テッセンの縛り5 微裏

「っっ」ドキリ、とすると同時にまた月下美人の花をはき出す。そんなことを簡単に言わないでくれ、下腹部が疼くしもしかしてという感情を彼に抱いてしまう。
「両想いなのかとかっ、勘違いしてしまうからやめろ!。二度とそういうことを言うな!!、きつい想いをするのは御免だ!」思わず怒りや感情の複雑さのあまり、自分から悪戯心からとは言ったはずの言葉で泣いてしまう。ボロボロと涙が出てきて、嗚呼もうきついのにこんなに心臓が騒がしくなり締め付けられる痛みが出るほど彼のことが好きでたまらないのだと認識してしまう。
ベッドから出よう、と動こうとするとカリグラから手を掴まれ抱きしめられた。彼の危険な香りが鼻に来てドキリとしてしまう。気のせいだろうか、少し不機嫌に感じてしまうのは。掴まれた側の腕が今やけどでもしたかのように痛い。
「おい、逃げるな。」普段の穏やかで低い声から一転、苛烈に燃え上がる火のような火傷でもしてしまうかのような荒々しく低い声になっている。
なんで、なんでそうなる。別にカリグラのことを貶した訳でもないのに。
「逃げてないっ、移動しようと!?」グイッと顎をつかまれ持ち上げられる。目線があってしまう。普段のカリグラとちがう、双眸違うはずの瞳が両目とも赤くなり自分を見てくる。
怒っているのか眉間にシワがよってて、恐いと思うが同時にああ今少し見えた彼の牙で噛まれてみたいと思う自分もいて末期だとかんじてしまう。そして目の色が綺麗だ、かつてみた赤い宝石のようだと。普段の目も好きだが、この目もいいなと思ってしまう。
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