ドラゴンを拾ったラディッツの話1

カリグラの誕生日まで1ヶ月を切ろうとしていた、何をあげようかどうしようかと悩みながらも時というものは過ぎ行くもので日常という光景は日めくりのカレンダーのように過ぎていく。
ココ最近やけに母猫と子猫や親鳥と雛鳥の光景が目に映る。
「……(カリグラとオレに、もし子供ができたら──)」何を考えてるんだか、男なのにそんなことを思うなんぞ。頭が夏の暑さにでもやられたか?と思いラディッツはためいきをつく。
その話なんぞ、少し前にカリグラからできるが子供は苦手だと断られたではないか。付き合う前にカリグラが、子供は苦手だと話してくれたこともある。何故かと聞けば、純粋で穢れがない故に見ていて苛立つ時があると。
『…民にはその顔を隠してきたがな』皇帝カリグラ、そしてただのカリグラ…全く違うと彼は話してくれた。
皇帝としては民は守るものだ、導くものだという考えがある。だが彼本人は、人間は無価値。雑魚は淘汰されろ、という全くもって真逆な考えを持っていると話していた。
故に自分でもその二面性に悩む時もあるが、当人としても人間は良いものと悪いものがいるとわかっているとも。その話の延長線上で子供の話になり、苦手だと彼はいった。
『俺のラディッツ…来世の娘たちのことは別にいい。俺も愛おしい、と感じている。だが…子供というものはどうも苦手でな』苦笑を浮かべて彼は答えてくれた、自分があわよくばと彼の子供を持ってみたいというかんがえをわかられて。
猫ちゃんがそちらに意識がいってしまうと考えると嫉妬する、とも話してくれた。そんなわけない、と言ったが真実はわからんものだぞ?と。
「…だからか、参ったな色々目移りしちまう」いや男だからそもそも、というのもあるがカリグラの力なら可能だ。力を取り戻したからこそ尚のこと。
親鳥が子供へとごはんをあげて、愛おしげに子が食べる光景を見つめている。愛情深い光景にラディッツはまたため息をひとつはいた。
「……オレも、子供は苦手なのにな…」好きな人との、を考えると欲しくなるとはどういう脳みそをしてるのだか。

少したち、今回はひとりでTPをこなした。内容はこれまた摩訶不思議な、第10宇宙の愛を語る戦士の付き添いをして愛とは何かを学んでいくものだった。
あのベジータが子供を大切にしている、どんな三文芝居を見せられてるんだと思いながら見つめてラディッツは敵を倒しながら突き進む。あのベジータ相手になかなか戦えた、スーパーサイヤ人も倒してラディッツの機嫌は上々だ。
「カリグラのおかげで本当に強くなったな…!(いや、あんな地獄で鍛えられてるからそうだが…!!)」
『……舐めてんのか?、お前は』にこり、とあの美丈夫が微笑みをうかべ扱かれたことを思い出す。いつもHないたずらをしてくる触手たちが不気味な形となり襲いかかり、阿鼻叫喚の絵図になりながら半殺しされたことを。
おかげで何回死にかけたか分からない、気絶しても水をかけられて次と冷たく吐き捨てられて戦闘服が木っ端微塵になるほど蹴飛ばされる。ベジータたちの比ではない、本気で死ぬと思った。死の淵を何度も経験したせいか今のラディッツの戦闘力はかなりのものだ。

そんじゃそこらの敵では倒せれないほどに強くなったし、言葉通りの一流の戦士になってきた。
カリグラに報告をしよう!と帰っていくと、森の道で黒い卵を見つける。
「なんだこれは?」両腕で抱き抱えられそうな程に大きな卵、試しに突っ着いてみるが何も反応はない。
誰かが置いていった、オブジェだろうか?。ハロウィンはまだだぞ、と思いながら去ろうとすれば目を覆うほどの光が広がる。
「はっ!??、なっなんだ!」ビギィィ!!と鳴き声が聞こえて、目を擦りみてみれば…小さい小さい黒いドラゴンがでてきた。
キラキラとした黒い鱗……前見た、カリグラのドラゴン姿にも似ている。パタパタと羽をふるわせて自分に近づいてくる姿に心撃ち抜かれるが、この子は親がいない。
あたりを見回してもドラゴンなんぞいない、おまけに今日カリグラは用事があるからと彼の来世の月鬼を連れてどこかに行っている……どうしたものか。
家に連れ帰るか…?、そこで世話して
─俺は子供が苦手だ─
そう考えてもカリグラのあの発言がよぎる、彼がそんなことを言うなんて相当苦手だろう。親が迎えに来るかもしれない、ラディッツはグッと堪えてその場を去ろうと歩く。
「ピャー!」小さくぽてぽて歩いて、チビドラゴンは歩いてくる。時々石につまづいては親を追いかけるように走ってくる。
何回みてもやはり、どうしても違うとはわかってるがカリグラの小さいドラゴン姿に似ていて耐えれない。
「……っ、連れていこう……ひとりは寂しいだろ?」それだけじゃない、あの必死に走る姿に小さい頃の自分と重なるものがある。父親を追い掛け、頑張ってた頃の自分に。
ラディッツはごクリと固唾を飲み込み来い、と言って小さいドラゴンをだきあげた。
「…ピッ!」
「…本当に小さいな、お前そうだな……ちびと呼ぶか」小さいし、といえばちびはピッ!とまたないてうれしげにすりよってくる。
カリグラにはなんと言おう…、もしかしたらあまりいい顔をしないかもしれない。いやでもあいつもあいつで、悪魔とか怪獣とかと契約もしてたりするしいいかもしれない。
ああだが、カリグラからドラゴンは何を食べるかなど聞いたことがない。彼に無理してドラゴンになってもらった時も何かを食べる姿は…みてないし(強いて言うなら押し倒されて自分の血が飲まれた)。絶対にちびがたべるものではないことはわかる。
とりあえず帰りになにか参考になれるようなものを買い、カリグラへのお土産としてお酒でも買っていこう。
ラディッツは前にちびを抱き抱えて、歩き出した。
暖かい、小さい心臓の鼓動が聞こえてくる。とくんとくんとなる心臓にラディッツは落ち着きながらも、どこか暖かい気持ちが溢れる自分に戸惑いを覚えた。
「…オレが、産んだ訳でもないのに」この子を産んだような不思議な気持ちになり優しく抱きしめる。
もし、カリグラとの子供を産んだら……どんな姿で産まれてくるんだろうと。カリグラももとはサイヤ人だし、人の形だろうか?。それともドラゴンなのか。どちらにせよ愛おしいのにはかわりない。

この子の親が見つからなければ、終生この子を育ててもいいかもしれない。それこそ自分たちの子として。
なんて、カリグラにも未だ相談すらしていないのに考えながらショッピングマートへと入り買い物をしていく。ちびは抱きついたまま離れず小さくぱたぱと羽を動かしていた。
本を買ったあとはカリグラのお酒とこの子が食べれそうなお菓子を、と見ていると聞きなれた癒しの声が聞こえてきた。
「あれ?ラディッツさん??」一応、と赤ちゃん用のお菓子を見ていると間違いない。ああ、自分のオアシス──カリグラの来世のラディッツと皇嵐の娘ラディが声をかけてきた。
一気にこの空間が癒しとなる、彼女から香る春の香りが落ち着きちびドラゴンもおちついてかきゅい!とないてラディのほうへとよたよたとびすりついている。
「ラディ!、お前も買い物か??」
「はっはい。お母さんとみんなにケーキとか、お菓子を買いに……ッでこの子は?」
「おじいちゃん……と、ラディッツさんの子供?」
「ちっ違う…!、そっそのだな森で拾って……周りに親がいなくてっオレが迎えくるまで育てようと」
「なるほど、良かったねー君。ラディッツさんが拾ってくれて」こつんっ、と鼻と鼻をくっつけ合う癒しと癒し…ここはなんだ?。天国か??、とラディッツは拝んでしまう。
ああ、あんな地獄の王様なカリグラの来世から生まれたとは思えないあれの子供なんて。母親ができた女だからだろうが。
「そういえば、おじいちゃんは?」
「カリグラは月鬼…兄貴と出かけてると聞いたぞ。おい、あの嫌な奴は?」
「あっ、なんか言ってたな。…お父さんは、なんかタレの手伝いをするとか」ターレスとか、なるほどとラディッツは納得してほっとする。あれに見つかるとなんと言われるか分からない、それこそ
『お?浮気か??、おいジジイ!』とカリグラに伝えかねない。誤解をうみかねないし、あれは本当に性格が終わっているからなにをするかおそろしい。
考えただけでも背中がゾワゾワしてくる。
「それにしても君、人懐っこいねー」
「ぴゅい!きゅいきゅい!」ちびはラディに擦り寄りながら嬉しげに羽を動かしている、分かるぞとラディッツは頷いてしまう。
ラディはどこか落ち着く雰囲気がある、見ているだけでも癒されて体の力が抜けてしまう。神の血を持つものだからなのか、果はラディその娘の才能なのか。
「ラディッツさん、そういえばこの子に名前をつけたのですか?」
「いや……一応、そのちびとよんでてな」
「ちびちゃんかー、可愛いね」
「きゅきゅい!」ああ本当に癒しすぎる、ちびもラディに懐いてなのかペロリと頬を舐めたりとしてすり寄っている。
あの地獄の権化がいたら怖い、ちびを見てすぐ
『黒蜥蜴の丸焼きにしてやろうか…?』といいそうだ、カリグラが切れた時と同じくらいに怒り。
「よしちびちゃん、お姉さんと一緒にお菓子を見ようか?」そうしてるとラディがチビに話しかけて、一緒に見ようと肩に乗せて見始めていた。
ラディッツも一緒にと隣に行き、たまごボーロはお魚のせんべいなどを見ていく。
「意外と食べれるかもですね、歯が生えてるし」
「いつの間に見てるんだ!? 」慣れた手つきで口内を見るラディにラディッツは驚きながら言うと、妹のお世話をしていたしとラディは苦笑していた。
それに月鬼がよく幻獣を連れていたりもしていたからと。
「とは言っても少しですよ?、ほとんど月鬼さんがしてましたし」
「なっなるほどな…!兄貴がいたら話を聞きたかったが今日カリグラといるからなぁ」さすがカリグラの器であり来世の一人…幻獣などはお手の物なのだろう。月鬼だったら聞きやすかったが、あと分かってそうなのは…ラディの母親でありカリグラの初恋の人である女神皇嵐。
聞きたくない、絶対に。相手は元とはいえカリグラに愛された女、はっきり言ってラディッツにとってはカリグラに見られていた時点でライバル認定の存在だ。かなりいい人だ、人格者であり女神と呼ばれても遜色ない人。カリグラと並んでも違和感はないし、カリグラに相応しすぎる女だ。
きっと聞けばすぐに答えてくれるし、優しく話してくれるだろう。だが断る、己の心のためにも。
「あっ……おっ、お母さんはそもそも時の界王神と話してるから……」自分の表情に何かを察してくれたのかラディがそう言ってくれて正直落ち着く。ちびはラディッツの顔にぷにぷにとその前足をくっつけて慰めようとしてくれていた。
本当にできた娘だ、ラディならば子供がもしできてもいい子育てをしそうだ。その前の工程があるが、すまないが想像はしたくない。ラディが結婚したら泣く、絶対に。
「…ありがとうな、ちび」まずはチビのお菓子を用意しよう、そして帰って準備をしようではないか。
早速と色々買い足して、カリグラが好きなお酒も無事見つかりほっとして屋敷へと着いた。相も変わらず何回見ても驚いてしまう外観の広さ…カリグラ曰くこれでも小さくした方らしいが。王様というものは本当に大きいとこに住むのだなとぼんやりと能天気に思う。
「…戻ったぞ」ガチャり、と鍵を開けて入れば聞こえてくるはずの声が聞こえない。これはまた月鬼となにか言い合ってるか、道中で破壊神なり知人と出会い話し込んでるかもなとおもいラディッツはリビングへといき買い出したものたちを机に置き袋から出して冷蔵庫へと詰めていく。着替えはその後でいいだろうとやっていけばちびが肩に乗り甘えてきた。
「あっ、危ないぞ」
「キュー!」どこか嬉しそうになく子に思わず微笑んでしまうが、本当にこの子は何を食べるのだろうか?。
人間の赤ん坊だとミルクだが、ラディがもう歯が生えてると話していた。カリグラはそういえば肉食だし…、ササミとかいいだろうかと冷蔵庫の中身を見て思う。
ならば着替えた後にでも軽く調理して、ミルクと用意してあげようとおもいちびの頭を撫でた。
「少し待ってろよ」
「きゅ!」そういえばちびは返事を返してくれる、どうやらラディと話してた時にも思っていたことだがこの子は賢い。人間の言葉を理解しているし、感情も分かってくれている。
生まれたばかりなのに、もう知恵があるのか?と思うくらいだ。だが…ドラゴンとは神聖な生き物神として見られているものだから遺伝子からそのような情報が元から搭載されててもおかしくないのか。
自室へといき、彼との寝床であるベッドへとおろしてラディッツはラフな格好へと着替える。
着替える度に見えるのは腰の辺りの手形と噛まれたあと…、カリグラとの激しい情事の残り香だ。
「(あいつ、自分を取り戻してからより意地悪くなったからな…!)」噛んでくる回数も増えた、照れ隠しからやめてと言ってもカリグラは本音ではないだろと見ぬき噛み跡をつけていく。
強く噛む時もあれば、甘噛みして自分の甘い声を聞いて堪能までしてくる。
『もっと聞かせろ…ラディッツ』彼の艶で濡れた声がなんと甘く、とろけることか。カリグラの大きい身体も恋しくて、今は抱きつきたくてたまらない。
できることなら共に…このちびを愛でて育てたい。カリグラは過去のことから、子供が苦手だと話していた。でもこんなに自分のことを世話してくれて戦闘まで教えてくれて次世代のサイヤ人のてほんとなる男が、本当にいつくしめないのだろうか?。とある星の住人たちは我らが王と称え、尊敬してやまなかった。
誰よりも優しく慈悲深いと彼らは語っていた、…だからきっとカリグラはできるはずだ。
よし、と着替え終わりラディッツはちびを抱き抱える。
「…まずはお前の飯を用意しような」つんつんっ、とチビの頬を突っつくとカプカプと指を甘噛みしてくる。
その姿にくすくすと笑えば、チビの方もケラケラと楽しげに笑いラディッツに擦り寄った。
「きゅー!」
「ふふふっ!、飯が楽しみか??。ちゃんとお前が食べれそうなもので用意するからな?」ラディが固形物は食べれるのではないか、と言っていた。身体も小さいしささみを蒸して…小さくちぎってあげてもいいかもしれない。あとは人参とかブロッコリーを蒸してあげよう。
…カリグラが帰ってくるまでの間に、どう伝えようか考えようとラディッツは彼がくれたチョーカーに触れて決意をかためた。

キッチンに向かい、蒸し器で先程考えてた野菜や肉を蒸して少し冷ましたあと肉を解していく。
ブロッコリーや人参もちびの口に入るくらいのサイズへとカットしてお皿に盛り付けた。ふと、自分の母もこのように暖かくほわほわとした気持ちで自分たちの相手をしてくれていたのだろうかとおもう。
「…事実は分からないけどな」だが少なくとも、料理を作り自分たちが食べる姿を見ることが好きだったのは覚えている。優しく純粋だった母、それゆえに本音で彼女と語り合うことを自分は避けていた。
…彼女のようにはなれないが、少なくともこの家にいるあいだちびが少しでも楽しかったとおもえるようにはしたいとおもい丁寧にほぐしていく。
「ぷゅ!」肩に乗ったちびが解されたささみの肉や野菜を見て、楽しみそうに鳴く。ニコニコと笑い自分に甘える姿は小さい頃の自分もそうだが、もしカリグラとの間に子供が産まれたらこのような感じに甘えてくるのだろうか?と想像をふくらませてしまう。
黒く長いしっぽはラディッツの首に優しく絡みつき、その命の温もりを伝えてきてくれる。
確かにこのチビが生まれた、という証を……。
机へと持ってきて解したささみと蒸し野菜を和えたもの、そしてもうひとつの皿にミルクをたす。
「ほら、良かったら食べてみてくれ」差し出してみればちびはくんくんと匂いを嗅いでじっと自分を見てくる。
「?、どうしたのだ」
「……」試しにスプーンでミルクをすくってみても、ぷいっとそっぽを向かれてしまう。ならばと箸でささみと野菜を持っていってもなにかちがうといいたげによそをむく。
「嫌いなのか?、だが先程まで美味そうにみていたのに」どういうことなのだろうか、と考えてみても分からない。料理は先程の反応を見てた限り間違いは無いはず。
問題は食べさせ方、ということだろうか?。だが皿に出す以外に何があるだろうか。口移し…は違うし、それは正直やるならカリグラにがいい。待て……もしかして、とラディッツは試しに箸でつまんだものを手のひらに乗せて恐る恐るちびにちかづける。
「こういうことか?ちび」
「ぴゅ! 」くんくんと匂いを嗅ぎ、嬉しそうにないてパクパクとお肉を食べていく。野菜も匂いを嗅いで安全だとわかったからであろう嬉しげにはぐはぐと食べて行った。
もうひとつまみとあげればそれすらも食べて食べかすがのこった手のひらをぺろぺろと子猫のように舐めていく。
良かった!とラディッツはほっとしてあげていけば、ちびがととっと自分に軽やかに近づきすぽりと抱き抱える姿勢になるようにと座る。
ならば、と抱っこしてスプーンにのせたミルクを与えたらそちらも飲み始めてなるほどこうしたほうがよかったのかとなっとくした。
「……ちびは、オレから貰いたかったのか」なんだかその気持ちも嬉しい、やはり不思議なことに暖かい気持ちと次はこういうことをしてあげたいという気持ちが溢れてくる。
今の今まで無かったような…、強いていうなればラディたちに溢れた身内に対しての心のようなものが。
「兄貴がいたら聞けたのになぁ……」幻獣にも詳しくて、本当に自分の兄のような存在に。さすがにこういうことをナッパたちに話すのも違う、そもそもドラゴンなんぞ食べてみてもいいかもしれないとかいいそうな男たちだ。
悟空達にも違う、争いを起こした相手ではあるし正直ラディッツ自身未だ彼に抵抗感が強くある。親父に似てるともてはやされて、自分とは対極にいる存在。月鬼も強者というのではそうだが、彼は自分に寄り添いカリグラの生まれ変わりたる男だからか自分には優しい。
「きゅい?」そう考えてると、ちびが兄貴?と質問してきたかのようにないてきた。
「えっ、と兄貴…というのはオレの兄みたいなやつでな……優しい?頼れる男だな」伯父…といっていいのだろうか、ちびからして。本人から俺は伯父じゃねえと言われそうだが。
「…力も強いし、かっこいい男だ……一流の戦士だな」本職はあれでも呪術師と呼ばれるものらしいが、普通に戦闘も強い。カリグラと似た戦闘スタイルで先手必勝、初めて月鬼と出会った時そのスラリとした姿勢に調子に乗ってたたかいを挑んだ時のことを覚えている。
あっさり負けた、己がカカロットにした鳩尾に蹴りを入れるような感じに来て足を引っ掛けられてコケて負けた。冷たく、かつてカリグラと出会った時よりもさらに冷たい氷柱のような目線で見下ろしてきていた。
『俺に勝てれると思ってんのかぁ?クソガキが』…今思えば無謀だった、相手はカリグラの生まれ変わりにして魔王の顔を持つもの。例え月鬼が片手1本で攻撃しても勝てれるわけが無い。
百戦錬磨の男であり、闇の眷族を支配する王者。勝てれるわけがない、手を出せれるわけがなかった。
「きゅ!!」すごい!!、とチビから言われてる気がしてそうだなとうなずく。カリグラと似た兄貴分の男、この世界のものたちですら彼に恐れをなしている。無謀にも挑むのはベジータや悟空達くらいであろうか、たまに彼らのことが面倒だとなって亜空間にひきこもったりもしているらしい。
残りのご飯を集めてミルクもあげるとちびは小さくないて欠伸をしてそのまま腕の中で寝た。このまま少し寝かせてあげよう…、とおもいラディッツはふわふわのバスタオルをかけて優しくとん…とん……と小さく背中を軽くたたいてあげる。
「…沢山寝て、たべて大きくなるんだぞ」ぷるる…と小さく寝息を吐く姿は可愛らしくてたまらない。銀色の角もカリグラのものみたいで、見ていて愛おしくもなり彼のことが恋しくなってしまう。
早くカリグラ帰ってこないかな……、とぼんやり考える。
「あ、あいつにもちゃんと話さないと…(兄貴に相談したいけどいないからな)」他のものたちにでも話すか?、いやだがとりあえずつたえてみないとわからないし。
すよすヨと眠るちびをみながら、ラディッツはカリグラにどう伝えようと悩む。ああこういうとき、カリグラの器であるラディッツことにきが羨ましくなる。さらさらと詭弁上等でそれらしい言葉がでてくるし!。
うーーん、うーーんととにかくなやむ。カリグラには真摯に向き合わないと伝わらない、なんなら相当冷たい目で見られて拒否されることも有り得るだろう。
すんっと真顔になって冷たく見下ろされることも有り得る、普段ならいい顔見れた!と嬉しくなるが今回はちびの命も関わってるから冗談では済ませれない。
「とっ、とにかく何度でも頼む「頼む、とは誰にだ?。猫ちゃん」ぎゃああ!!!??」
「…おい、人を貞子みたいな目で見るな」後ろからカリグラがずっと影から現れて吸血鬼ヨロシクのような迫り方で来られる。
ラディッツは思わず叫んでしまい、ちびを抱きしめながらも震えて見つめた。
「かっ、かかかカリグラ!!?。おまえっ連絡!」
「…連絡のできる板にはとっくにしたぞー」えっ、とそういえばスマホを確認してない!と開いてみれば確かにカリグラからあった。
おまけに月鬼からも、『じじいのやろう返す』と一言来ていた。考えることに集中して確認することを怠るとは。
「すっ、すまん…!」
「ところで猫ちゃん…、その抱えてるのはドラゴンか?。かなり希少なものを抱えてるな」そう言われてチビのことを見つめて、ラディッツは不安げに眉を寄せて話を聞いて欲しいと頼み先程までのことを話す。
カリグラはやはり話はちゃんと聞いてくれた、なんなら起こすかもしれないと気遣い隣に来てぽつぽつとはなす自分の言葉に耳を傾けてくれる。ただ、拾ってきたことには少し驚いていたがなにかの災害に巻き込まれたものではないかとも意見を伝えてくれた。
「ドラゴンの卵なんぞそうそう見つかるものではない…、ましてやここは時の界王神の空間だ。…やつのところが空くということは時空関係かと思うが」
「そっ、相当な災害ということか?」
「そうだな、神が起こしたものかもしれないな。……それで、話とは?。あらかた予想つくが」
「…っ、こっこの子のことを親が見つかるまででもいい!。…育てたいんだっ、カリグラがっ子供のこと苦手なのはわかる…っ!。でもっ」
「…はぁぁー……、さすが猫ちゃんかとおもうが俺は子供が苦手だ。…ドラゴンは、それは確かに育てたというか世話した者はいるが」
「…っ、ダメ、か?。頼む…っ!見つかるまでだからっ!!」
「………」カリグラの顔は初めて見るほどに嫌そうだ、あきれたといいたげな荒んでいて冷たくトゲが沢山ついてる氷柱のような鋭さがある。
この空間はカリグラが作ったものだ、自分たちだけで住もうと昔に。ラディッツのなかではカリグラが家主だからこそ確認しないといけないというきもちがある。
自分のであれば、躊躇いなくチビのことを育てただろう。でもカリグラと自分の空間だからこそ、主である彼に。

「…そっ、その、嫌でもっ頼みたい…!!」
「…俺の私物には触らせない、お前がきっちり見るならの条件付きだ。親が見つかるまでだぞ……はぁ…お前に頼まれたら俺は何も言えん」
「っ!!、感謝する!カリグラ!!!。この子、お前と似た角生えてるし鱗も黒だから似てると思って…!」
「は??誰にだ」
「カリグラに!」
「……お前、角しか見てないだろ?。俺はこんなに小さくないぞ」着替えてくる、と言ってカリグラは立ち上がりラディッツにマントを外して渡した。
「夏とはいえ身体が冷える、お前もきっちり羽織っておけ」ちゅっ、と頬に口付けられてラディッツはみるみるうちに顔を赤くしていく。
こういうことをサラリとするからあの男は心臓に悪い!。ちびがいる間は抑えてもらわないと己の気が持たないし、ちびの前でもれなくキュン死して何回三途の川見ることになるか。
「…カリグラの歩くえろ…!」理不尽だろ?、と言われそうだがラディッツはちゃっかしマントをはおりつつチビのことを抱きしめた。

廊下を歩きながら、カリグラはあのちびと呼ばれたドラゴンからかすかに感じる残滓に苛立ちを覚えていた。
間違いない、間違えるわけがなかろう。黒く淀んだ死の匂い、死へと誘惑する濡鴉色を。2000年前から微かに感じていた、ちりっと感じて支配していた星に無惨な死体と共にあった死人花のような気配。
『……これは…』触れれば初めて指が痺れたことも覚えている、瞬時に払ったが。誰も彼も気づかなかった、知ろうともしなかった。だが己だけはわかった、…全王よりも厄介で純粋悪。
混沌たる始祖よりも無邪気に破壊を好み、破滅を呼び生を堪能する存在。なんとかラディッツのことをごまかせた、あの子はどうやらドラゴンのことに夢中で気づいてなかったようだ。
「……俺のものだ」二つに分けられた時の魔王の顔を持つのとはちがう、どこで存在したか?。どこでわかれたかは薄々わかる、サイヤ人として生きて破壊衝動と世界への恨みに取り込まれた存在。自分とは違う道で人をやめて、世界を闊歩する存在。
時の界王神にも話していない、誰にも話したことがない……もう1人の自分だ。パラレルワールドとも言っていいかもしれんが、かなり厄介な男の気配があのドラゴンについていた。
残滓を消さなくてはラディッツにもいやこの世界にすら近づくと思い消したが、一体どこにいる?。
「……(黒王たちより厄介だ、全王ならば消しても構わないがあれは……分からん存在は把握できるがな)」自分だからこその厄介さ、己が統治した世界時空でも無い彼自身が作ったところで休んでそうだ。
カリグラは苛立ちのあまり壁を殴り、軽く穴を開けてしまう。
「…入ってきたら消すのみだ」見つけた時には覚えてろよ、と口の端から黒い炎を出して虚空を睨みつけた。

ラディッツはそんなカリグラの悩みも露知らず月鬼へと返事をして、連絡をとっていた。
「…兄貴にちびのこと聞いてみるか」何を食べるか、どう遊んだらいいかなどと…カリグラが着替えてる間に育児本などを速読でみたりしたがやはり幻獣を育てた経験者に聞いた方が早いだろうとメッセージを送る。
『兄貴、ドラゴンを拾ったのだが何なら食べるんだ?』
メッセージとともにチビの写真も送り、月鬼に送ると即既読が着いて返事も来た。
『どこで拾いやがった、そんな物騒なもん』
『…コントン都歩いていたら、森のところで』
『なるほどな、そいつなら解した肉ならなんだって食う
ただ歯を鍛えるためにも骨つきのやつとかやっとけ、あまり味は濃くするな』ちゃんと交流して時々頭を撫でてやったり、ふれあえよと月鬼からきてさすが兄貴!とラディッツは嬉しくなりしっぽを振る。
カリグラに聞いてもいいが…かなり嫌そうだったしな、とラディッツは思いつつ質問をしていくと月鬼からひとつメッセージがくる。
『ジジイは?あいつの方がドラゴンとは交流深いはずだ』
『カリグラは、兄貴が一番分かると思うがちょっと子供のドラゴン嫌そうで…』
『なるほどな、ジジイは確かに嫌かもな
何かあればまた送れよ』
「やはり分かるのか…」1つ息を吐き、背もたれにもたれかかる。子供が苦手…己が思う以上にラディッツはカリグラがかなり苦手意識を持っていそうで寂しいような虚しいような気持ちが出てくる。
なぜそうなったか、過去のことは詳しく聞けていない。ナエもあまり話したがらなかったから。時の界王神や老界王神たちも、あまり詳しいことは言ってくれず『カリグラの性格が悪いだけ』としか教えてくれなかった。
自分も苦手だ、だがその理由はあまり子供時代大人に甘えて来れなかったからというものがある。あと普通に、悟空の子供にしてやられたこともあるが。
カリグラのはそれとは違う…、自分は見逃さなかった。カリグラが一瞬表情も何もかもをなくし、空虚な深淵のような瞳でこちらを見てきていたことを。
そこからよく普段の顔に変えれるな、と正直一瞬恐ろしくなった。自分の知らないカリグラがあの瞬間居たのだと思い知らされて。
「(カリグラって、一応甥っ子とかいたんだよな?。オレたちの先祖が実弟と話してたし)」あくまでカリグラがいた時空で、らしいが…その時はどうしてたのだろう。おそらく優しい顔を見せて接していたのかとおもうが。
我がままをいえばここでカリグラが、少しでも苦手意識を子供から減らしてくれたら……いや減らしたら待てよ?。より子供の初恋かっさらっていかないかと能天気なことを考えてしまう。
それはそれで話が変わってくる!、とラディッツは考えながらも子育ての本を読んでるとカリグラが戻ってきた。
いつもの黒色の彼岸花があしらわれた和服を着て、相変わらず美人だなと思い眺めてると隣に腰掛けてきた。
「…勉強熱心だな」
「一応、命を預かるからな!。それに…やれることはしてあげたいのだ」
「己より弱い命が来たからか」
「生まれたてだからそうだろ?」ふっ、と彼は優しく微笑むがやはり冷たい。なんだろ……、カリグラと接してるはずなのにそうではないような。
「やっ、やはり怒ってるか…?」子供を預かったり、彼のテリトリーに勝手に入れたりして。正直、カリグラがラディたちや身内の子供のようなものと接してて大丈夫じゃないかと甘えていたところはある。
…いや、よく見ればカカロットやベジータの子供には冷たく吐き捨てたり丁寧ながらも圧倒的雰囲気で近づくなとしていたから本当に無理なのか。
「…多少な、お前が世話するならばそれでいい。だがドラゴンにはすり込みのようなものもある、お前が母親だと認識してかなり甘えてくれるかもしれんぞ?」そう話しているとちびが起きて、じっとカリグラのことを見つめてる。
カリグラの方は一瞬起きやがってのような顔をしていたが、にこりと微笑み見つめているとちびはパタパタと小さい羽で飛んでカリグラの肩にのった(正直羨ましい…!)。
「(カリグラのにのるなんて!)」
「ぷゅ!!!」
「…俺は、お父さんではない。おまえも角で判断したか…!」
「えっ、まて!。カリグラ、チビの言葉わかるのか!?」
「ああ、一応ドラゴンを育てたことはある。…それに俺が契約したのは原初の魔神、いわばこいつらを産んだ始祖のような存在だ。他にも幾つかいるしな、自ずとわかるようにもなるさ」
「…お前は分からないか、そういえば」ならば、とカリグラは人差し指をラディッツの額に指して何かを注ぎ込む。
えっ、とチビの方を見るとまた鳴いたが言葉が聞こえてきた。
「ぴゅい!ぴゅい!!(お母さん!この人、お父さんだよね!?)」
「!!???」先程までパッションというか、感覚で受け取っていたのにはっきりとチビの話し声がきこえてくる。
「えっ、えっと、そうだな!。親父だ!!」
「違うわッッ!!!!、…はぁー猫ちゃんが育て親だとはわかるが…俺はあれだこの家の主だ」
「きゅ!(お父さん!)」
「話聞いてるか??、親父ではない」
「かっ、カリグラ。とりあえず、な??」カリグラの雰囲気が明らかに怒っているのはわかる、それこそ悟空に『兄ちゃん!』と呼ばれまとわりつかれていた時のように。
でも……渋々相手をしてくれているのか、チビのことを追い払うことはせず相手をしてくれている。
「ぷい!きゅー!ぎゅー!!(お母さん!お父さんー!)」
「……もう刷り込みされてるな、俺のは明らかにつのだろ」
「…たったしかに、カリグラとちびの似てるから…」頭上に生える2本の角、ちびも2本でカリグラのより色が明るいように見える。
おまけに黒い鱗は、カリグラのドラゴンになった時の色とそっくりだ。カリグラの方が黒くはあるがこのドラゴンが強く父親と思うような素材は多くあるだろう。
始祖と契約したならば、ドラゴンが受け取る気の気配のようなものも似ているだろうし。
「おりなさい、おいっ頬を舐めるな」ちびは本当に父親と思ってか自分にしてたように、カリグラの頬をぺろぺろと舐めたりしている。
下ろされそうになっても抱っこと思ってか腕にしがみついたりと甘えたがり攻撃だ。
「……」思わずラディッツはスマホで撮影しながら、オレもやりたい!と心の中で叫ぶ。もちろんカリグラに甘えるがわで。光景は可愛いが、恋人の心も甘えたいと出てしまう。
カリグラから撮影をするな!と怒られるが、いやこんなレアな光景は撮らずにはいられない。
なんならば興奮のあまり、いちばん送ってはならないであろう相手…カリグラの来世のラディッツ、ニキと月鬼にまで送ってしまった。
『おい弱みをもっとおくれ』と返信が即来るあたり本当にいい性格をしている。
「絶ッ対!お前!!、今俺のラディッツと若造に送っただろ!?。即刻消せ!」
「カリグラ可愛い…」
「よぉぉし!熱で頭をやられてるな!!、頭冷やしてこい!」月鬼からは爆笑のメッセージが送られてくる、ざまぁねぇなぁ!!!とげらげらと。
途中からカリグラはちびが諦め知らずと分かり渋々と腕に絡ませたまま、本を読み始めた。
「猫ちゃんその連絡のできる板を渡せ、消す」
「ヤダ」ホーム画面とロック画面にも設定したし、カリグラのことだ消す気満々なのはわかる。
渡せ、と低く言われるがそれにぞくりとしてしまうがやだ!とラディッツは断固としての姿勢を崩さず言う。
「渡せ、と申してるだろ?」
「カリグラ消す気だろ!?、これは!オレの!!」 途端カリグラから口付けられて、じっと離されると同時にそのギラギラとした赤い瞳から見られてラディッツは震える。
「…渡せ、猫ちゃん」無理やり撮ればいいものを彼は自分のことやちびのことを考えて渡させようとしてくれる。
でも渡さない、とギュッとスマホを握りしめながらラディッツはちびの前だぞっという。
「こどものまえでっやめろっっ」
「かるくだからなあくまで」頬を少し膨らませつつラディッツもラディッツでカリグラに甘えようとぴとりとくっつけば、優しく頭を撫でられる。
ちびも仲のいい光景に嬉しげに羽を震わせて二人の間に入ってきた。
「ぎゅ!ぎゅー!!(家族!仲良しー!!)」
「……そうだな」
「…ほんと、可愛いなぁ(カリグラもなんだかんだちびのこと優しくしてくれている)」

少し庭を歩こうとカリグラはあのまま自分にマントをかけてくれて、チビ用にと小さい毛布を渡してくれてそれで包んだ。
夜の帳がおりて、あたりは真っ暗で星や月の光を頼りに庭を歩く。
ゆららさららと風が吹き、花々が揺れて香りを運んでいた。
「きゅいきゅぅ!(ここ綺麗!)」
「そうだよな!カリグラの庭園だぞ」
「…やはり夜の方が涼しいな」自分の肩を抱いてカリグラはゆっくり歩いてくれる、彼の横顔を見ると本当に整っているなと見とれてしまう。
彼の左目の赤い瞳がキラキラと輝いて見えて眩い星のようだ、ちびも彼の瞳に見とれてジィと見つめている。
「なんだ、そろいもそろって俺のことを見て…」
「えっ、いや、そのっ……綺麗、だなと」
「ぎゅ!きゅい!!(お父さん!かっこいい!!)」自分の中で嬉しく鳴くちびがかわいい、ラディッツはちびのことも撫でながら抱きしめる。
「きゅー!(お母さん好きー!)」
「!オレも…!!」可愛い、鱗が冷たくて気持ちいいが密やかに奥にあるあたたかさが心地よくて優しい気持ちが溢れてくる。
「がぅ!きゅぃきゅい!(お父さん!ドラゴンならないの?)」
「俺が?なんだ見たいと??」
「!、そうだカリグラ。ここなら広いしなれるだろ?? 」それにこの庭はカリグラの空間を作る能力からできたものだ、彼のドラゴン姿はかなり大きい。ここならばなれるし、ちびも思う存分遊べるのではないだろうか。
自分も久しぶりに見てみたいし、ちびがよろこぶならとおもう。二人でキラキラした目でみてカリグラをなやませたのか、ため息をついて彼は仕方ないなとつぶやく。
「…すこしだけだぞ、時の界王神たちには内緒にしろ」黒い茨が彼を包み込み少しした突風と黒い光がさしてきて彼のドラゴン姿が現れる。
空をおおうほどにでかく、庭ギリギリなほどのサイズ感……立派な2本の角に反転目の瞳は赤色。夜空の光を宿したような黒龍の鱗だ、ちびはキラキラとした尊敬の瞳でカリグラをみて頑張って彼の鼻の高さまで飛びちゅんっとくっつけあう。
「ぎゃう!ぎゃうぎゃう!!(お父さん!かっこいい!!)」
「…飛び方がなってないぞ、教えてやる」頭にちびを乗せて、カリグラはラディッツのことも軽くくわえてのせる。
「えっ」
「ちびのこと、抱えてろよしっかりと」手本だ、とカリグラは言うとその大きな翼をゆっくりと動かして一気に天高く舞い上がる。
あの大きな屋敷があっさりと小さくミニチュアのように見えてくる。ちびは驚いたかのように口を開きっぱで空を見つめた。雲を切り裂き、あっさりと上空にあがりカリグラは飛んでいく。
彼の鬣からはあの花々の香りがしてきて心地いい、ラディッツは久しぶりに乗った彼のドラゴンの姿に惚れ惚れとしながらも星空を眺めて綺麗だとつぶやいた。
「…こんな高さまで来れるのだな」
「まぁな、ちびのは必死に翼を動かしすぎだ。もう少し膜を風にのせろ、でなくば疲れておちるぞ」
「きゅい!(わかった!)」すぽんっとちびはラディッツの腕から抜けてカリグラの隣で真似するように翼を動かす。
ラディッツは心配そうに見つめながらもなんだかんだ相手をして、ちびが落ちないようにと教えるカリグラにドキドキした。この姿だとよりちびがカリグラと自分の子供のように思えてしまい、彼が父親だと思ってしまうから。
曲がるぞ、といいながら方向転換や急上昇など飛ぶことに大事なことを彼はチビに教えていく。
ラディッツはそれに彼だからこそできることだな、と眺めながら出来ない自分にモヤモヤを感じつつペトリと体をカリグラの頭に預ける。
「…カリグラ、好きだぞ。一緒に育ててくれて感謝する」どうせ突風の中自分の声は消えるだろうと思いつつ。
「…あまり理性をゆらがせること言うな、抱きたくなる」
「!?(聞こえてたのかッ)」

どうやら聞こえていたようでカリグラのため息とともにその言葉が聞こえてきて、ラディッツは顔を赤くしつつ彼の渡してくれたマントで覆う。
こんな恥ずかしい言葉が聞こえていたなんてっ、と思うがカリグラはやれやれといいたげに見てきていた。
「…このまま少し飛んだら戻るぞ、ちびと猫ちゃん」
「っ、ありがとう…カリグラ」
「ぷゅい!(ありがとうお父さん!)」燦々と流れる流星と共に屋敷へと戻れば、カリグラはすぐに姿を人型に戻して飛び疲れたちびを抱き抱える。
ちびのほうは彼の体温に落ち着いてなのか、ウトウトとして寝始めて渡された毛布に包んでも気付かずぎゅっと抱きしめていた。
「寝ちゃったな」
「…飛び慣れていないからだろう、……はぁぁ少し疲れたな」
「ありがとう…カリグラっ、この子の父親代わりになってくれて」
「…お前が望むからだ、ちびを寝かしたら共に「ちょっとちびを寝かしてくる!先に風呂には入っててくれ!!」……(早速俺はあとか)」ラディッツのことを抱きしめようとした手が虚空をかいてしまい、カリグラはまたため息をついた。
「…報われにくいなぁ、これだからガキは嫌いなんだ」虚しい彼の心からの声はラディッツに聞こえることなく空へと吸われていく。
もう1人の自分の1件もある、その事で心が落ち着かないからで空を飛んだりして気を紛らわせていた。寂しいがひとりで風呂でも入るか、とカリグラもカリグラでひとりで向かっていった。
結局ラディッツが風呂場に来たのはそれなりに時間が経ってからだ、堪えきれずすぐにラディッツが来てからその唇を奪い堪能してからヤろうとすればチビがいるからっと恥ずかしがられる。
言いたいことはわかるが、しびれを切らしてる自分にはそれすらも苛立ちにしかならず首を噛んだりとしていた。
「痛いっ…!カリグラっ」
「……」言われてもナカに指を突っ込みおかせば、ラディッツは瞬時にスイッチが入って締め付けて沢山果てる。
乳首もこれでもかとはれて、なめればラディッツはビクビクっと反応していた。
「かりぐりゃっ…っ♡やりたくなってしまうっからぁ…っえ??」
「ここまでだ……我慢、すればいいのだろ?。俺もすこしやりすぎた」流せばラディッツもあっさり抱かれてくれそうな流れ、でもそんなに言うならドロドロに溶かしてからがいい。
カリグラは最後までせず、風呂場からでてちゃんと浸かってこいよとラディッツを気遣った。
なぜどうして、とラディッツが見てくるがピシャリと扉を閉める。
「……どうせならば、じわじわとたまらせてあいつをぐちゃぐちゃに犯せる大義名分を得てからがよかろう」気遣いのようでいて最悪な理由だ、ラディッツがあのまま抱かれても後々に病んでしまう。
ならばあのちびを戻してから、ラディッツもほっとしたところついて何日も犯した方がやれるしラディッツの血も快楽によって甘くなる。
…それにもう1人の自分のことも少し調べておきたい、くくくっと悪く笑いカリグラは口元に笑みを浮かべた。
「俺を我慢させるのだからなぁ…きっちり対価を貰わなくては」ああ、あの愚かな恋人のラディッツが身悶える姿が楽しみだ。
術で髪を乾かし、身体のまとわりつく水滴を魔の手たちにタオルで拭かせて襦袢を着て浴衣をまとっていく。ラディッツの戸惑う姿がくもりガラスごしにみえたのでもう一度と開いた。
「…色々と終わってから楽しみにしてろよ?、ラディッツ」
「~~っ!!?、カリグラの!意地悪っっ!!!! 」背中を向けて密かにラディッツに向けて、とべぇと赤い舌を出して焦らしてくれたお前が悪いとつぶやいて扉を閉める。
そもそも自分は事前に子供が苦手だとも話していたし、落ち着いてから子供を作りたいとも話した。
そんな中ラディッツが連れてきたものだから、このツケは高くつくだけ。毎日毎日ヤッてる仲のとこなのに。ああよくこんな最低なヤツが王を皇帝をやれたなと思われるだろう。そんなの顔を作ればできるし、お生憎様すきなもののためなら命すら投げ出せる男なのだから当然だ。
矛盾した考えも両立出来る余裕があるからこそのこと。それはそれ、これはこれでラディッツにはもちろん軽くいたずらをしただけだ。
結局寝室に行けば寂しがり屋のラディッツ用にと渡していたクッションに先程の毛布をかけてベッドの隣、簡易的な揺籃にあのチビが寝ている。
自分たちの寝室に…とおもうが、多少の嫌がらせでも気も晴れたから今回は許してやろうとカリグラはためいきをつく。
「……ホント、俺の業も深い」こんなにラディッツのことを沢山愛してるのに、子供や邪魔が来るとかなり余裕が削れる時があるのだから。
最低な親のようにはなりたくないから、あの子供相手には皇帝の方で接した方がいいだろう。
己の横にぼんやりとした灯りを灯して空間からついでにと買った刀剣の雑誌を開きカリグラはぷんぷんと怒っているラディッツが戻るのを読みながら待った。
寝る前にとちびについて話したりした、カリグラにチビ用に肉を分けて欲しいと言われて許可を貰ったりもした。そしたらカリグラから構わない、と言われて嬉しかったが代わりにと自分からキスをしてくれとねだられて軽く啄むようにたくさんキスを寝る前にしあった。
普段なら手を出されるところを出されないから、戸惑いもあったがカリグラの意地悪い瞳が後で覚えてろよと伝えてきていてゾクゾクして甘い痺れを身体に走らせている。
一緒に寝て、朝起きてみればちびが自分の腕の中にいてかわいく鳴いて甘えてきていた。
「おはよう、ちび」
「ぎゃう!(おはよう!)」自分の頬に擦り寄りひと通り甘えたあと、カリグラにも同じように擦り寄る。
一度擦り寄らせたあと、カリグラは離して頭を撫でてラディッツといっしょに顔を洗ってこいと誘導していた。昨日よりどこかちびに優しく柔らかいような気がする。

なんだか昨日とはどこか違くて戸惑うが、ちびも嬉しそうだしまぁいいかとラディッツはおもい洗面所に顔を洗いに行く。
洗い終えて着替えたあとは朝食の用意だ、2人とちびの分。テキパキと作っていく、カリグラが下準備をしてくれているから自分とカリグラの分は和食にした。
ちびにはもちろんいい肉を、今回は豚にしようと豚バラ肉を焼いて少し塩で味付けして薄く切る。あとは昨日と同じように野菜と和えた。
「きゅッ!きゅ!!」
「少し待っててくれ、ここは危ないぞ?」ちびがまたパタパタと飛んできて足元にすり寄ってくる。
心做しか飛び方も以前より安定しているように思うが、全く離れようともしない。
「ぷゅ!(やだ!)」
「ちび、お前が怪我しないためにだぞ?」
「きゅうきゅう(僕、お母さん好きだから離れたくない)」素直な心とうるうるした瞳にうちぬかれるが……でも万が一もある、いくらキッチンにたつの慣れてるとはいえちびになにか起きたらと思うと胸が締め付けられる。
カリグラがいたら…、と思うがまだ来ていない。少し休んでるのかもしれない。どうしようと困っていると、カリグラがやっと来てくれた。
「猫ちゃん?どうしたのだ、そんなに困った顔をして」
「…あっ、カリグラ。そのっチビが危ないからみていてくれないか?」
「なんだ、猫ちゃんのいうことをきいていなかったのか?。」
「きゅー……」しょぼんとしながらカリグラのことをちびが見ていると仕方ないといいたげにちびのことを抱っこする。
「猫ちゃんは俺たちのために食事を用意してくれている、その間は少し離れて見守ろうか……?」
「……撮っちゃった」思わずラディッツはスマホをとりまたこの光景を撮影してしまう。カリグラからはまた呆れたように見られる。
だって父親なカリグラなんてそうそう見られるものでもないし、レア過ぎて保存しておきたいのだから。
「大うつけが、お前は手を洗って準備をしておけ」
「わっ、分かってるぞ!」背中を向けて盛りつけをしていくがカリグラとちびの話してる声が聞こえてきて、もっとあの光景を見たいのに!と耳をすます。
「またドラゴンに?、それはあとだ。あと」
「ぎゅい!ぎゅいぎゅい!(うん!お父さんの姿かっこいいもん!)」
「(オレもカリグラのまたみたい!)」
「おいっ、頬を舐めるなっ。俺のは飯ではないぞ!!」
「ぷゅー!(お父さんもすきー!)」
「……カリグラって結構好かれやすい性質なのか?」女にも男にもモテてはいるが、なんだろう時々末っ子気質というか弟気質なもの達にも好かれている気がする。
性格はかなり悪いとおもうが…表向きは穏やかで紳士的な男だからであろうか。いや、身内のものに世話焼きなとこあるしその世話焼き気質を見抜かれてなのか。
ちびもちびで結構人懐っこいところがある、そして可愛げもあるからこそ素直に甘えてるのかも。
ご飯ができて、カリグラとチビにできたぞと伝える。ちびを抱っこして彼も来て、魔の手に運ばせた。
「ありがとうカリグラ、みてくれて」ちびを受けとり感謝を述べると少し彼はためいきをつく。
「…ほんに、かなり元気な子だな」
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