君がため 7

君がため
※平安時代?パロ
・皇嵐ちゃんが天皇の姪です
・兄ちゃんが警護役

警護を終えて屋敷へと帰ると、またあの男がいたな……とラディッツはため息を着く。
「よぉー!、ラディッツー!!。まってたぜー!」カリーだ、いったいどうやってきたんだかとおもい部屋へと上がる。
「…暇なのですか?。」
「暇じゃねえし、敬語はやめろって言ったろ!?。ここでは!」昔の好じゃないか!、とカリーは狩衣へと着替える自分にぐいぐいとくる。
ほんとこの男は昔からそうだ、身分差などなんのそのと迫ってくるし徹底的に関わろうとしてくる。これでも皇嵐の甥っ子らしいから世の中不思議だ。
「…一体何しに来た、親父に用か?。」ここにはいないのだがな、とラディッツはいう。ラディッツの父…バーダックは希代の関白とうたわれた男の甥だ。バーダック曰く、まあその男から多少可愛がられてはいたらしい。
カリーはその男のことを尊敬していたと聞いた、そいつのことをまた聞きにかとおもうが…お生憎様自分は父親と距離を取っている。
不仲というかなんというか、己が勝手に苦手意識を抱いてではあるが。
「は?、ちげえよ。普通にお前に用があんの。」地酒持って来たし、いっぱいやろうぜ!とカリーは徳利をだす。
ラディッツはそれに溜息をつき、わかったと答えて酒を飲む。
「お前、相変わらず…皇嵐に和歌を送ってるのか?。」酒を盃にそそがれながら、ラディッツは聞かれてそれにまぁ…とこたえる。
「…すきをついてではあるがな。」今日は夜の番がなく、返歌のだけ回収して帰ってきた。
皇嵐な方からも気があるような返事が来て、少し思い悩んではいる。
「…なるほどねぇ、あの人あの歳で結婚できてねぇしなー」
「……そうなのか。」
「帝が許さねぇんだよ、あの人の婚姻。とっととそれなりの家にさせてもいいと思うけどよおまえとか。」
「……」ぴくり、とラディッツは反応する。
「だがお前、あくまで俺は警護のだぞ。」そんなの合わないだろ、と話すとあるだろとカリーは伝えてくる。
「…お前の大伯父、えらい身分だったじゃん。経歴も素晴らしいし」大伯父…、会ったのはかなり幼い頃おぼろげだが覚えてる。絢爛豪華な装飾をまとい金糸がとおされた束帯をまとい天皇よりも天皇と言われた男。
天治の君とうたわれた男…カリグラ。自分は彼とそっくりだと言われたが、とんでもないあのような色香と魔性をまとう男となんか似てない。
「アイツみたいにできると思えんがな」
「俺はやれると思うけどねー…、おまえ和歌の才能もあるし。」貴族の世界を渡れるくらいにはあるじゃん、とカリーはいう。
そして、それでよ皇嵐からの返歌は?と話してきた。
「お前っ、さてはそれを見たくてだな!?。」おい!、という前にカリーはラディッツが大事に懐に閉まっていた桃色の紙をとりだす。ふわりとお香の香りがしてきて、カリーはおおという。
「おいおい、まじもんじゃんー」バット取り返してラディッツは手紙を開く。
そしてそこにある返事に思わず笑みを零した。
「これは、脈アリか?」

ありつつも 君をば待たむ うち靡(なび)く
わが黒髪に霜の置くまでに
【このまま愛おしいあなたをお待ちしましょう。黒髪に白髪がでるまで。】
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