勝手気儘

「だな、カリーのことだ。なにか変に野生の勘が働いてきやがるだろうからよ」厄介なことになりやがったぜ、とラディッツは舌打ちをしてタバコに指先から出した火をつける。
「俺様にとってはあれ有難く餌をもらえたからいいのですが、暴れたのはあなたでしょ?」
「いっちょ前に言ってくれるじゃねえか…、おい翼。飯はあるか」
「えっと、いま主様に言われて煮物は冷やしてますが朝ごはん用の野菜のスープとエッグベネディクトなら」
「…それもらう」椅子の方へとラディッツはタバコをくわえながら移動して座る。
翼は彼の行動ににこりとわらい、すぐに用意します!と動いた。主様が僕の作ったものを食べてくれる!、ここに来て少し経ってから食べてもらってはいるがやはり一つ一つが従者である翼にとっては嬉しいもの。器へとスープを注ぎ、カリカリに焼いたベーコンをエッグベネディクトに盛り付けて持っていく。
「…なんだ今回は随分と綺麗にしたじゃねえか」
「へへへ!、主様に喜んでもらいたかったからです!!」
「…ほんとすごいすよね、翼さん。こんな勝手気儘な男にしてあげるなんて」
「おう国重、独り言か?。随分とでけぇじゃねえか」
「いえなにも!」ほんとこの主は勘がいいこと、おまけににこりとみてくるからこわい。ああ信長公に会いに来た時の男…カリグラを思い出す。
付喪神の自分を見てきて、同じように笑ってきたのだから。
─お前が欲しい─、と。なんと強欲な男だとあの時もなったものだ。いかん、いかんつい過去へと記憶を飛ばしてしまったが今目の前にいる主の世話をしなくては。
「(何かしら起きる前触れなんですかねぇ…)」


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