友たち

「まあそうだな、ろくでもなさすぎて話しにくいってのがある」
「?、えっ……あっあのっ」なぜ口には出てないはずなのに、わかるのだろと翼は反応する。
「心が読めるからな」目の前の男は、サラリと返してきた。それは、霊感が強いせいだろうか。先程の呪術師のという話のくだりもそうだ。話した覚えがないのに、彼はサラリと話してきていた。
「嫌なくれぇに腐ったミカン共を見てきたからなぁ~、てめえのその心が眩しくて仕方ねえよ。続きを話せば、俺はその力のおかげで前世のことが分かった……色々とな」最後の言葉は変に彼らしくない、と翼は思ってしまったどこか弱々しくそして何かを諦めているかのように声を出したから。
「だから、月鬼様のことも…?」
「そういうこった、ああだがいい……てめえを見ている限りそれなりにくらしてきてんだろ。良いじゃねえか…、女とも幸せに暮らしてるなら」そう、幸せに。俺みたいに探す羽目にもならず、と小さくつぶやく。
その言葉に翼はごくりと唾を飲みきいた。
「もしかして、その女の方も………あなたが、好きな人と、おなじ、なのですか?」その言葉に彼は目を見開いたが、あたまをかきこれだからガキはと言ってきた。その動作が、反応が己のかつての主と同じでくすりと笑ってしまう。
「ああそうさ、そうだよ。俺の惚れた女と同じだよ…正確に言えば、てめえのとこのやつが惚れたのは俺が惚れた女の魂の欠片を持つものだがよ──」そこから翼に、信じるも信じねえも好きにしろとラディッツは惚れた女…皇嵐とそして己の前世カリグラとの関係の話を話した。
カリグラは皇嵐に惚れ、皇帝になった事。そして、…その皇嵐は女神であり創造神だと言うこと。
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