あなたが初恋でした

「にっ、兄ちゃんは?」そうおれが話しかけると、周りはざわつく。誰も彼も兄のことを心配してなかったようにおれはみえたからだ。それに兄と離れたくなかった、このままだと兄はひとりで本当にひとりぼっちになると思ったから。遠くに行きそうだと…。
今思うと、あの時からいやきっとおれが生まれた時から兄は誰からも恐れられていた。おれたち兄弟は通常のサイヤ人名と違う、おれのユリウスという名は…『神の使い』という意味があるらしい。
なんでそんなの付けたんだろ、と今も思うけど。兄の名前、カリグラは…『悪魔の子』だと。おれは兄の名前をずっとかっこいい、と思っていた。でも意味を知って、大人になるにつれて兄に相応しい名だと畏怖した。蠱惑的で、気高く咲く曼珠沙華のような魅力を持つ兄。だれにもふれらることのないような魔性の魅力を持つ姿。何よりも、どのような場でもどのような戦闘でも負けることを知らない底なしの戦闘力。兄は他のサイヤ人ととにかく違った、でもおれがしるなかで誰よりもサイヤ人の欲に従っていた。
「…俺は、この家にいる」
「兄ちゃんもっ、いこうよっとうさんとかあさんいないし」
「は?、俺より弱いやつの家なんかに行くかよ。」有り得ねえな、と鼻で笑い兄は嘲笑した。たしかにこのときの時点でも兄に勝てれる人は既に居ない。王様ですら、幼い兄の気迫に押されていたから。
「ほら、カリグラはそういってるからユリウスだけでも「おれも兄ちゃんといっしにいる! 」えっ」
「おれも!、兄ちゃんといる!!。兄ちゃんと住むの!」
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