テッセンの縛り5 微裏

それほどの恋愛、そして壮大な愛……かつての自分ならくだらないと吐き捨てただろう。
だが、今の自分は少しだがわかってしまう…好きな人のために尽くしたい気持ちと幸せに生きて欲しいという気持ち。なぜならカリグラに自分が愛慕の気持ちを抱いてしまったのだから。
こんなにも苦しくなったり、楽しくなったりする気持ちを2000年…そんな気持ち軽々と片せられるわけがない。
「……ラディッツ。」すっ、とカリグラの気の荒ぶりが静かに収まったことがわかった。同時に彼の優しい声が耳に聞こえてきて顔をあげる。
「お前、本当によく泣くな。…はぁ、そうだな……確かにそうだ。」2000年、それはとても長いものだなとカリグラは答えてくる。
「だが、俺は俺で元々ケリをつけるつもりでいたのも事実だ。あいつを見守りたい、という気持ちはある。」
「……ほらな。オレはお前のことが好きだか!?」グイッとまたあげられ、カリグラに口付けられたのだと認識できたのは数秒後だ。長めに重なったあと離れられ、ラディッツは何が起きたのだとあわあわしてしまう。
「話を聞け、でも同時にお前とこうしたいやりたいという気持ちもあるのだ。わかるか?。」
「えっ、は?」待て待てどういうことだ、それは…その言葉はダメだ。
「…こう言ってやる、お前に負けた。この俺が負けたのは、皇嵐の伯父によってくらいだぞ?。」カリグラが次の言葉を言おうとしてくる、ダメだ、それは今聞くと……もう持たない。
「っ待てっ、落ち着け」
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