運命のオメガバース(完結) 連載ヒロイン、裏あり
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大きな揺れがおさまってしばらくしたら
焦凍君が氷で私達を包むように守ってくれて
炎で氷を溶かしてくれている
ゆっくり立ち上がると本棚や掛け軸など
色んな物が倒れてしまっていて部屋も暗くなっていた
轟「…ひでェな」
『スマホも電波が通じなくて無理ね……扉も開かない』
轟「!」
『建物が歪んだせいで開かなくなったのか
何かが塞いでしまって開かないのか…どっちにしても地震なら
また余震があるかもしれないからしばらく様子をみましょう』
轟「…そうだな」
『…………』
轟「…………」
『…………』
何とも言えない空気に少し気まずいけど
先ずはこの現状をどう打破すればいいか考えてたら
いきなり肩に何かがかけられると焦凍君のスーツの上着で
振り返って見上げたら無表情の彼が私を見つめていた
轟「寒いだろ?」
『…ありがとう』
焦凍君に背中を向けたら
彼の匂いがする上着に興奮してしまって
思わず口元まで持っていく
ああ…安心出来るこの匂いが好き
そう思った瞬間、いきなり後ろから強く抱き締められて
焦凍君の強い匂いに身体の血液が勢いよく巡ったのが分かった
『や、止めて!!』
轟「!」
焦凍君の匂いに私の"あれ"が反応して
大きくなったのが分かった
いけない…私今、彼を襲いたくて仕方ない
『ど、どうしてこんな…っ………』
轟「…俺が欲しいのか?」
『!…焦凍君』
轟「いいよ…想さんになら俺をくれてやる……ほら」
『_____!!』
焦凍君がネクタイをほどいてボタンをとったら項を見せてきた
項を噛むだけじゃ運命の番なんてなれないのは分かってるのに
今はその項を噛みたくて噛みたくて仕方なかった
けど_______
『っつ!!』
轟「!?」
鞄の中に入れてた抗フェロモン剤の注射を
勢いよく腕に注射した
注射だと内服より時間がかからないし効果も早いから
案の定、焦凍君の匂いも薄くなって安心したとき
焦凍君の悲しそうな切なそうな表情から目が離せなかった
轟「そんなに……俺と運命の番になりたくねーのかよ」
『…っ………』
轟「…分かった」
『!焦凍く』
轟「余震も大丈夫そうだな……出よう」
『…ええ』
扉に左手を添えた焦凍君の炎はゆっくり扉を燃やしていて
キレイな優しい炎とは裏腹に
彼の背中が寂しそうに見えて、両手を強く握りしめた
③へ