運命のオメガバース(完結) 連載ヒロイン、裏あり
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あの出来事から三年、雄英を卒業して一年
今日は雄英高校卒業生が集まるパーティー
色鮮やかなドレスやスーツに身を包んだ
元1-Aのクラスメイトと楽しく話してたら
視界に白いコック帽とコックコートを来た
小麦ちゃんを見つけて
側にいた梅雨ちゃんに一声かけて皆から離れると
少し裾の長いドレスを両手で持って駆け寄ったら
小麦ちゃんに声をかけた
『お疲れ様、小麦ちゃん!』
「うわぁ~…聖ちゃんお姫様みたい…素敵!!」
『あ、ありがとう…!』
メイドさんに選んでもらってよかったって安心してたら
私のドレスを見て目を輝かせてる小麦ちゃんに
少し面白いのと恥ずかしいのが混ざって思わず笑ってしまった
『そんな見つめられたら照れちゃうよ?』
「ご、ごめんね!?本当に素敵だったからつい…」
『いいんだ_____』
扉を見たら皆の中心にいたのは黒のスーツを着た出久だった
雄英卒業後、出久はオールマイトさんと一緒に
アメリカに留学した
だから出久には一回も会ってなかったし連絡もしてなかった
一年ぶりに見た出久は前よりも大人っぽくなっていて
スーツの上からでも分かるくらい身体も逞しくなっていた
でも優しい笑顔は変わらなくて自然と微笑んでる自分がいる
こんな胸が温かくなるのもドキドキするのも
出久だけなんだって少し悲しくなってたら
小麦ちゃんに呼ばれて振り向くと
小麦ちゃんの手の中にパンがあって
キョトンってしてしまった
『小麦ちゃん…?』
「私が作った新作クリームパン!食べてみて?」
『…ありがとう』
小麦ちゃんは私が出久を好きだって知ってるから
気を遣ってくれたんだ…バカだな私
小麦ちゃんの手からパンを貰って一口大に切って食べたら
ふんわり包み込むような優しい味に涙が出そうになって
でもそれ以上に小麦ちゃんの優しさが嬉しくて
気持ちを伝えた
『優しい味がする…小麦ちゃんみたい』
「そ、そうかな?」
爆豪「…聖、うろちょろしてんじゃねーよ」
『あ、爆君!』
爆君がダルそうに私に声をかけてくれた
あれから私は爆君の運命の番として側にいるけど
実際はまだ番にはなっていない
それに…爆君は私を無理やり押し倒した日から
私にああいう事はしてこなかった
「爆豪君久しぶりだね!元気にしてた?」
爆豪「…うるせーのがいやがる」
『もう!そんな言い方、失礼でしょ?
ほら、小麦ちゃんに新作のパン作ってもらったの♪』
爆豪「へっ、こんな時でも仕事とはご苦労ーなこった!
ドレスなんかより似合ってんじゃねーか?」
『爆君!!』
「いいんだよ聖ちゃん!私このコックコート好きだから
誉められて嬉しいし…ありがとう爆豪君♪」
爆豪「…………」
本当に小麦ちゃんは優しいなって微笑んでたら
小麦ちゃんのポケットについてた無線がなって出ると
切った瞬間、申し訳無さそうな表情で私を見ていた
「私、調理室でパン焼けてるか確認しに行ってくる!」
『お仕事の邪魔してごめんね?』
「全然大丈夫!二人ともゆっくり楽しんでってね♪」
『落ち着いたらまた話そうね?』
「うん!」
爆豪「…………」
人混みを掻き分けて会場を出た小麦ちゃんを見つめてたら
爆君に声をかけた
『本当に小麦ちゃんって優しいよね…』
爆豪「…………」
『…爆君?』
爆君「…戻ンぞ」
『う、うん……』
踵を返した爆君の隣を少し早歩きでついていく
爆君の瞳が一瞬切なそうに揺れた気がした
*~**~*
少し疲れたからバルコニーで空を眺めてると
小さくため息をついた
皆はヒーロー事務所のサイドキックとして今も活躍していて
私はというと、医者になるためにヒーロー事務所には所属せず
大学に入学して勉強に勤しんでいる
休みの日はリカさんと一緒に地方の病院や災害施設に行って
ケガをした人達の治癒やカウンセリングなどをして
充実した日々を過ごしていた
でも……本当は
『!!……何…この感じ……』
よく分からない嫌な感じに胸騒ぎがした瞬間
『____きゃ!?』
いきなり上から突き上げるような大きな揺れに
思わずバルコニーの手すりを強く握りしめた
②へ続く