連載ヒロインのホワイトデー
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『この前はありがとう…少ないけど良かったら食べて?』
「せ、先輩からお返しがもらえるなんて~!!
ありがとうございます!!家宝にします!!」
『いや、湿気ると美味しくないから早めに食べてあげて』
嬉しそうに帰ってく後輩に苦笑いすると
残りのお返し用のプレゼントを見て小さくため息をついた
今日はホワイトデー
日本でバレンタインデーが定着するに従って、菓子業界で
それにお返しをする日を作ってはどうかという案が出され
これを受けた菓子業界は、昭和40年代に入って以降
個々に独自の日を定めて
ビスケットやマシュマロ、キャンディ等を
「お返しの贈り物」として宣伝販売するようになったらしい
本当…経済ってすごいと改めて感じると
残りのお菓子を配りに向かった
*~**~*
仕事を終えて家に着くと
目の前のシルエットに思わず足を止めてしまった
『焦凍君…』
轟「こんばんは想さん…これ」
焦凍君の渡した袋の中には
瓶に入った色とりどりのキャンディが入っていて
目を奪われていた
轟「バレンタインのお礼…なぁ想さん
ホワイトデーのお返しに意味があったって知ってたか?」
『え…そうなの?』
轟「俺も姉さんから聞くまで知らなかった
マシュマロは嫌いで、クッキーは友達
チョコは特に意味がねぇらしい」
『(良かった、職場の人達に配ったのクッキーで)
じゃあ、キャンディは何なの?』
轟「…あんたが好き」
『…………』
焦凍君の真っ直ぐな視線に顔が段々赤くなると
少し笑った焦凍君がキャンディの蓋を開けて私に渡してきた
轟「俺を思って一個選んでくれ」
『…そうね』
吸い寄せられるように赤いキャンディを持つと焦凍君に渡した
『やっぱり焦凍君は赤かしら?』
轟「…………」
『…焦凍君……?』
轟「……俺の気持ち、忘れないでくれ」
『あ……』
何故か顔を赤くして帰った焦凍君に疑問を持ちながら
彼の告白を思い出して胸が締め付けられるのに
何故か温かい気持ちが私を包んでいた
End
焦凍君からもらったキャンディを見てて
赤いキャンディを口に入れたらリンゴの味が口に広がる
『…味にも何か意味があるのかしら?』
スマホで調べて意味が分かった瞬間
何故彼が嬉しそうにしてたのか分かって
恥ずかしくて堪らなくなった