君がため 21
遊びをせんとや生れけん
戯(たはぶれ)れせんとや生れけん
遊ぶ子供の声きけば
我が身さえこそゆるがるれ
あの日から幾日かすぎた、皇嵐はぼんやりと歌を口ずさむ……童心にもどる歌とも言われまたは遊女たちの悲しき心の詩ともよばれるものを。
この歌をうたうと過ぎるのは初恋の人、『満月の君』とも呼ばれた関白──カリグラだ。帝に対して強く言葉を返し、民の為にと働き全幅の信頼を寄せられていた男。幼子であったじぶんにもやさしく接してくれて、恋という味を教えてくれたお人。
「我が身、さえこそ……ゆるがるれ…」この歌はカリグラが軽く口ずさんでいて、覚えたものだ。彼も彼で白拍子が歌っていたものを聞いて、知ったと話した。
その時は幼いながら少し嫉妬して、こちらを見て欲しいと彼の袴を握ったものだ。
『おやおや、お姫様……どうされたのですか』
『なっ、なにも…にゃ!!』
『ふふふふっ!、噛んで可愛らしいなぁ……どれこの俺が少しいい景色を見せましょうか』そういい幼い自分をあっさりと抱き抱えるカリグラ、彼の首元からは沈香の香りがしてきておもわずすんすんとかいでしまう。
不思議と彼にあっていて、心落ち着いたものだ。抱き抱え、自分を抱えたまま空を飛んだ彼が見せてくれたものは眩く光る星々とキラキラと輝き走り去る流星たちの光景だ。おもわず皇嵐はそれが空から落ちる宝石のように思えて手を伸ばす。
『お姫様は光り輝くものが好きですか?』
『…っうっ、うん!きれいで!!』
『そいつはいいことをしれた』じっ、とカリグラの左目を見る赤い……ルビーのような薔薇のような瞳。皇嵐はカリグラの頬に触れてみつめる。
頬も白く女性の肌より陶磁器のようになめらかで綺麗だ。
『……あなたの目も、きれーねカリグラ』
『そうですか?』
『うんっ、すごいキラキラしてる』
『お姫様のもですよ…美しくこの世にふたつもないようだ』互いにお互いの瞳を見つめる、お互いに違う系統の赤の瞳を持ちただ向かいあわせに互いを目にうつした。
皇嵐はドキドキと小さい心臓を高鳴らせた、こんなに綺麗な男から見られるなんてと。なれないことに顔を赤くしながらもその赤い瞳に捉えられて動けなかった。あんなに皆、彼のことを称えて女子たちは結婚したいと語るほどの美丈夫を今独占してるなんてと子供ながらもなにか誇らしい心を持つ。
『か、カリグラは……王子様っみたいね』
『王子様?、ふふふっそんなものですかねぇ……こんなに愛らしい姫を抱えてそう言われるならいいかもしれませんな』
『あっ、あいらしいなんて!はずかしいっっ』
『愛らしいですよ……姫君は。お姫様が求められるなら、この俺が色々な宝でも持ってきましょうか??』ちゅっ、と小さい指に口付けられる。その赤い瞳をまた向けられて皇嵐はドキリとしてしまう。
宝……カリグラならあのかぐや姫の宝物すら持って来れそうな気もする。
『うんっ……カリグラ、私に持ってきてちょうだいっ』
『畏まりました…、この俺があなたにありとあらゆる世界の宝物を捧げましょう』そういい笑う彼は大人の男のようでありながらこれからの数々の宝探しが楽しみそうな子供のようだった。
皇嵐はそれにつられて笑い、彼にぴとりとくっついて流れる星々を眺める時を過ごす。
梁塵秘抄の歌を聞けば思い出すのはいつもカリグラのことだった、皇帝のようで神のようで時には子供のようだった彼のこと。世界全てを遊戯場としてすごろくをするように楽しむあの男のことだ。カリグラにとって世界は全てすごろくの盤のようであったのだろうか、帝とのことすらも遊戯のように過ごされていた気がする。
そして彼は宣言通り自分に宝物を見せてくれて時には捧げてくれた、ああその中には星々の石もあったことは記憶に新しい。そんな彼は今どこにいるのかは分からない、ただ……今もどこかで神々と遊戯してるようにも感じる。
「我が身、さえこそゆるがるれ……」貴方のことでしょうから少年の心も忘れず戯れてるのでしょう。
戯(たはぶれ)れせんとや生れけん
遊ぶ子供の声きけば
我が身さえこそゆるがるれ
あの日から幾日かすぎた、皇嵐はぼんやりと歌を口ずさむ……童心にもどる歌とも言われまたは遊女たちの悲しき心の詩ともよばれるものを。
この歌をうたうと過ぎるのは初恋の人、『満月の君』とも呼ばれた関白──カリグラだ。帝に対して強く言葉を返し、民の為にと働き全幅の信頼を寄せられていた男。幼子であったじぶんにもやさしく接してくれて、恋という味を教えてくれたお人。
「我が身、さえこそ……ゆるがるれ…」この歌はカリグラが軽く口ずさんでいて、覚えたものだ。彼も彼で白拍子が歌っていたものを聞いて、知ったと話した。
その時は幼いながら少し嫉妬して、こちらを見て欲しいと彼の袴を握ったものだ。
『おやおや、お姫様……どうされたのですか』
『なっ、なにも…にゃ!!』
『ふふふふっ!、噛んで可愛らしいなぁ……どれこの俺が少しいい景色を見せましょうか』そういい幼い自分をあっさりと抱き抱えるカリグラ、彼の首元からは沈香の香りがしてきておもわずすんすんとかいでしまう。
不思議と彼にあっていて、心落ち着いたものだ。抱き抱え、自分を抱えたまま空を飛んだ彼が見せてくれたものは眩く光る星々とキラキラと輝き走り去る流星たちの光景だ。おもわず皇嵐はそれが空から落ちる宝石のように思えて手を伸ばす。
『お姫様は光り輝くものが好きですか?』
『…っうっ、うん!きれいで!!』
『そいつはいいことをしれた』じっ、とカリグラの左目を見る赤い……ルビーのような薔薇のような瞳。皇嵐はカリグラの頬に触れてみつめる。
頬も白く女性の肌より陶磁器のようになめらかで綺麗だ。
『……あなたの目も、きれーねカリグラ』
『そうですか?』
『うんっ、すごいキラキラしてる』
『お姫様のもですよ…美しくこの世にふたつもないようだ』互いにお互いの瞳を見つめる、お互いに違う系統の赤の瞳を持ちただ向かいあわせに互いを目にうつした。
皇嵐はドキドキと小さい心臓を高鳴らせた、こんなに綺麗な男から見られるなんてと。なれないことに顔を赤くしながらもその赤い瞳に捉えられて動けなかった。あんなに皆、彼のことを称えて女子たちは結婚したいと語るほどの美丈夫を今独占してるなんてと子供ながらもなにか誇らしい心を持つ。
『か、カリグラは……王子様っみたいね』
『王子様?、ふふふっそんなものですかねぇ……こんなに愛らしい姫を抱えてそう言われるならいいかもしれませんな』
『あっ、あいらしいなんて!はずかしいっっ』
『愛らしいですよ……姫君は。お姫様が求められるなら、この俺が色々な宝でも持ってきましょうか??』ちゅっ、と小さい指に口付けられる。その赤い瞳をまた向けられて皇嵐はドキリとしてしまう。
宝……カリグラならあのかぐや姫の宝物すら持って来れそうな気もする。
『うんっ……カリグラ、私に持ってきてちょうだいっ』
『畏まりました…、この俺があなたにありとあらゆる世界の宝物を捧げましょう』そういい笑う彼は大人の男のようでありながらこれからの数々の宝探しが楽しみそうな子供のようだった。
皇嵐はそれにつられて笑い、彼にぴとりとくっついて流れる星々を眺める時を過ごす。
梁塵秘抄の歌を聞けば思い出すのはいつもカリグラのことだった、皇帝のようで神のようで時には子供のようだった彼のこと。世界全てを遊戯場としてすごろくをするように楽しむあの男のことだ。カリグラにとって世界は全てすごろくの盤のようであったのだろうか、帝とのことすらも遊戯のように過ごされていた気がする。
そして彼は宣言通り自分に宝物を見せてくれて時には捧げてくれた、ああその中には星々の石もあったことは記憶に新しい。そんな彼は今どこにいるのかは分からない、ただ……今もどこかで神々と遊戯してるようにも感じる。
「我が身、さえこそゆるがるれ……」貴方のことでしょうから少年の心も忘れず戯れてるのでしょう。
1/1ページ
