あなたが初恋でした

「俺に話しかけるな、愚弟が」兄は幼い頃から自分にも他人にもきびしい男だ。
近所のものたちと狩りに行って、苦戦した大鷲のような鋭い瞳を持つ兄。いつも1人で、フラフラと出ては幼い頃様々なものを狩ったり勝手に奪ってきた宇宙船で他所の星に行ってはよく支配してきてた。上級戦士、と言われるほど強く両親より上の近衛隊隊長にも若くして抜擢された兄がおれは誇らしかったーー。黒く長い髪に、ギラギラと輝く瞳、形のいい唇に、整った顔立ち…遠目に見た王子や王よりも誰よりも王のようで気高い兄。
「兄ちゃん…っ」兄が6つでおれが4つ位の頃に、両親は死んだ。兄いわく、異星人の強盗によって殺されただろうと。葬式の時に見た両親の顔は誰なのが分からないほどに崩れていた、身体も……。
おれは吐きそうになったが、兄の顔は冷たくよく見る周りのことを冷酷に突き放す目だった。
兄の手を握ると、呆れたようにため息をつきこんかいだけだとそのままにしてくれた。
両親の知り合いだったものたちは、おれに話しかけてうちに来ないかいと言ってくれる。
「ユリウスもまだ幼い…だから…」
「おっ、おれは…」
「行きたければ勝手に行け」兄の方をちらりと見ると、壁にもたれ掛かり腕を組んで軽く目を伏せている。幼いながら兄のまつ毛の長さと形の良さに見惚れてた。
兄の周りには誰もいない、みんなはなれて兄カリグラのことをみている。無理もない、6歳にしてはしっかりとした体付きと顔立ちの良さ当時から兄は今のように整っていたし周りを狂わせる雰囲気を持っていたのだから。
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