ハジマリ

「っまて、ラディッツ…‼」(オレはっあいつに勝ててなんぞいない)
ベジータの声は虚しくも彼には聞こえず、木霊した。
「王っっ」バーダックは苦虫をかみ潰したような顔をしてベジータを支える。
(俺は、息子のこと何もわかってなかった)あの冷たい目、自分を見下しごみを見るような。
今更親ヅラするなと言いたげな。たしかに己はあの息子を弱虫だと言った。戦いを避け、暗殺するようなやつだから。
だが今を思うとあれは実力を隠してたのだ。能ある鷹は爪を隠す、まさにその通りだった。ああ、そういえば彼の幼なじみであるターレスはよく忠告してきたものだ。
『…あまり、ラディッツを舐めない方がいいぜ。バーダックさんよ』
「っくそ…‼」ギネやカカロットにどう伝えようか、バーダックは心の中で申し訳ないと謝り続けた。
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