君がため 26
屋敷へとつけば牛車からラディッツはゆっくりと降りて歩き出す。カラン、と履物を鳴らしながら夕闇に照らされる庭園を眺めた。
「お?、ラディッツ~。帰ってきたのか??」
「無事そうでよかったぜ」
庭先で迎えてくれたのは『白雪の君』とも呼ばれているカリーだ、カリーは祖父であるナエと目線を合わせてあいさつをかわす。
「これはおじい様!、先日は俺のわがままを聞いてくれて感謝します」
「カリー、ですか……。こちらこそですよ、あなたの狙い通り僕も政界に復帰しようかとおもえましたからね」
「へへへっ、おじい様ならラディッツのやつの後ろ盾になってくれるかなと思いましたので」
えへへ!、と楽しげにカリーは笑いナエを出迎えて4人でラディッツの屋敷へと入っていく。
ラディッツが私服である狩衣へと着替えてる最中ターレス、カリー、ナエの3人で酒を飲みかわしていた。つまみには海の乾物、そして焼き魚と季節の野菜の御膳を添えて。
「それにしてもカリー、いくら祖父とはいえ政界引退をほぼしていたナエ様を呼び出せたな」
「あーー、まぁなぁ……陛下(黒王)ですら言うこと聞かんと苛立ってたし?。だから俺、何回もおじい様の屋敷に通ったよ」
「……ネーマに色々と言わせていた模様ですからね、やれ歌合わせだの鷹狩だの僕のところでしたいと」
白濁の酒を飲みながらナエはためいきをつきながらいう、娘からも「どうかカリーとお話を」と言われてしまえばやるしかないだろうとおもってしまうのだ。
政界から引退していたとはいえ、情勢がどうなっているかは気になっていた。娘はお手つきもあって皇族へと嫁入りした。相手は皇嵐の兄のような存在邪皇、皇族きっての博打人でもあり遊び人としても有名だった。
だがネーマとは息があったのかあっさりと貰っていくわ、といいネーマと正式に婚姻し嫁入り。その果てにカリーが生まれた。
あのカリグラがバチバチにぶつかっていた皇族、邪皇はむしろカリグラに友好的で「皇嵐を嫁がせたら良くね?」といって黒王に干されたりされて大変だったとも聞く。
「……娘の行方とカリーが心配でしたから」
「なははァ……俺もびっくりしちまったよ、その話聞いた時さ」
「……邪皇殿としては、カリグラ殿下を入れて陛下に集中している権力を割きたかったのでしょうね」
「まぁおそらく?、親父殿(邪皇)がなにをしたいかは分かりかねますがね」
「今はどうされてるんだ?」
「西方の地域に行って鎮西将軍としてあるよ、あの人海賊とかならず者と仲良いから」
カリーのあっけらかんとした言葉を聞きながらターレスはこの男が身分関係なく接したり楽しくやるのは、そのとんでもないことをどストレートにいった父親に似てではないかと苦笑してしまう。
自由にやり、風のように動く。皇族としてあれどカリーは何にも染まらない。その自由さがターレスにとっては好ましくうつり、憧れている。
「ああ、それと僕がカリーに何を言われて戻ったかですよね?。気になったのは、ターレスさん」
お酒をひとくち飲みながらナエは思い出したかのようにつぶやく。
ターレスはそれに身体を向けて、こたえる。
「ええ、身内思いなのは分かりましたがね?」
「……一言で言えば、ラディッツさんのことですよ」
「ラディッツの??」
ピクリ、とターレスは反応する。そういえばバーダックがナエが仕えていたカリグラ。
それは己の伯父でありナエはその臣下だったと言っていた。ラディッツにとってカリグラは大伯父であり、周りいわく見た目は似ているとも言われている。
さらに噂ではカリグラは妻もいない、故に子供もおらずラディッツを養子にして家の跡を継がせようと計画していた。
そのような話も聞いたことがあったが、あれは本当だったのだろうか。
「ラディッツはカリグラ殿下にとっては、甥の子供……その事でですか?。噂では殿下は彼を跡継ぎにしようとした話もあると」
「はい、あれ大真面目にありましたよ。そしてその後見人には、僕がなる予定をしていました」
「はい!!?」
「バーダックさん達からは、息子がある程度大きくなってからとも」
「そうそう、それで俺が突っついて言ったのよ~ターレス」
2人の反応にあの噂が誠だったと知る、しかもかなり計画的に。
つまりだ、ほんきでへたすればラディッツが次の二代目 関白となりかねないということではないか!。
「俺がラディッツはカリグラ様とは違う関白となれると押したのよ、あいつもしっかり者だしな」
「……確かに、殿下と違いかなり強かであられました。内心震えられながらも、陛下の言葉をお聞きになられていた」
「でしょう?、あいつかなり知恵が働くし人をよくみてるんだよ!。おまけに歌が上手い!!、カカロットやバーダックはちょっっとね?」
「……たしかに、残念すぎるものうたってたな」
「そうそう。みなかぞく!、とかね。いやわかってるわ、というやつ」
「……ええ、ですのでカリグラ殿下から任された補佐人の仕事をやろうと請け負ったのですよ」
ナエはふたりがカカロットやバーダックの和歌のセンスについて話していたところつけくわえるようにいう。
あの家では貴族の作法、というものを学ぶのも少しばかり心もとない。だが根っからの上流貴族であり、あのカリグラとともに生きてきたナエならラディッツに知恵を貸して皇嵐との自然な婚姻にも持って行けるとカリーは考えた。
「俺は立場上少しした背中押ししか出来ない、だから……こっからのラディッツの天下の道にはナエおじい様がいいと思ったわけ」
「ええ、お任せを……僕がラディッツさんを関白にあげてみせますよ」
まさかの言葉にターレスも背筋が引き締まり、酒を飲み干す。
ならば自分も昔のツテなどをつかい、ラディッツに必要なものを集めたりできるはずだ。多少の中流貴族とも繋がりがあるのだから。
「……いいねぇ、オレもそういうの好きだぜカリー。やはりあんたは最高だ」
月読の 光に来ませ あしひきの 山きへなりて 遠からなくに
月が出しているその明るい光を頼りにして、どうぞ私のところへいらっしゃってください。あの山が間に隔たってはいるけれど、あなたと私の距離は決して遠くはないのですから
「お?、ラディッツ~。帰ってきたのか??」
「無事そうでよかったぜ」
庭先で迎えてくれたのは『白雪の君』とも呼ばれているカリーだ、カリーは祖父であるナエと目線を合わせてあいさつをかわす。
「これはおじい様!、先日は俺のわがままを聞いてくれて感謝します」
「カリー、ですか……。こちらこそですよ、あなたの狙い通り僕も政界に復帰しようかとおもえましたからね」
「へへへっ、おじい様ならラディッツのやつの後ろ盾になってくれるかなと思いましたので」
えへへ!、と楽しげにカリーは笑いナエを出迎えて4人でラディッツの屋敷へと入っていく。
ラディッツが私服である狩衣へと着替えてる最中ターレス、カリー、ナエの3人で酒を飲みかわしていた。つまみには海の乾物、そして焼き魚と季節の野菜の御膳を添えて。
「それにしてもカリー、いくら祖父とはいえ政界引退をほぼしていたナエ様を呼び出せたな」
「あーー、まぁなぁ……陛下(黒王)ですら言うこと聞かんと苛立ってたし?。だから俺、何回もおじい様の屋敷に通ったよ」
「……ネーマに色々と言わせていた模様ですからね、やれ歌合わせだの鷹狩だの僕のところでしたいと」
白濁の酒を飲みながらナエはためいきをつきながらいう、娘からも「どうかカリーとお話を」と言われてしまえばやるしかないだろうとおもってしまうのだ。
政界から引退していたとはいえ、情勢がどうなっているかは気になっていた。娘はお手つきもあって皇族へと嫁入りした。相手は皇嵐の兄のような存在邪皇、皇族きっての博打人でもあり遊び人としても有名だった。
だがネーマとは息があったのかあっさりと貰っていくわ、といいネーマと正式に婚姻し嫁入り。その果てにカリーが生まれた。
あのカリグラがバチバチにぶつかっていた皇族、邪皇はむしろカリグラに友好的で「皇嵐を嫁がせたら良くね?」といって黒王に干されたりされて大変だったとも聞く。
「……娘の行方とカリーが心配でしたから」
「なははァ……俺もびっくりしちまったよ、その話聞いた時さ」
「……邪皇殿としては、カリグラ殿下を入れて陛下に集中している権力を割きたかったのでしょうね」
「まぁおそらく?、親父殿(邪皇)がなにをしたいかは分かりかねますがね」
「今はどうされてるんだ?」
「西方の地域に行って鎮西将軍としてあるよ、あの人海賊とかならず者と仲良いから」
カリーのあっけらかんとした言葉を聞きながらターレスはこの男が身分関係なく接したり楽しくやるのは、そのとんでもないことをどストレートにいった父親に似てではないかと苦笑してしまう。
自由にやり、風のように動く。皇族としてあれどカリーは何にも染まらない。その自由さがターレスにとっては好ましくうつり、憧れている。
「ああ、それと僕がカリーに何を言われて戻ったかですよね?。気になったのは、ターレスさん」
お酒をひとくち飲みながらナエは思い出したかのようにつぶやく。
ターレスはそれに身体を向けて、こたえる。
「ええ、身内思いなのは分かりましたがね?」
「……一言で言えば、ラディッツさんのことですよ」
「ラディッツの??」
ピクリ、とターレスは反応する。そういえばバーダックがナエが仕えていたカリグラ。
それは己の伯父でありナエはその臣下だったと言っていた。ラディッツにとってカリグラは大伯父であり、周りいわく見た目は似ているとも言われている。
さらに噂ではカリグラは妻もいない、故に子供もおらずラディッツを養子にして家の跡を継がせようと計画していた。
そのような話も聞いたことがあったが、あれは本当だったのだろうか。
「ラディッツはカリグラ殿下にとっては、甥の子供……その事でですか?。噂では殿下は彼を跡継ぎにしようとした話もあると」
「はい、あれ大真面目にありましたよ。そしてその後見人には、僕がなる予定をしていました」
「はい!!?」
「バーダックさん達からは、息子がある程度大きくなってからとも」
「そうそう、それで俺が突っついて言ったのよ~ターレス」
2人の反応にあの噂が誠だったと知る、しかもかなり計画的に。
つまりだ、ほんきでへたすればラディッツが次の二代目 関白となりかねないということではないか!。
「俺がラディッツはカリグラ様とは違う関白となれると押したのよ、あいつもしっかり者だしな」
「……確かに、殿下と違いかなり強かであられました。内心震えられながらも、陛下の言葉をお聞きになられていた」
「でしょう?、あいつかなり知恵が働くし人をよくみてるんだよ!。おまけに歌が上手い!!、カカロットやバーダックはちょっっとね?」
「……たしかに、残念すぎるものうたってたな」
「そうそう。みなかぞく!、とかね。いやわかってるわ、というやつ」
「……ええ、ですのでカリグラ殿下から任された補佐人の仕事をやろうと請け負ったのですよ」
ナエはふたりがカカロットやバーダックの和歌のセンスについて話していたところつけくわえるようにいう。
あの家では貴族の作法、というものを学ぶのも少しばかり心もとない。だが根っからの上流貴族であり、あのカリグラとともに生きてきたナエならラディッツに知恵を貸して皇嵐との自然な婚姻にも持って行けるとカリーは考えた。
「俺は立場上少しした背中押ししか出来ない、だから……こっからのラディッツの天下の道にはナエおじい様がいいと思ったわけ」
「ええ、お任せを……僕がラディッツさんを関白にあげてみせますよ」
まさかの言葉にターレスも背筋が引き締まり、酒を飲み干す。
ならば自分も昔のツテなどをつかい、ラディッツに必要なものを集めたりできるはずだ。多少の中流貴族とも繋がりがあるのだから。
「……いいねぇ、オレもそういうの好きだぜカリー。やはりあんたは最高だ」
月読の 光に来ませ あしひきの 山きへなりて 遠からなくに
月が出しているその明るい光を頼りにして、どうぞ私のところへいらっしゃってください。あの山が間に隔たってはいるけれど、あなたと私の距離は決して遠くはないのですから
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