テッセンの縛り5 微裏

「は……?」今こいつはなんと言ってきた、1度だけでいいのか??え?どういう事だと頭がぐるぐるする。
カリグラが?、自分に?キスを??1度だけでいいのか??って。
「…たった、一度だけでいいのか?。俺からの口吸いは。」赤い舌で己の花唇を舐めてカリグラはいう。そのやけに赤い舌がとても艶めかしく、色っぽく見えてラディッツは胸が騒がしくなる感じがした。
「なっなんで、そういうことをッッ」
「お前の願いを叶えてやろうと思ってなのだが、…一応言うが俺は誰も彼もの願いを叶えてやろうとは思わん。」
すっ、と自然にラディッの左手を取り手の甲に軽く口付けてくる。
その姿は舞踏会にて、男性の貴公子が女性のパートナーにかしづいてリードを促すような口付けのようにみえる。または騎士が王に対して、敬愛と忠誠の誓いを示すようなものにもーー。仮にも宇宙の皇帝になんてことをさせてるのか、と自分にも思うがまるで特別扱いされてお前だけは違うと言われているようで恥ずかしい気持ちが溢れてくる。
「その言葉…誤解を招くぞッ、まるでオレが特別なように…」ああ心臓がうるさい、またいつものカリグラのイタズラなのだと片したいのに彼の声と目が普段と違うように見えてしまう。
夢の中で見た、欲情し自分のことを激しくかき抱きたいと願う獣のような彼に見えてしまうのだ。
「特別…、特別か。それはそうだな、ラディッツ。そこは誤解しなくていいぞ、お前だけが特別だ。でなくば、一度だけでいいのかなどと俺は聞かない。」
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