恐怖のラブレター(緑谷)
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恋って苦しくて切なくて甘酸っぱい
そういうものだと思ってた
図書館に長く居すぎて帰りが遅くなったから
急いで帰ろうと下駄箱をあけたとき
『…あれ?』
下駄箱の中に白い手紙が入っていて
周りを見渡しても誰もいなくて不思議に思いながら取り出した
私の名前が書かれていたから私宛なのは確かだけど
『差出人の…名前がない?』
寮に戻りながら手紙の封を開けると小さい紙が入ってて
手紙の内容に足が止まってしまった
"思へども 験もなしと知るものを 何かここだく
我が恋ひわたる"
『…こ、これって……恋文だ』
だってこの和歌の意味って
"どんなにあなたを想っても仕方がないとわかっているのに
どうしてこんなに恋しく切ないんでしょう"
って意味だったはず
初めて恋文、ラブレターを貰って驚いたけど
和歌で思いを伝えてくれた事にもっと驚いた
私の得意科目は国語で古典とか短歌が好きだったから
『でもどうしよう…相手が誰か分からないから
お返事書けないよ』
私は出久が好きだから
この人の気持ちに答えることは出来ないけど
『…よし!』
気持ちを引き締めると急いで寮に走った
*~**~*
次の日
少し早めに学校に着くと
下駄箱を開けたら昨日と同じ白い手紙が入っていて
手紙を開くとやっぱり和歌だけが書いてあった
"思ひつつ 寝ればや人の 見えつらむ
夢と知りせば 覚めざらましを"
確かこの和歌、有名な小野小町の歌だ
"貴方を想って寝たから
愛しい貴方が夢に出てきたのでしょう
夢と分かっていたのなら、目は覚まさなかったのに"
…って意味だけど
『…気持ちに答えられなくてごめんなさい』
自分の下駄箱に緑色の手紙を入れると教室に向かった
差出人の名前が分からなかったから
勝手に「和歌の君へ」って名前を書かせてもらって
内容は同じように和歌で返事をすることにした
『ゆふぐれは 雲のはたてに ものぞ思ふ
天つ空なる 人を恋ふとて
(夕暮れになると雲を眺めては、物思いにふけています
あの空のように手の届かぬところにいる恋人を思って)』
和歌が得意な人だと思ったからこの歌を送った
"私には手の届かないくらい大切な人がいる"
そんな意味を込めて
まさかこの手紙のやり取りから
あんな事件が起こるなんて思いもしてなかった