第百六話[ありがとう]
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オールマイト「…天堂少女の一番大切な物は
"一番好きな人との思い出"だそうだ」
「「「「!?!!」」」」
今の言葉でクラス全員が
どうして聖が緑谷に対して
あんな言動をしたのか分かってしまった
聖の一番大切な物は自分の命でも家族でもなく
緑谷出久だったということ
だから緑谷と幼馴染みとして過ごした
思い出が消えたのも納得がいく
そしてそれは、聖が緑谷を好きになった思いも
消えてしまったことに繋がる
あまりの衝撃的な事実に
誰も話せないでいると緑谷が静かに口を開いた
緑谷「…皆お願い、僕と聖が幼馴染みだったことは
聖に黙っててほしいんだ」
「「「「!?」」」」
緑谷の提案に誰よりも早く反応したのは麗日だった
麗日「デクくんどうしてそんな事言うん!?」
轟「…何か理由があるのか?」
爆豪「…………」
皆が注目する中、緑谷がゆっくりと口を開いた
緑谷「…僕と出会わなければ聖が
ヒーロー科に来ることはなかったし
OFAや死柄木に傷付けられる事もなかった
僕のせいで聖はたくさんの物を失ったから
記憶を無理やり戻して
聖がまた傷付くのは見たくないんだ」
麗日「デクくん……」
爆豪「…言いてェことはそれだけか」
緑谷「かっち_______」
爆豪の左の拳が緑谷の頬に命中する
尻餅をついた緑谷に慌てて峰田が支え
緑谷に近付こうとする爆豪を相澤が押さえつけた
爆豪「黙って聞いてりゃ聖が傷付く!?
てめぇが傷付きたくねーだけだろうが!!」
緑谷「…っ…………」
『…皆、どうしたの?』
「「「「!?」」」」
扉の前で皆を見つめていた聖は
緑谷を見て慌てた様子で緑谷に近付くと
心配そうに緑谷を見つめている
『頬、大丈夫?』
緑谷「う、うん……」
『"ラファエルの子守唄"』
緑谷「あ……」
聖の左手が緑谷の右頬に触れると
優しくて温かい緑の光が頬を癒してくれる
頬に触ると殴られた時の痛みも熱さも消えていた
緑谷「あ、ありがとう……」
『どういたしまして!…それより爆くん
緑谷くんと何があったかは分からないけど
暴力だけはダメだよ!』
爆豪「…そんだけかよ」
『え?』
爆豪「…俺や出久に何か言うことねーんか」
緑谷に振り返った聖は
申し訳なさそうな表情で緑谷を見ている
『幼馴染みとして私も謝らせて
爆くんが暴力をふるって本当にごめんなさい
…今は許さなくていいけど、少し落ち着いたら
またクラスメイトとして仲良くして欲しいな!』
緑谷「_______」
麗日「デクくん!!」
飯田「緑谷くん!!」
聖の言葉にショックで
教室から逃げるように走り出した緑谷は
昔の聖の言葉を思い出していた
(『爆くんのことぜっーーーたい許さない!!
出久にこんなケガさせて!!
ちゃんと出久に謝るまで話さないんだから!!
出久を傷付ける人は幼馴染みでも家族でも
私が許さないからね!!』)
緑谷「(聖!!!!)」
気がついたら雄英の校門前にいて
膝に手を置き呼吸を整えていると
首にかけていた聖のペンダントが落ちてきて
中が開いてしまった
ペンダントの中には赤ちゃんの聖と
幸せそうに聖に微笑む聖の両親の写真
ふと、写真の裏にもう一枚紙切れが見えて中をいじると
緑谷「あ_____」
雄英に入学してすぐの頃
聖にお願いされしぶしぶ雄英の校門前で写真を撮った
照れてる緑谷と対象的に
緑谷の腕を掴み幸せそうに笑っている聖
恥ずかしかったが本当はすごく嬉しかったことを
悔しそうに写真を見つめながら不意に写真の裏を見ると
聖の字でこう書かれていた
『私の大好きなNo.1ヒーローの出久へ
二人で一緒にいるここが最高のヒーローへの
一歩でありますように』
緑谷「…っ、聖」
涙を流す緑谷を抱きしめてくれる
優しい幼馴染みの少女は、もういない
第百六話 End
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