運命のオメガバース(完結) 連載ヒロイン、裏あり
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あの出来事から四年
今日は雄英高校卒業生が集まるパーティー
私は雄英卒業生じゃないけど、卒業生代表の挨拶に選ばれた
エンデヴァーさんの付き添いで来ていた
ハイネックの肩出しビジューマーメイドドレスに身を包み
エンデヴァーさんにご機嫌とりの挨拶をしてくる
広告会社の人達に取り敢えず笑顔を向けていた
すると、エンデヴァーさんの近くにいた人が
私に話しかけてきた
「貴方は、エンデヴァー事務所で働いてる方ですか?」
『はい、本日はエンデヴァーさんの付き添いでまいりました
エンデヴァー事務所の事務をしております、想です』
「とてもお美しいから見惚れてしまいました」
『貴方も…その紺のスーツがとてもお似合いですね』
「ありがとうございます」
『…いいえ』
お互いの社交辞令もサラッとかわして頭を下げたら
エンデヴァーさんに一言声をかけてその場を離れた
エンデヴァーさんの飲み物がなくなりそうだったから
新しい物を探していたとき
扉の近くにいる焦凍君に思わず足を止めてしまった
薄いグレーのスーツに青いシャツに身を包んだ焦凍君を
周りの女の人達が熱い眼差しで見つめていた
私に無理やりキスをした日以来
焦凍君は研究室に来なくなった
インターン先がエンデヴァー事務所で
雄英卒業後もエンデヴァーさんの側で
サイドキックとして働いているから必ず彼を見かけるし
廊下ですれ違った事もあったけど
彼が私に話しかけて来ることはなかった
元クラスメイトの女の子達と話す彼を見て
胸が押しつぶされるような苦しさも
隣にいくことさえ出来ない虚しさも
私がαで運命の番の焦凍君を
独占したい気持ちなんだって思うことで自分を納得させたとき
スマホが鳴って確認したらエンデヴァー事務所からで
急いで会場を後にした
*~**~*
『分かりました、エンデヴァーさんには私からお伝えします』
スマホの通話ボタンを切って
エンデヴァーさんの所に戻ろうとしたら
声をかけられて後ろを振り返ると
さっき私に挨拶をしてくれた人だった
「…この後、お時間があれば近くのバーに行きませんか?」
『…………』
誘われてるのよね、きっと
そう思って断ろうした時
さっきの焦凍君がクラスの女の子達と話してるのを思い出して
思わず返事をしてしまった
『…分かりました』
「待ち合わせ場所はどこがいいとかありますか?」
『…このパーティーが終わったら一階のロビーに』
轟「行かせねェ」
『_____!?』
いきなり後ろから抱き締められたのに
誰かなんて見なくても分かる
声が、腕が、温もりが
四年の月日を感じさせないほど、はっきり覚えていた
轟「悪ぃな…この人俺の運命の人だから手を出さないでくれ」
『あ、』
離れたと思ったらいきなり手を引かれて
長い廊下を早足で歩いていく
後ろの彼なんて気にならないほど
目の前の焦凍君しか見えなくて
温かい彼の左手を握りしめることしか出来なかった
*~**~*
開いてる部屋に入った私達
四年ぶりの彼との会話に
なんて声をかけたらいいか分からなくて俯いてたら
名前を呼ばれて顔をあげた
轟「その格好…」
『え?』
轟「…肩寒そうだな」
『…………』
轟「…いや、違う……なんて言うか…」
『……ふっ』
轟「…想さん?」
『…ふふふ……ご、ごめんなさい』
轟「…………」
焦凍君の言いたいことが何となく分かって
思わず笑ってしまった
四年ぶりの会話で
まさかの彼の嫉妬を聞くとは思わなかった
彼はやっぱり可愛くて
でも私を連れ出した時は本当にカッコ良くて胸がときめいた
そう思った、次の瞬間
『!?な、何……!!』
轟「想さん!!!!」
いきなり上から突き上げられたような揺れに
焦凍君が私を抱き締めると一緒にしゃがみこんだ
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