友たち

唐突に来た翼の言葉に彼は目を見開くが、そうかよと一言いって水の入ったペットボトルを冷蔵庫から取りだし投げ渡す。
「だったらちったぁ回復しやがれ、てめえのその細っこい身体じゃ回るところも限られるだろうが」
「はいっ(…ホント、僕のとこの月鬼様とそっくり)」翼はその姿や態度にかつての主と重ねて見る。
「ったく……、調子の狂うガキだ」ふと子供を見て思い出すのは、自分にしつこく関わってきた惑星ベジータに未だいるであろうターレスとカリーだった。
なぜ今更思い出すのか、寂しいとか言われたからだろうか。喧騒が懐かしく思うのはあるが、今の生活も悪くないと思っている。
だがそうだな、カリーの奢りがないのはつまらないのかもしれない。
「……アイツらのことだ、テキトーにやってるだろ」懐かしいや会いたい、とは思わない。だが強いて言うなら、騒がしいのも悪くなかった…それくらいであろうか。
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