テッセンの縛り4

「んっ」彼の頭を手に乗せて包み込むように優しく抱きしめた。ああ愛おしい、彼女の時とは少し違う感覚が現れる。
この自分の到底足元にも及ばないほどの歳しか生きてない男を愛らしいと愛いやつと思う感覚。このか弱い生き物をまもりたいと思う感覚と、無茶苦茶にして泣き顔を見たいという感覚。どちらとも己のものだ、いやはやだからこそ心というものは面倒なものであり面白い。
「なんなんだ、急に。」ぎゅっ、と着物の裾を握ってきてラディッツは言う。その様子が照れくさそうにしながらも自分の匂いや体温を感じようと近寄る姿が子猫のようで可愛いとおもう。
「ん?、ただ抱きしめたいだけではいけないか??。」
「ゥ、だからそういうことばはやめろっ。誤解してしまう…」けほっ、とまた花を吐いてしまう。紫のグラジオラスの花を。
「…素直に吐けるようになってきたな。」にこり、とカリグラは笑いさり気にとんでもないことを言うがラディッツにとってはそのえがおすら胸を高鳴らせ苦しんでしまうものの一つしかない。
ほんとにこのおとこはきけんだ、どんどん…どんどん深みに行くしかない。
「カリグラのっ、バカが…!」赤いバラの花までどんどん出していく。愛の告白のようで、ほんと恥ずかしい。
「バカか?、そのバカが好きなのはお前なのだろ。低俗なやり取りになるがな。」それとも、嫌か??。こうくっつかれてなとカリグラはまた意地悪なことを言ってくる。
嫌じゃない、むしろ嬉しい。でも、でも心がキュッときつくなる。
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