魔法の国のお話3(クロスオーバー)

本当の名は別であるが、始祖からつけられた名前なんぞこの醜いものにもったいない。
始祖を封してからはこの甥を閉じ込めて痛めていたがやつは目覚めた、生成りとなりオーバーブロットと後に呼ばれる現象を起こした。
『オルカッッ!!!』
『っくくふふふ!、どーしました??。叔父上~!!!、醜いものに勝てねえんですかァァッッ!!!!!』ブロットは次から次へと充満していく人間たちには毒となり、蝕まれ腐っていく。
阿鼻叫喚とはこの事だと誰しもが思った、そして神の怒りとは恐ろしく人間はかなうこともないと。
叔父は顔面を半分壊され、半身も爛れた。そして遠くへと吹っ飛ばされていなくなった。国は…叔父の手だけではなく神の息子によってもう一度滅びたのだ。神の息子……アスラーンは歌う。今でも茨の国で伝わる歌を。
『ねーむれ、ねむれーや……』かつて自分が支配するはずだった大国…暁闇の国で、アスラーンという名はこの国で暁つまり夜明けというものを表す。
アスラーンは昼と夜、そして夕焼けを統治する王子だったのだ。
【弱いものをまもりなさい】親の教えの元に、だが滅ぼした。ファントムたちはアスラーンへと敬礼する。我らが王よ、と。廃墟と化した城の玉座へと座りアスラーンは夜明けを眺めた、だがその時世界を切り裂く雷鳴が鳴り響いた。
『お前、は……?』曇天を貫く雷と共に現れたのは曼珠沙華の色を持つ皇帝だ。
『アスラーン……やりおったな』
『カリグラ…カリグラカリグラカリグラァァァ!!!お前がっ!貴様がっっ!!!母上と共に居たらッ!』マグマのようにブロットが溢れるそれと共に人の死体がファントムとなり、カリグラへと襲い掛かる。
ガベルの音が鳴り響く、皇帝へと裁きを与えんと言うように。ブロット…人も妖精も喰らえば毒となるもの。
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