第百六話[ありがとう]
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死柄木が消滅してすぐ
二人は目が合うと自然とお互いを抱きしめていた
緑谷「…転弧の命を助けることが出来なかった」
『…うん』
緑谷「心に手を伸ばして憎しみが砕けても
転弧は最後まで敵連合のリーダーだった」
『…転弧くん笑ってた』
緑谷「え…?」
『あんな穏やかに笑ってたから…心は救えたって信じたい』
緑谷「聖……」
「…あんたらさ、私の存在忘れてないわよね?」
緑谷「!?」
ルシファーの声に慌てて聖から離れようとするのに
聖は離れるどころか抱きしめる手を緩めなかった
緑谷「聖!?ど、ど、ど、どどうしたの!?」
「…もう後戻りが出来ないの、分かってるわよね?」
『…うん』
顔を上げた聖の顔は
今にも泣きそうでとても苦しそうだった
戦いは終わったはずなのに
まだ戦いは終わっていないような
むしろこれから苦しい戦いが待っているような
そんな表情に緑谷は何故か不安が過る
『"ザドキエルの慈愛"』
聖の白い翼がブルーグレー色に変わった瞬間
緑谷の前に現れた初めて見る天使に
緑谷は言葉が出てこない
「…戦いは終わったのだな」
『はい、お待たせして申し訳ございません』
緑谷「ま、待って!?
あなたは聖の天使の"個性"の一人?」
「私の名はザドキエル」
緑谷「…ザドキエル」
表情を崩さず緑谷を見つめる瞳は
直ぐに聖へと向けられる
「…覚悟は出来ているな」
『はい、超常戦争が始まる前から覚悟は出来てます』
緑谷「え?超常戦争が始まる前からって…」
「…では、始めよう」
緑谷「!?」
ザドキエルの手に銀色に輝くナイフが握られると
聖を庇うように緑谷が前に出る
「…何をしている、少年」
緑谷「あなたこそ、僕たちに刃物を向けて
どうするつもりなんですか!?」
「…聖、この少年に説明をしていないのか?」
『…すいません』
緑谷「聖、これってどういう」
『"ザドキエルの慈愛"は私のどんな願いでも
二つ叶えてくれるの』
緑谷「願いごとを二つ叶える……?」
『一つ目は"OFAを倒すまでの間、身体の負担がない状態で
天使の個性を同時に使えるようにして欲しい"
…出久ならこれがどういう意味か分かるよね?』
聖の"天使の個性"は弱点がある
それは"天使の個性"の連続または同時使用だ
"天使の個性"は一つ一つが強い力だから
使うたびに聖の身体に与える影響が強く出でしまうから
AFOとの戦いを見越しての聖の願いだったんだろう
『…二つ目は"私の身体から
死ぬことなく悪魔の個性を取り出して欲しい"』
緑谷「え!?」
ルシファーを見ると嬉しそうに緑谷を見下ろしている
「願いを叶えるかわりに
AFOを倒す手助けをしてたのはそういうこと
まぁ、あいつに好き勝手されるのもムカつくし?」
緑谷「い、いったいいつから!?」
『最初から』
緑谷「え…?」
『最初からなの……出久』
眉間にシワを寄せ苦しそう緑谷を見つめる聖に
緑谷は言葉が出てこなかった
