友たち

『翼──』低く夕焼け色のような声が聞こえる、ああ…あの人はどうされてるのだろ。元の世界でいた、僕のことを何やかんやお世話してくれた月鬼様。
黒の中に青混じりの髪の毛、星々をまとった色を持っていて綺麗だった……どれだけあってないのかな。
今日、僕は月鬼様……あなたとおなじ香りを持つお人と会いましたよ。あなたとおなじ、龍の瞳を持ち黒く深い心を持たれたお方に。初めてこの方になら殺されてもいい、死んでもいいとおもったんです。
「げつ、き、さま……」
「俺がなんだ、ガキ」えっ、と目を覚ます。そこは光がなく薄暗い部屋だった。だが一目見て分かってしまう、持ち主の心を表すような黒い部屋。周りには武器やなにか本があり、シックな家具が置かれている。すごくシンプルだ……。目が慣れてきてわかる、目の前にいる三日月の傷を持つ男……あの死神だ。
「あ、なたは…どうしてっ僕を…」
「くくっ、話したではないか?。お前を気に入った、と」かんっっ、と金属が鳴り響く音が聞こえる。ああそのキセル…金で彩られたものは己のかつての主が使っていたものと同じだ。
「げつ、きさま…?」
「俺はお前に名を教えた覚えはねぇがなぁ…正解だ、如何にも俺は月鬼<ゲツキ>だ」少し翼は彼を俯瞰してみる、もしかしていやその通りだ……彼のこの魂の色そして雰囲気間違いないこの世界のかつての主なのだと。
「ガキ、どうやらお前は…"俺"と関わりあるようだな」彼は自分に話しかけてきた、どこか面白そうに。いやはやこれは運命なのか?、随分と数奇なもんだぜと彼はつぶやく。
「こんなのより、宝くじがあたって欲しいもんだぜ」
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