇気を出して美容室の扉を開けた
*~**~*
家について荷物を置いて鏡を見たとき
襟足までばっさり切った髪を見て微笑んだ
『…意外に短い髪も似合ってる!』
でもそれ以上に左頬の湿布が気になって触ったら
爆豪君を思い出して静かに瞳を閉じた瞬間
ピンポーン
インターホンを覗いたら、聖ちゃんだった
昨日の夜にしょーちゃんから電話があって
私が爆豪君を好きだった事を
聖ちゃんに話してしまったらしく
もしかしたら、会いに行くと思うって連絡があった
インターホン越しからでも落ち込んでるのが分かって
心配させちゃったかなって心苦しくなりながら
聖ちゃんを家に招き入れた
温かい紅茶に出来立てのプチクロワッサンを持ってくと
聖ちゃんに声をかけた
『聖ちゃんお腹すいてる?私、ちょうどお腹空いてて』
「…小麦ちゃん、傷痛くない?」
『全然!これ大袈裟なんだよね~まだ腫れがひかなくて
さっきも湿布貼って仕事しようとしたら
店長に「帰れ!」って怒られちゃったんだー!』
「…ごめんね」
『聖ちゃんが謝ることじゃないよ?
自分が勝手にしたことだから、自業自得』
「違う!!」
『…聖ちゃん?』
両手を強く握りしめてる聖ちゃんを心配してたら
真っ直ぐ私を見つめる綺麗な青い瞳から目が離せなかった
「いつから…爆君の事が好きだったの?」
『…………』
誤魔化すなんて出来ないと思って
聖ちゃんの隣に勢いよく座って
後ろの背もたれに体を預けるとため息をついた
『…一目惚れだった、小学校5年生の時に
両親と一緒に爆豪君のお家にお邪魔した時から』
「______」
聖ちゃんは泣きながら両手で顔を覆って俯いてしまった
嗚咽が部屋に響いて切なくなると
聖ちゃんの背中を撫でながら
泣き止んでくれるのを願った
「…っ……ご、ごめん、なさい!!私が全部悪い!!
私が…弱くて……出久を、忘れたくて…っ………運命とか言って
本当は……っ……爆君、を……利用した!!」
『…聖ちゃん』
「…私のせいなの!!……私が……私が!!」
『聖ちゃん!!』
「!?」
ゆっくり身体を起こして私を見てくれた聖ちゃんに
優しく微笑んだ
『聖ちゃんの側にいるって選んだのは爆豪君だよ?
聖ちゃんが謝ることじゃない…それに
爆豪君はちゃんと聖ちゃんの気持ちに
気付いてたと思うんだ』
「え…?」
『聖ちゃんが誰を一番好きで
本当は誰と「運命の番」になりたかったのかって
だから爆豪君は今まで聖ちゃんがヒートになっても
求めたり項を噛んだりしてこなかったんじゃない?』
「_____」
聖ちゃんが泣きながら誰を思ってるかなんて一目瞭然で
ゆっくり顔をあげると私にはっきり答えてくれた
「…っ……私、ちゃんと…爆君に……伝えてくる」
『うん!…頑張れ聖ちゃん♪』
「…っつ!!」
聖ちゃんに勢いよく抱きつかれて私も抱き締め返した
爆豪君を思うと胸が締め付けられるけど
彼を後押しするのは…もう、私の役目じゃない
⑤へ続く