勝手気儘

カタカタッ…と鍋の蓋が軽くうきおどるような音がひびきわたる。
彼……ラディッツの隠れ家に来ていく月かすぎた、あいも変わらず彼は自由気ままというかフラフラと歩きにでてはやれ煙草やれ酒だの買ってきて日がな1日をすごしている。 自分も体がだいぶ動かせれるようになり、今では飯作りを頼まれている。
「~♪」地球の食材とはたまに違うものも来たりするが、それをどう調理してやるのかが料理の醍醐味というもの。
ラディッツは思ったより味覚が繊細なのか苦味がどうだの、甘いだのと言ってくるが彼の文句は自分が出来ると思って言っているものが多いのでそれに答えて言っている。しかもただ文句を言うだけではなく気分がいい時は、教えてくれたりもするので翼は地味にその時間が楽しみだったりする。
「翼さんもよくやれますねぇ…俺様なら嫌で投げ出しますよ?」
「国重様、僕は主様だからしてるだけですよ」
「いやいや、あの横暴暴君三昧の主にいいとこありますかい?」眉をひそめながら国重は翼が調理している鍋に煮込まれている煮物を眺める。
彼、国重は自分とはまた異なった時空から来た織田信長の刀だったものだ。己より長い時をこの主君の時空で放浪してまたもラディッツの気まぐれで契約されたものだ。ラディッツが未だ幼い頃にされたらしく、おかげで付き合いも長いらしい。
刀の付喪神であり仏に刃向かい暗夜を世界に届ける第六天魔王…それがこの国重なのだ。なぜ主様がこんな凄い神と、と思ったがラディッツと暮らしてみてわかった。あの男は気ままな男であると同時にやはり、あの噂の大魔王でもあったのだ。当人は成れの果てだと言うがとんでもない。このスラム街のような惑星で自由を謳歌し、なにか起きればふらりと駆けつけ解決していく。
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