魔法の国の話(クロスオーバー)2

アスラはそう呟きながら、セベクとともに歩く。すると、どこか懐かしくもおぞましい気配をひとつ感じた。
アスラはそれにびくりと反応して、共有部のドアノブから手を離す。
「……Uターンすっか」
「どうされました??アスラ様」
「…なにか、ありましたか。セベク、代わりに「開けなくていい」!?」
「……あの野郎、きやがったか」
「あの野郎…?」
「……いや、いい。セベク、一緒にかえ「これはこれは…皇太子殿下、お久しゅう」地獄の君……嫌味かな?」セベクが代わりにと開けようとしたところ、扉が開き後ろから黒い影が差し迫る。アスラはそれに盛大な溜息をつき、逃げれなかったとぼやいた。
忘れもしない、この男我が亡くなりし親とも知り合いにして契約もしてた男。原初魔神だけではなくこの世界の主とすら契約した男を。
「正式に挨拶をしてやっただけだぞ?、アスラーン。お前の親には世話になってたからなぁ」
「地獄の君、ご自身のとこだけでは気が済まなかったかい?。…なぜここに来たんだい」
「ディアソムニア寮…寮長になるならばお前だと思っていたのだがなぁ」
「そんな器でもないからね、君にあれこれ言われるのも嫌さ」セベクとシルバーは地獄の君と呼ばれたカリグラをみておもわず跪く、これがあのうわさの茨の谷でも恐れられ黎明の国いやこの世界そのものを震え上がらせた存在なのかと。
昼も夜も関係ない、全てが跪きあのマレウスが尊敬し憧れる男なのだと。
「…ほぉ、お前がバウルの孫か。若い頃のやつにそっくりだな!」
「はっ、初め、まして…!。おじい様から話を伺っております、セベク・ジグボルトです」
「じゃろ~?、あれにそっくりすぎて笑ってしまうんじゃ!」
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