あなたが初恋でした

「だって兄ちゃん1人になる気だもん!、おれがいる!!!。たった2人の兄弟じゃん!」
「にわとりの弟を持った覚えはねえなぁ」そういう兄の顔は嬉しいとかそんなものでもなく、ただおれの言葉に呆れている。そんな感じだった…でもおれはうれしかった、兄といれることに。
兄が嫌でも、おれは嬉しかったし兄をその荒んだ世界から救いたいと心の底から思っていた。
そこから兄とおれの二人暮しが始まった、とは言っても兄貴はずっと部屋にいたりフラフラしてはなんか金を取ってきたり……。
「おら金だ、それでテキトーにどっかで食ってこい」
「…兄ちゃん、こんな金どこから」麻の袋いっぱいのゼニー。明らかに小さいサイヤ人が稼ぐような量じゃない…。いや確かに兄貴は当時6歳児にしては身長もからだもできてたけど。
「あ?、もらった」
「もっ、もらったの?」
「また喧嘩でもしたの」兄は前からスラム街に行っては荒稼ぎをしてた、そのせいでついたあだ名は歩く悪夢…こんな子供に負けてしまうサイヤ人や他の異星人たちの心の傷はかなりのものだろう。
「…わりぃか?、誰が最強か分からせてやったただけだ」戦闘服を乱雑においてアンダースーツだけの姿になる、兄の引きしまったからだと長い足がより見えておれはてれてしまう。
相変わらずうちの兄はかっこいい、乱暴な性格で誰よりも唯我独尊だがそれを正当な自信とさせる実力と功績がある。
どかっ、とソファに座り兄は目を瞑る。この様子…寝れなくて暴れたのだろう。生まれつきなのかおれが幼い頃から兄は不眠に悩まされていた。寝ても酷い時は10分いくかいかないか…、そのせいで不機嫌な時もあった。
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