あなたが初恋でした

兄をこのままにしちゃ行けない、ほんとうにはなれてしまう。会えなくなってしまう、そう思っておれは兄の手を強く握った。
「…はぁー、おい誰かこのバカ引き取れ」俺のせっかくの一人暮らしを邪魔すんな、と言われるがおれは意地でも離したくなかった。
「やだ!、兄ちゃん1人になるきだろ!?」
「養鶏場のにわとり共と暮らすのなんかごめんだ」
「カリグラ!、にわとりって…あたしたちの事かい!?」
「ああそうさ、その通り。素直で言うこと聞いて?、ポンコツだが多少才能のあるユリウスはてめえらに使いやすいだろ。俺は要らねえから回収おねがいするぜ」
「っっ!」
「かわいいよなー?、お前らに愛想良く振る舞うしよ。だが俺は違う、きさまたちとちがって俺は俺の力でしていく…葬式ご苦労さん。とっとと帰って、卵でも産んでろニワトリども」兄は当時、いわゆるワルガキだった。周りから恐れられ、避けられてきた結果だろうと思う(唯我独尊な性格もあいまって)。当時のおれはそんな兄と比べると素直な性格で、誰にでも人懐っこかったから大事にされていたのだと思う。
でもおれは、兄が自分で決めて行動する姿や自ら学びに行く姿勢などは羨ましかった。人に頼らず生きていくことに密かに憧れていたから。
「っ、言わせておけば…この化け物!?」化け物といった大人に兄は無音で近づき顎を蹴り上げて気絶させる。
「おいおい、俺は化け物じゃないぜ。人間様だ、カリグラ様…と呼べよ。他の奴らは帰れ、ユリウスてめえもついて行きてえヤツのとこにいけ」
「やだ!」
「あ"?、てめえ俺の言葉聞こえてたか??」
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