運命のオメガバース(完結) 連載ヒロイン、裏あり
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あの出来事から三年、そして雄英を卒業して一年
今日は雄英高校卒業生が集まるパーティー
色鮮やかなドレスやスーツに身を包む皆を横目で見つつ
急いで会場にパンを運んでいた
『(人数が多いからパンの減りも早い!)』
雄英卒業後、私は母の会社で働きつつ
色んなホテルでパンを提供している
ランチラッシュさんからのお願いでお手伝いをしている私は
白いコックコートに身を包み料理を会場に運んでいたら
名前を呼ばれて振り向いた
「お疲れ様、小麦ちゃん!」
『うわぁ~…聖ちゃんお姫様みたい…素敵!!』
「あ、ありがとう…!」
白いエンパイアのドレスが
聖ちゃんの綺麗な金髪をより引き立てていて
素敵だなって見つめてたら、クスクスと笑われてしまった
「そんな見つめられたら照れちゃうよ?」
『ご、ごめんね?本当に素敵だったからつい…』
「いいんだ_____」
『?』
聖ちゃんが真っ直ぐ扉を見つめていて振り返ったら
黒いタキシードに身を包んだ緑谷君がいた
確かアメリカでヒーロー活動してるって聞いてたけど
戻ってきたのかな?
聖ちゃんを見たら
愛おしそうに真っ直ぐ緑谷君を見つめていて
思わず手から"個性"でパンを出していた
「小麦ちゃん…?」
『私が作った新作クリームパン!食べてみて?』
「…ありがとう」
パンを一口大に切って食べてくれると
少し顔を歪ませて、でも嬉しそうに私に微笑んでくれた
「優しい味がする…小麦ちゃんみたい」
『そ、そうかな?』
爆豪「…聖、うろちょろしてんじゃねーよ」
「あ、爆君!」
久しぶりに聞いた爆豪君の声に胸がドキってしたけど
息をゆっくり吐いて後ろを振り返った
小豆色のシャツの上に紺色のベストを着て立ってる姿が
誰よりもカッコよくて素敵で
言いたい気持ちを押し込めると言葉を紡ぎだした
『爆豪君久しぶりだね!元気にしてた?』
爆豪「…うるせーのがいやがる」
「もう!そんな言い方、失礼でしょ?
ほら、小麦ちゃんに新作のパン作ってもらったの♪」
爆豪「へっ、こんな時でも仕事とはご苦労ーなこった!
ドレスなんかより似合ってんじゃねーか?」
「爆君!!」
『いいんだよ聖ちゃん!私このコックコート好きだから
…ありがとう爆豪君♪』
爆豪「…………」
いきなり無線がなって耳をすませたらランチラッシュさんで
パンが焼けてるか確認してほしいって内容に返事をした
『私、調理室でパン焼けてるか確認しに行ってくる!』
「お仕事の邪魔してごめんね?」
『全然大丈夫!二人ともゆっくり楽しんでってね♪』
「落ち着いたらまた話そうね?」
『うん!』
爆豪「…………」
人混みを掻き分けて扉に向かってるとき
二人の自然な会話とお似合いな雰囲気を思い出して
胸が締め付けられた
もう爆豪君なんて好きじゃないはずなのに
彼と話しただけでドキドキが止まらない
でも…二人は運命の番だから
そう思うとドキドキがおさまって、急いで調理室に向かった
*~**~*
オーブンに入ってるパンを見るともう少しだったからパンが焼けるまで待ってようとコック帽を脱いで椅子に座った
所々汚れてるコックコートを叩いても落ちるわけがなくて
ため息をついたらさっきの爆豪君の言葉を思い出した
(「へっ、こんな時でも仕事とはご苦労ーなこった!
ドレスなんかより似合ってんじゃねーか?」)
『言われなくても……分かってるもん』
私みたいな容姿の女にドレスなんて似合わない
似合うのは聖ちゃんみたいな可愛くて綺麗で
絵本に出てくるようなお姫様みたいな人だから
でもいつか、こんな格好をした私でも
「好きだ」って言ってくれる人が現れるって信じてる
自分を奮い立たせて
もう一仕事頑張るぞーって立ち上がった瞬間
『!?な、何…きゃあ!!!!』
いきなり上から突き上げられたような揺れに
机に掴まりながらしゃがみこんでしまった
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