魔法の国のお話3(クロスオーバー)

「さっき話してた負の感情を増幅させて、ってやつか?。人間共は恐ろしいものを考えるもんだぜ」
「やったのは魔族だ、まぁ人間も似たようなものはあるが」
「…お前の世界、相変わらず物騒だな」
「ここも大概だろう」アスラーン……あれのオーバーブロットはとんでもないものであった、やつのブロットは世界中に広がり別世界にまで来そうなものだったからあの後処理が大変だったことは覚えている。
やはり始祖クラスに近くなればなるほど、被害というものは尋常ではなくなるのであろう。アスラーンは平凡ではない、むしろ非凡なあまり己の才覚を理解しておらず大変なこととなっている。ラディッツにある自己肯定感のなさとも似ており、アスラーンが捻くれればあのように…とカリグラは頭を抱えていた。
「ま、あの猫はそうなることはないんじゃないか?。おまえがいるのだから」
「であればいいがな、……アスラーンも果てには性格がひねくれたからな」
「少し純粋であったとは聞いたことあるぜ、マレウスに近しいような」
「そうだ……、だがあれの叔父シルバーの祖先によってな」変えられた、アスラーンはオルカと呼ばれ虐待を受けてあれの親である始祖が封印していた憎悪そして怨嗟を研ぎすまさせて言った。
ラディッツのように腹の底に抱えながらだが違ったのは、アスラーンはこの世界を滅ぼしてやると火に焚き木をくべながらふつふつ、ふつふつとさせていったのだ。
原初の魔法は願いから生まれるものだと言われた、または強い感情からできると。ゆえにアスラーンのは強かった、原初の願いから憎悪からできたのだから。膨大な感情の量、そして神の怒りたる叫び。この学園のオーバーブロットの全てを集めたようなものだった。
5/19ページ
スキ